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inter-edu's eye

これからの社会を生き抜く人材の育成を目指し、グローバル教育やアクティブラーニングに力を入れてきた富士見丘中学高等学校(以下、富士見丘)。独自プログラムによる英語教育には定評があり、高校卒業時までに、全体の約3割の生徒が英検準1級を取得するなど6年間で英語力を飛躍的に向上させています。2021年度大学合格実績では、卒業生84名のうち早慶上理16名、GMARCH43名と高い割合で難関大合格者を輩出し、経済誌の「6年間で伸びる進学校ランキング」で1位を獲得しました。授業見学とインタビューから、注目を集める富士見丘の英語教育に迫ります。

中2英語授業リポート

一般コースと英語特別コース

中学校には一般コースと英語特別コースがあります。英語特別コースでは、帰国生や高い英語力を持つ生徒は最大週7コマの授業すべてが取り出し授業になります。一方、英検準2級レベルの生徒は一部の授業のみ取り出し授業になり、残りは一般コースの授業に参加します。

一般コース

見学したのはReading and Writing(以下、R&W)の授業。田中先生とネイティブのヴィアン先生のティームティーチングで、単元は接続詞です。

一般コースの授業のようす
生徒が1人1台所有するノートPC

生徒が1人1台所有するノートPCを使って穴埋めクイズに挑戦。ヴィアン先生がスクリーンの問題文を読み上げ、空欄に入る接続詞を生徒が考えます。PCの画面に表示される選択肢から解答を入力すると、スクリーンに正解が映し出されます。何人の生徒がどの選択肢を選んだかまでスクリーンに表示され、まるでクイズ番組のよう。正解が発表されるたび、歓喜や嘆きの声で教室が賑わいます。
富士見丘の英語の授業には、新しく学習した文法を、ネイティブの先生と実際に使ってみるという楽しい活動がふんだんに盛り込まれています。楽しみながら学ぶことでどんどん英語力が伸びていきます。

英語特別コース

トヴ先生によるオールイングリッシュの授業を受けていたのは、学年68名のうち、英検2級以上の英語力を持つ11名。
見学したのは短時間でしたが、生徒はノートPCに英語で長文を打ち込み、疑問点があると挙手してトヴ先生に英語で質問していました。このクラスは、海外大学にも進学可能な英語4技能を身につけるために、海外現地校と同じレベルの英語の授業を行っているそうです。

英語特別コースの授業のようす
生徒が1人1台所有するノートPC

楽しい授業で身につく実力

中学校では1年次に「R&W」と「Listening and Speaking(以下、L&S)」を6コマ、2年次からは「Online Speaking」が、3年次からはさらに「Extensive Reading」が1コマずつ追加されます。それぞれどのような授業なのか、一般コースの中2生にインタビューします。

Sさん・Hさん

Sさん
ダンス部所属

Hさん
テニス部所属

富士見丘入学のきっかけを教えてください。

Sさん4技能を磨く英語教育と、グローバル教育に魅力を感じたからです。

Hさん英語教育に力を入れていて、テニス部が強かったからです。

好きな英語の授業を教えてください。

SさんL&Sです。クラスメイトとグループで発表したり、絵を描いたりするところが楽しいです。たとえば、先生が配るプリントに生徒が英文を書き加えていき、オリジナルの台本を完成させて発表します。発表の後には生徒も英語で質問をして、ネイティブの先生が最後に講評してくれて、とても楽しかったです。

HさんR&Wでは、文法をしっかり学んだり、今日の授業のように、習った文法をゲームで確認することがあります。日本語と英語を比較して文法の違いを知ることが楽しいので、私はR&Wが一番好きです。

Sさん

ノートPCでネイティブと会話するOnline Speakingはいかがですか。

Sさんネイティブの方から、毎回発音が良いと褒められます。ただ、伝えたいことを英語に変換するとき時間がかかってしまい、その点は注意されます。

Hさん自分で考えたことを話すことができ、これまでの授業にはない新鮮さがあります。回数を重ねる中で、分からない単語や言いよどむ単語が減ってきました。

1年次から、「週末エッセイライティング」という英語の宿題があると聞きました。1年以上続けて、どのような変化が見られますか。

Sさん1年生の頃は、元気かどうか、それくらいしか書けませんでした。でも毎週書くことで、今では週末に行った場所や、そこで何をして、どう思ったかまで詳しく書けるようになっています。

Hさん私も単語や文章量が増えて、英文のバリエーションが増えました。

Hさん

授業や宿題を通して、英語の上達を実感しているのですね。

Sさん最初は片言の英語しか話せませんでしたが、先生にどんどん質問できる環境により、今では自分の意見を発言できるようになりました。英語をもっと学びたいという気持ちが強くなっていると感じます。

Hさん入学当初は英語で話しかけられると焦って何も理解できずにいましたが、2年生になり、ネイティブの先生が話す内容をほぼ理解できるようになりました。富士見丘の生徒はみんな明るくて、英語の授業では気軽に発言するし、恥ずかしがることなく音読できるので、力がついてきたのかなと思います。

全生徒の英語力を伸ばす!

町田先生
英語科主任の町田寛未先生にお話をうかがいます。

富士見丘の英語教育の特長を教えてください。

町田先生新旧融合型で、「全員参加、徹底的フォロー」がモットーの英語教育です。

新旧融合型の英語教育とは何でしょうか。

町田先生新しい部分は、ICTを活用した作文指導や音読指導、そして充実したアウトプットの時間です。生徒はノートPCで英作文や録音した音読のデータをオンラインで提出したり、ネイティブとオンラインスピーキングをします。文法はインプットして終わりにせず、週に2回はネイティブ教員と一緒に会話して使うようにしています。授業内で、生徒がPowerPointでプレゼン資料を作って発表することもあります。

英語のアウトプット学習

旧来型の要素は何ですか。

町田先生紙の学習です。生徒は英語のアウトプットを楽しんでくれていますが、文法のドリル学習や、単語の意味やスペルを覚える作業をおろそかにして本当の英語力は身につきません。時間には限りがあるので、新しい学習を取り入れる前まで授業中に行っていた旧来の学びの一部を宿題にしました。毎日必ず宿題を出し、家庭学習を習慣にする仕掛けにしたんです。また、「直しノート」という取り組みでは、小テストを週3回行い、間違えた箇所を3回ずつノートに書いて提出させています。

二重添削された高2生のノート
二重添削された高2生のノート。赤字が日本人教師、緑字がヴィアン先生による修正です。

では、「全員参加、徹底的フォロー」について教えてください。

町田先生英語科の目標は、全生徒の英語力を伸ばすこと。他校では一部のコースの限られた生徒のみが取り組むことが多いオンラインスピーキングを授業に組み込み、全生徒に実施させているのもこの方針の表れです。新旧どちらの学びでも、提出して終わりにはしません。オンラインで提出された英作文や音読は添削してフィードバックし、週末エッセイライティングは、ネイティブ教員と日本人教員による二重添削を行い、英作文をきめ細かにチェックします。本校では、中学3年次で70%が英検準2級以上を取得しています。英語ができる生徒のみに対して伸ばす教育をしていたら、この実績は出せません。

大きな武器となる英語4技能の成果

今後の展望をお聞かせください。

町田先生英語特別コースでは、ネイティブレベルの帰国生と、英検準2級レベルの生徒を2グループに分けて取り出し授業の数を決めています。近年、中学入学時に英検を取得している生徒が増えてきたため、これまでは一般コースだった英検3・4級レベルの取り出し授業を2022年度から作ります。これにより、生徒一人ひとりが自分の力にあった段階から英語教育をスタートすることができます。

受験生やその保護者に向けてメッセージをお願いします。

町田先生英語教育では、苦手意識を持っている生徒にこそ寄り添い、丁寧に指導しているため、一般コースから英語力をぐんと伸ばす生徒がたくさんいます。そして進路指導では、生徒の希望を最優先しながらも、進路指導部や担任が生徒一人ひとりの強みを把握し、能力を最大限に活かせる受験方法や受験校を割り出して大学受験をサポートしており、この体制が難関大合格に結びついています。我が子の可能性にかけたいと思っている保護者の方はぜひ、お子さんと一緒に本校に足を運んでみてください。

編集部から見たポイント

秋に行われる「英語授業体験」は、富士見丘の英語教育に触れる絶好の機会。初級・中級・上級とレベル別でネイティブ教員の授業を受けられるので、どのお子さんでも無理なく楽しむことができるそう。学校見学を兼ねて、ぜひ参加してみてください。

イベント日程

イベント名 日程 詳細
文化祭 2021年9月25日(土)・26日(日) 10:00~15:00
学校説明会あり
※26日のみ13:00~14:00
中2と武蔵野美術大学のコラボ展 2021年10月23日(土) 10:00~11:00 学校説明会
11:10~11:30 生徒による展覧会案内ツアー
英語授業体験 2021年11月23日(祝・火) 10:00~11:00 学校説明会
11:10~11:40 英語授業体験
チャレンジ体験入試 2021年12月4日(土) 10:00~11:00 学校説明会
10:05~12:00 体験入試(国・算)、
解答解説、受験勉強アドバイス

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:富士見丘中学高等学校