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文化と自然に恵まれた街、吉祥寺にある藤村女子中学・高等学校(以下、藤村女子)は、2022年度に創立90周年を迎えます。そしてこの節目に学校改革を行い、中高ともに新たな体制でスタートを切ります。学校改革に懸ける思いと新たな体制について、校長の柳舘伸先生と副校長の廣瀬真奈美先生にうかがいます。
2022年度の学校改革についてお聞かせください。
柳舘
校長
本校の建学の精神は「知・徳・体」を兼ね備え、新しい時代に対応できる女性の育成です。学校の根底にあるこの考えは不変ですが、教育内容は時代に合わせてアップデートしなければいけません。2022年度の学校改革の目的は、“生きる力”の育成の強化です。この生きる力とは、洞察力・考察力・会話力・表現力・行動力の5つの力。AIが人間の代わりを担う時代になっても生き抜いていくために必要なものであり、これらの力を探究学習で培います。
廣瀬
副校長
生徒には、個性を活かして卒業後もずっと伸び続けていってほしいと願っています。そこで、生徒が各々の興味・関心があることを探究の入口とし、プロジェクトに取り組みながら自己形成していく3つのアプローチを考えました。そして、高校で新設する3つのコースの探究学習に落とし込みました。
新設するコースは何ですか。
廣瀬
副校長
アカデミッククエストコース、キャリアデザインコース、スポーツウェルネスコースです。それぞれ探究のテーマを学問、職業、健康・スポーツとし、生徒は各コースの探究プロジェクトを通じて、やりたいことや進学先を見つけていきます。
高校のコースと探究学習
アカデミッククエストコース | ■1年 興味のあることが、どの学問に属し、どの大学で学べるか調べる。また、さまざまな角度から「吉祥寺」を調べ、3学期に発表する。 ■2年「私、○○専門家です」 ゼミ形式で、生徒が興味のあるテーマを深める。 |
キャリアデザインコース | ■1年 コミュニケーションの基本となるビジネスマナーを学ぶ。 ■2年 FIP(藤村インターンシッププロジェクト) 吉祥寺の企業でインターンシップをする。各業界・業種の課題を見つけ、改善策を考えて3学期にプレゼンテーションをする。 |
スポーツウェルネスコース | ■1~2年 FAP(藤村アクティブプログラム) 15の実習に参加し、他者へのアドバイスになる情報をまとめ、発表する。 |
廣瀬
副校長
1年次に基本的なことを学び、2年次にはその実践として大きなプロジェクトに取り組みます。3年次は希望の進路を固め、各コースでの経験を活かして受験対策をします。
柳舘
校長
スポーツウェルネスコースは、2年次に教育医療クラスと生涯スポーツクラスに分かれます。生涯スポーツクラスは、選手として活躍したり、スポーツビジネスを仕事にしたりと、スポーツに関わっていきたい生徒のためのクラス。地元のサッカークラブ「東京武蔵野ユナイテッドFC」とは正式に連携しており、武蔵野市で試合があるときは、本校の生徒が運営スタッフとして参加します。
もともと、本校のフィールドワーク「ふじ活(藤村女子の探究活動)」でつながりがあったことから、「選手を学校に派遣して、授業で一緒にサッカーを楽しむのはどうか」というご提案を先方からいただいています。このように、今後、探究学習からさまざまな活動が広がっていきそうです。
廣瀬
副校長
プロジェクトに取り組む生徒がどんなアイデアを出し、各コースの学びがどう盛り上がっていくのか、とても楽しみです。
新たなスカラシップ制度
柳舘校長2022年度より、3年間で最大140万円の奨学金を給付する返済不要のスカラシップ制度を導入します。たとえば、2019年度に始まったニュージーランドへのターム留学には100万円ほどかかるのですが、東京都の補助金(私立高等学校等授業料軽減助成金)約60万円と本校の奨学金を合わせれば、渡航費用のほとんどを賄うことができます。留学や通塾、部活動でも何でも構いません。生徒の成長のために、ぜひ利用していただきたいです。
中学校ではどのような変革がありますか。
廣瀬
副校長
コース制を廃止します。これまで特選と特進の2コース制で、特選コースでは2年間で中学校の学習範囲を終わらせる先取り授業を行っていました。特選コースでの指導経験を活かし、2022年度からは全生徒の学力を伸ばしながら、オリジナルプログラムと探究活動で生きる力を育みます。
オリジナルプログラムは、どのようなものですか。
廣瀬
副校長
「自己表現」「自己探求」「自己研鑽」という新しい授業で、主体的に学ぶ姿勢を育成します。これらの授業に共通していることは、経験して終わりにしないこと。必ず振り返りをして次により良いものを出せるように備え、ステップアップしていきます。
特進コースのみ今年度からこの授業を実施しており、毎週土曜日の1~3時限目に各授業を1コマずつ行っています。3つの授業で生徒は楽しみながら正解のない問いについて考えたり、仲間と力を合わせて課題に取り組んだりしています。
自己表現
プレゼンテーションの実践!
廣瀬副校長自分の思いを的確に伝えられるようになることを目標に、発表の経験を積みます。1年生であれば、自己紹介するときの声のトーンや大きさ、表情によって第一印象や伝わり方がどう変わるかを考えます。テーマの規模を少しずつ広げながら発表し、毎回振り返りをして改善点を見つけながら経験を重ね、最終的にはプレゼンの大会に出場できるレベルまで技術を磨きます。
自己探求
エンターテインメントの実践!
廣瀬副校長2021年度入試で導入した「ナゾ解き入試」を一緒に作り上げたSCRAPさんと協力して、エンターテインメントについて学びます。人をよろこばせるにはどうしたらいいのかを考え、文化祭ではゲームなどのエンターテインメントを企画立案して運営します。
自己研鑽
仲間と検定試験合格を目指す!
廣瀬副校長合格の経験から生徒が自信をつけることを目的とし、英検と漢検の勉強をします。昨年度、グループで漢検の勉強をしたところ、得意な生徒が覚え方をアドバイスし、苦手な生徒は自分に合った勉強法を取り入れて、全体の合格率が上がりました。相手を肯定し、仲間同士で苦手な部分を補い合い、1つの目標に向けて協力します。
では、中学校の探究活動について教えてください。
廣瀬
副校長
ふじ活として、1年間に2つずつ、3年間で計6つのプロジェクトに挑みます。3学年縦割りのゼミ形式で、フィールドワークや研究発表をします。
GLOBAL STUDIES
~吉祥寺から世界へ~
SDGsについて学び、海外と吉祥寺の取り組みを比較・研究する。
乳幼児との交流
家庭科の授業で子ども用のおもちゃを制作し、吉祥寺の保育園に通う子どもや、その保護者と触れ合いながら育児について広く学ぶ。
舞台表現・制作
吉祥寺シアターで行われる演目のポスターやWebパンフレットの制作に携わり、広報の仕事を体験。また、ワークショップ参加で表現する楽しさを味わう。
藤村ディスカバリー
藤村女子の歴史を学び、学校への興味・関心を高める。現在、生徒が教育用マインクラフトを用いて学校情報のデータ化に挑戦中。
地域探究活動
武蔵野市が抱える課題の中から興味・関心のあるものを選び、生徒が情報収集と分析をして発表する。
井の頭公園の四季と動植物
井の頭恩賜公園や自然文化園で、四季折々の動植物について調査する。
中学校の段階で、すでにさまざまな探究学習を行うのですね。
柳舘
校長
中学から入学すれば、高校で一番学力レベルが高いアカデミッククエストコースに進学できる学力を身につけながら、生きる力も育むことができます。どのコースを選ぶかは自由ですが、一貫生はどのコースでも中核を担える人材になるでしょう。
最後に、受験生とその保護者へメッセージをお願いします。
柳舘
校長
本校には多様なプログラムがあり、楽しみながら一つひとつ取り組んでいくと、やがて自分で考え、行動し、表現できる女性になります。藤村女子で、生きる力を楽しく育みましょう。
中学校
オープンキャンパス
2021年10月16日(土) 14:00~
入試体験会
2021年11月27日(土) 14:00~
12月11日(土) 14:00~
2022年1月23日(日) 10:00~
個別相談会
2022年1月8日(土) 14:00~
高校
新コース発表会
2021年9月25日(土) 14:00~
生徒会主催説明会
2021年10月30日(土) 14:00~
11月6日(土) 14:00~
学校説明会
2021年10月23日(土) 14:00~
共通
文化祭
2021年9月18日(土)・19日(日) 9:00~