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フランス語教育から全国大会出場の部活動までエリートを養成する名門校 「暁星」の学校生活

inter-edu's eye

フランス語と英語の二か国語教育による多言語・多文化主義を実践し、国内外で活躍できる人材を育成している暁星中学・高等学校(以下、暁星)。進学校でありながら部活動でも高い実績を誇り、文武両道を見事に実現しています。なぜ、学業と部活動を両立できるのでしょうか。伝統ある男子校の実態と、文武両道を可能にする理由を探るべく、在校生と先生からお話をうかがいます。さらに、授業と部活動の動画、そして在校生の保護者アンケートの結果も併せてご紹介します。

クラスと部活動で育む友情~生徒インタビュー~

中学1年次の部活在籍率が95%以上という暁星。今回、インタビューに応じてくれた中学3年生は、それぞれサッカー部と競技かるた部に所属しています。サッカー部には全国大会への出場経験が、高校競技かるた部には全国大会9年連続・11回の優勝経験があり、それぞれ強豪校として名を馳せています。
中学3年間を同じクラスで過ごし、2018年度から高校生になるお二人に、クラスの雰囲気や部活動について聞きました。

井貫くんと石川くん

インターエデュ(以下、エデュ):暁星に入学したきっかけを教えてください。

石川くん
石川くん

兄が男子校に通っていて楽しそうだったので、自分も男子校に行きたいと思い、入学しました。

井貫くん
井貫くん

小学生のときからサッカーをやっていたので、サッカー部が強い学校に行きたいと思っていました。男子校か共学かどうかは気にしませんでしたね。

サッカー部のようす

エデュ:入学後、すぐに友だちはできましたか。

石川くん
石川くん

最初に話しかけた相手が、偶然、後にクラスの中心人物になるような子でした。その彼と一緒にいて、だんだんクラスのみんなと仲良くなっていきましたね。クラスで友だちと話す時間がすごく楽しいです。

井貫くん
井貫くん

暁星のサッカー部は強いことで有名なので、サッカーのために入学してくる生徒がたくさんいます。そして、学年で40人くらいの部員のうち、半分は(暁星小学校からの)内進生です。僕は自分と同じように中学から入学した部員とまずは話し、徐々に内進生の部員とも話すようになりました。1年のときに行われたオリエンテーションも、友だちを増やすきっかけになったと思います。

競技かるた部のようす

エデュ:部活動での思い出や、勉強との両立について教えてください。

石川くん
石川くん

入学前は競技かるたの存在を知らず、どこに入部するかも考えていませんでした。でも、暁星はクラスでも部活動でも、自分の居場所を自由に選べるし、どこでも受け入れてくれるんです。競技かるた部では先輩と後輩が仲良く活動していて、すごくユニークな先輩がいることもあり、とても楽しいです。勉強は、家で学校の復習をしていますね。

井貫くん
井貫くん

サッカー部でも先輩は後輩に気さくに話しかけてくれます。クラスも部活動も、男子校ならではの盛り上がり方があって面白いですね。部活動の練習が早朝と放課後にあるので、家では疲れて寝てしまいます。だから週に1度、塾に通って復習をしています。学校の宿題は、あまり多くないと思います。

エデュ:暁星への入学を目指して頑張っている受験生に、メッセージをお願いします。

石川くん
石川くん

暁星には堅いイメージを持つ人が多いようですが、実際はみんな和気あいあいとしています。気軽に話しかけられる先生と、どんなことにも一生懸命になれる仲間がいることが暁星のいいところ。さらに、打ち込みたいことに集中できる環境があります。

井貫くん
井貫くん

入学するとき、知り合いが誰もいないと不安になるかもしれないけれど、男子校らしく、誰でも気さくに話しかけてくれるから、すぐに友だちができると思います。僕にとって学校は、自然体の自分でいられる場所。自由な校風の下、生徒同士が気を張らずに過ごせます。

強豪クラブの練習風景

数多の大会でトップレベルの実績を出しており、暁星を語るには欠かせないサッカー部と、百人一首かるたで全国大会優勝の実績を持つ競技かるた部の練習風景をご紹介します。

伝統校・暁星の強み~先生インタビュー~

フランス語履修や文武両道、指導方針について、企画広報部長で英語科教諭の高橋秀彰先生が語ってくださいました。

授業のようす1

フランス語を学ぶ意味

本校はフランスに母体がある修道会によって創設された歴史を持つことから、伝統的にフランス語を授業に取り入れてきました。
「言葉は文化の入口」と言われ、英語だけでなくフランス語も学ぶことで、生徒は英語圏とフランス語圏の異なる文化に触れることができます。これにより、生徒の視野が広がり、俯瞰的なものの見方ができるようになることを目指しています。

部活動が成績にも影響する!

本校では、ほとんどの生徒が部活動に所属していますが、入部は強制ではありませんし、勉強も部活動も頑張れと教師が駆り立てることはありません。生徒は勉強をしながら、部活動では自発的に先輩から受け継いだ練習を続けているのです。
例を挙げると、試験前の1週間は部活動が休みになりますが、サッカー部は練習が行われます。だからこそ、勉強する時間を自ら作り出さねばならない部員たちは、“時間の管理能力に長けている”のです。実際に、サッカー部には成績が芳しくない生徒はほとんどいません。このように、各部活動での頑張りが、学業面にも確かに反映されるのが、暁星らしさといえるでしょう。

授業のようす2

「制限しない」というスタンス

指導において心がけていることは、「教師から制限しない」ということです。勉強するなら部活動はしなくて構わないなどと、こちらから制限することを避け、まずは生徒に全部やらせてみる。すると、彼らが持つ優れた資質によって、意外にもできてしまうんですよね。だからやりたいことはやらせてみて、教師はサポートに徹し、制限しないことで生まれるチャンスに巡り合わせる。そのうえで、最終的な判断は生徒に委ねています。
比較的人数の少ない学校なので、教師が積極的に生徒に声掛けをしたり、生徒も廊下ですれ違いざまに話しかけてくれたりと、良いコミュニケーションが取れていると思います。

フランス語の授業風景

フランス人宣教師により設立されたという暁星では、英語だけでなくフランス語も習得します。中学2・3年の授業をご紹介します。

わが子の成長と学校の魅力~保護者アンケート~

在校生の保護者を対象にアンケートを実施し、入学のきっかけやわが子の成長、学校の魅力について意見をうかがいました。

入学を決めた理由やきっかけを教えてください。
わが子とエトワール祭(文化祭)にうかがった際の様子から、暁星だったら学力の伸長だけでなく、人としての成長も見込めると思えたことが入学の理由となりました。(現中学3年・お母さま)
伝統あるサッカー部で指導が受けられるうえ、勉学においても高水準であること。また、学校見学で入学後のイメージが湧きました。(現中学3年・お母さま)
勉学やスポーツなどを通して、しっかりした社会性を身につけられると思いました。小学校受験の時に第一志望だったこともあり、強いこだわりがありました。(現中学2年・お母さま)
家庭と学校の連携はどのように取られていますか?
学校行事やスポーツ観戦、定期的な個人面談を通して、私たち保護者との情報共有がしっかりされていると思います。(現中学2年・お母さま)
定期的な個人面談では、学校での様子や成績はもちろん、健康状態から友人関係まで情報交換をしています。(現中学2年・お母さま)
保護者会や授業参観などで、教育方針や学力面だけでなく、部活動のような普段の学校生活の様子をうかがうことができます。(現中学2年・お父さま)
暁星にはどんな魅力がありますか?
有名な進学校でありながら、学業だけでなく部活動が盛んです。先生方も非常に精力的で、人間形成に最も重要な中高時代に助け合いの精神を学びながら切磋琢磨して成長していく姿を見ることができる学校が暁星です。(現中学2年・お父さま)
穏やかに育っている子どもたちが多く、中学から入学してもすぐに溶け込める明るい雰囲気があります。父母の役員やお茶会のようなしがらみが無いのも特長ですね。(現中学3年・お母さま)
生徒たちには他人を認める寛容さがあります。自立を促す指導方針は、自分をしっかり持っている生徒には大変過ごしやすい環境であると思います。(現高校1年・お父さま)
在校生であるお子さまへのメッセージをお願いします。
毎日楽しく学校に通えていることがわかるので安心しています。たくさんできた友だちとの関係も大切に、充実した学校生活を送ってください。(現中学2年・お母さま)
出会った先生や友だち、先輩・後輩も大切にしながら、自分を信じて、今自分ができることをこつこつと積み上げていってください。(現中学2年・お父さま)
期待に胸ふくらませ始まった中学校生活は、ほぼ年中無休の部活動や勉強で精一杯な様子だけど、思いきり楽しんでほしいです。先生方も私たち保護者もいつも見守って応援しています。(現中学2年・お母さま)

編集者が見たポイント

取材中、緊張のせいか口数が少なかった石川くんと井貫くん。しかし、同席した高橋先生が話しかけると、生徒の表情は緩み、会話が弾み始めたのです。勉強の話題では、高橋先生が生徒に「先生によく話しかけているよな」と言えば、「勉強のことはちょっとだけです」と笑って返答するなど、教師と生徒の距離の近さが感じられました。また、生徒たちの話や取材中の学校風景から、部活動と授業クラスのどちらにも明るく温かい環境があり、そうした学校全体の雰囲気の良さが、ハイレベルな文武両道を可能にする土壌を作り出している理由であることが伝わってきました。

平成30年10月20日(土)9:00~12:00に学校見学会が開催されます。
グレード別英語授業の展開、eポートフォリオの活用もしっかり始まっている暁星に、是非足を運んでみてください。

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:暁星中学・高等学校