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インターエデュが独自調査した「2019 東大・京大・難関大学合格者ランキング」の医学部医学科・現役合格率ランキングで堂々の1位(60/167人、35.93%)※に輝いた暁星中学・高等学校(以下、暁星)。進学校としての知名度は高くても、多くの医学部入学者を輩出している上、中学1年次のクラブへの加入率が毎年95%以上であることをご存じでしょうか。文武両道を実践する在校生の日常に迫ります。
※参照元:2019 東大・京大・難関大学合格者ランキング
- 受験のきっかけは何ですか
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山口くん
僕は幼稚園から暁星です。両親が「大学受験は経験させたいから、高校までしっかり勉強できる環境を」という理由で選んだそうです。
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齋藤くん
サッカーが大好きだった僕に、サッカーが有名で学力レベルも高く、評判もよいからと、両親が暁星を勧めてくれました。説明会に行ったとき、グラウンドで在校生がサッカーをしているところを見て、楽しそうだなと思ったことを覚えています。
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新井くん
僕の場合は、記述問題が得意だったことで塾の先生から暁星の受験を勧められました。過去問題を解いてみたら、言われたとおり、入試のスタイルが自分に合っていたので、受験を決めました。
- 所属しているクラブの活動内容を教えてください
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山口くん
水泳部の活動日は週4日で、僕は外部プールの選手育成コースでも泳いでいます。2019年度は、50m自由形で全国3位になりました。
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齋藤くん
サッカー部は月曜以外の週6日が活動日で、毎日サッカー漬けです。一番の思い出は、昨年度の全国大会で3位になり、僕もベンチメンバーとして全国の雰囲気を体験できたこと。暁星は他校に比べて試合を組む回数が多く、大会前には2週間に1度のペースで試合をするので、実践練習が多いところが強さの秘けつかもしれません。
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新井くん
競技かるた部の活動日は、中1生が週3日、中2生以上は週4日です。競技かるたには級があり、大会は年齢に関係なく級ごとのものになります。試合で求められるのは記憶力。昇級の条件は大会で3位以上になることで、先日の大会でEからD級へ上がることができました。
- 先輩・後輩との関係性は?
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山口くん
水泳部は中高合同で活動しています。都大会の決勝で、高校生の先輩が僕のために大きな声を出して応援してくれたときは、すごくうれしかったです。京都で行われた全国大会では、LINEで部員みんなから応援メッセージが届きました。
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齋藤くん
活動中は厳しいときがあるけれど、どの先輩も普段は優しいし、いろいろなことを教えてくれます。
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新井くん
先輩や後輩と一緒に食堂に行くことがあります。そんなときは、ほかの部員も集まってきてワイワイ話しながらお昼ご飯を食べます。
- 活動日が多い中、学業と両立するのは大変なのでは
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齋藤くん
宿題はそれほど多くないし、テストでは点数を取れているので特に苦労を感じていません。家では「きょうはここからここまで」と自分で範囲を決めて集中することで、短い時間でも密度の濃い勉強ができています。
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山口くん
朝の早い時間や帰宅時など、時間が空いたら机に向かうようにしています。
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新井くん
授業中に分からないことがあれば先生に聞き、その日のうちに理解できるようにしています。部活動で忙しいので、分からないことを溜め込んでしまうと処理できなくなってしまうからです。
- 学校のどんなところに魅力を感じていますか
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山口くん
授業をきちんと受けていれば学力が身につくところです。あと、文化祭や運動会には男子校ならではの盛り上がりがあります。特に運動会は、先輩後輩が入り乱れて喜び合うので最高に楽しい!
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新井くん
行事では先生も一緒に盛り上がりますよね。そんな感じだから、先生と生徒の距離が近く、勉強で分からないことがあっても質問しやすい雰囲気があります。
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齋藤くん
そうそう、いつもみんなで場を盛り上げていくという。暁星には硬いイメージがあるけれど、実際に通ってみたらいつもにぎやかで明るい学校でした。
競技かるた部
競技かるたは百人一首100枚の札から、ランダムに抜き出された50枚の札を覚えるところから始まります。試合は1時間で、その間ずっと集中し続け、暗記ミスは許されません。これを平日は2試合、休日は5試合繰り返しますので、成長期の子どもには最高の脳のトレーニングとなっていると思われます。なお、生徒には「練習ノート」をつけさせて、日々の練習を、単なる勝ち負けだけで終わらせず、何かしら「気づき」を得てもらう工夫をしています。
サッカー部
学年によって能力に差がある中、基本的な技術と運動能力の向上を主な目的としてトレーニングしています。高度な戦術などを求めることよりも、サッカーにおいて基本となる事柄を重点的に身につけさせることが生徒たちのためになると考え、指導しています。また、文武両道を第一と考えるため、「準備」を合い言葉として、サッカー・勉強の両面において100%の準備をするための心構えを持たせるようにし、時間の有効活用と切り替えの早さを求めるようにしています。
水泳部
水泳という競技は、日本水泳連盟による育成プログラムが充実しており、全国大会レベルの選手たちは年齢ごとに区分されたジュニアオリンピック出場を目指しつつ、スイミングスクールでの厳しい練習と向き合う日々を過ごしています。部員たちは、公式戦はもちろんのこと、合宿や学内イベントを通じて絆を深めています。どんな大会に出場していても、暁星を代表して泳いでいるという自覚をもつよう指導しています。
塾には通っておらず、家庭教師もついていないという3人。そこで、学校と自宅での過ごし方を教えてもらいました。
新井くん
齋藤くん
山口くん
企画広報部長の髙橋秀彰先生にお話をうかがいます。
- 多くの生徒が勉強と部活動の両立に励んでいますね
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髙橋先生
中1生の加入率が98%だった年があるほど、部活動は盛んです。ただ、学校として文武両道が絶対だという考えはないため、教師が入部を強制することはありません。勉強だ部活動だと生徒を限界まで追い込むと、男の子にとって非常に大切な伸びしろがなくなってしまいますから、がんじがらめにすることは避けています。
- 締めつけない方針でありながら、入部率だけでなく医学部の合格率も高いのはなぜでしょう
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髙橋先生
授業と宿題で細かな課題はその日のうちに終わらせます。さらに本校では中間・期末といった定期テストが5回、休み明けに行われる実力テストが3回と、年間計8回テストが行われます。生徒は準備が大変かもしれませんが、学びの成果をコンスタントに確認することができます。良好な進学実績の要因の一つには、テストの多さが挙げられるのかもしれません。
- たくさんのテストによって、生徒はむしろ伸び伸びと部活動に熱中できている。医学部への高い合格率からイメージする学校生活とは違いました。
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髙橋先生
締めつけない教育こそ真のエリート教育なのではないでしょうか。上に立つ人間は物事を俯瞰して見なければならないので、生徒には自分で判断する能力を養い、偏った考えにまどわされない視点を持ってもらいたいですね。
日々の授業と宿題、そして年8回のテストが、生徒に学習習慣を根付かせていることが分かった今回のインタビュー。授業で着実に学力向上させることにより、生徒は部活動に精を出すことができ、仲間を作り、さまざまな体験を重ね、自ら考えて判断する力を養っていきます。
暁星生にインタビューするたび感じるのは、彼らが持つ品のよさであり、今回のインタビューでもその印象は変わりませんでした。全国レベルの部活動と勉強の両立に苦労を感じないと語り、忙しい日常の中に余裕を見出そうとする生き方、考え方が、品格をもたらしているのかもしれません。
クラブ体験会(小5・6年対象)
2020年5月16日(土)
授業見学会(小5・6年対象)
2020年6月13日(土)
第1回学校見学会
2020年7月11日(土)