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学力が伸びる中高一貫校へ! 八王子実践が挑む大改革第二幕

inter-edu’s eye

2026年の創立100周年に向けて大改革に踏み切った八王子実践中学校高等学校(以下、八王子実践)。掲げた目標は、生徒のさまざまな要望を実現する学校になること。5年目を迎えて中盤に差し掛かった改革は、いまどうなっているのでしょうか。入試広報部長の伊藤栄一郎先生が大いに語ってくださいました。

100周年に向けた第3次計画

大学進学を目指す生徒が増加

入試広報部長の伊藤栄一郎先生
入試広報部長の伊藤栄一郎先生
高校コース
高校コース

改革はどこまで進んでいますか

伊藤
先生

2020年度入試までは第2次改革期で、高校の増員と特進コースのレベルアップがテーマでした。増員とは、調理科閉鎖による減員を現在のコースで560人に戻すことです。
2020年度入試に当たり、特進コースの基準を上げ、放課後講習が有料であることを受験生に伝えました。国公立・難関私大合格を目指す放課後講習「J-Plus」は、教員の働き方を改善するべく、年間24万円の受講料で外部講師を雇っています。基準を上げ、放課後講習に受講料が必要だと伝えれば、志願者は減るに決まっている──。しかし、そうした予想に反して志願者は増えて655人が入学し、J-Plusには160人の定員に対して200人を超える応募がありました。受講料を払ってでも学習支援を受けて大学へ進学したいという受験生が集まるようになったのです。結果、特進コースだけでなく選抜・総合進学コースもレベルアップしています。

高校すべてのコースで学力段階がアップ!
※参照:晶文社『首都圏高校受験案内2016年度用』『首都圏高校受験案内2021年度用』
※偏差値は合格の可能性80%(ほぼ確実)の数値。

具体的にはどのくらいレベルアップしたのでしょうか

伊藤
先生

5年前に比べて各コースの学力段階が2以上ランクアップしています。総合進学コース(旧・普通)は5Bから6Aへ、選抜コース(旧・文理)は6Bから7Bへ、特進コースの特進クラスは7Bから8Bへ。
5年前にはなかった特進コースのJ特進クラスとは特待生クラスで、1年間の学費が無料のため人気を集めています。同コースの特選クラスは、J-Plusの受講料が半額免除されます。

なぜこれほど学力が上昇したのですか

伊藤
先生

受験には推薦と一般入試があり、高校の一般入試では併願優遇といって中学校の内申が大きく関わります。しかし、本校では「一般入試・併願優遇」とは別に、内申基準を設けない「一般入試・フリー」があり、入試の結果次第で一番上のJ特進クラスにも入学できます。こうして、中学校の内申点を基に受験校を決めた生徒だけでなく、内申点は低くても問題を解く力を持つ生徒、つまり、都立高校受験対策で利用している模試の偏差値を基に学校選びをした生徒が増えてきたことで、学力が底上げされていきました。
7年前は2人しかいなかった特進コースは100人を超え、いまや4クラスに。これまで進学に関して関心を持たれていませんでしたが、伸びている学校だと認知され、塾からの問い合わせが急増しています。

増員とレベルアップにより第2次改革は成功。次の一手は

伊藤
先生

高校のコース再編で第3次改革がスタートします。第3次改革のテーマはダイバーシティ。さまざまな進路を実現できる、多様性に対応できる学校への変貌です。学校サイトやパンフレットに載せている「進取(しんしゅ)」とは、「すべてを先取りしよう」という想いを込めた言葉で、第3次改革に向けた本校の姿勢を象徴しています。

中学・高校ダイバーシティ化計画

高校のコース再編について教えてください

伊藤
先生

現在、高校は特進コース・選抜コース(文理コースから改称)・総合進学コースの3コース制です。
特進コースにはJ特進・特選・特進クラスがあり、選抜コースには難関私大受験・私大受験クラスがあります。そして、これまでクラスがなかった総合進学コースに、2021年度から3クラスが新設されます。先進科学クラス・国際教養クラス・総合教養クラスです。

コース
授業風景

3クラスの特長とは

伊藤
先生

大学や専門学校との連携です。先進科学クラスでは、東京工科大・日本工学院八王子専門学校との連携により、AIやロボットについて学ぶことができます。国際教養クラスでは、拓殖大学外国語学部・国際学部との連携で言葉や、文化を学べます。総合教養クラスでは、専門学校との連携でスポーツ系・看護医療系の資格取得に向けた講習を受けることができます。現・高1生が1期生として、2年次に3クラスに分かれます。

クラス新設の狙いは何ですか

伊藤
先生

さまざまな進路の実現に対応するためです。大学進学希望者が増えても、大学には行かずに資格を取得したいという生徒は一定数います。高校卒業後に専門学校へ進んで資格を取ると時間もお金もかかります。だったらその学びを高校でできないだろうかと考えました。また、大学を卒業しても就職できない若者があふれる時代に、職業観を学んでから大学進学を考える道があるのはいいことではないかと。こうした考えには、受験生のお父さまの多くが共感してくださいますね。

3クラスの新設により、幅広い進路を生徒に提示できますね

伊藤
先生

ええ。最初から大学進学を目指す生徒は特進や選抜コースへ、大学以外の道を目指したい生徒や、希望の学びを深めてから大学を考えたい生徒は総合進学コースへと進む道ができました。総合進学の新クラスは、中学校の改革とも関係しています。

多様性で先を行く中学校

中学校ではどのような改革が行われていますか

伊藤
先生

中学校では2019年度入試から2科4科を撤廃して多方面から注目を集めました。受験生を集めるなら2科4科は必須。しかし、本校では人数を抑えて、やりたいことがある生徒を集めることにしたのです。2020年度入試では適性検査型、英語、プログラミング、自己表現の4つの入試を実施し、20名が入学しています。

クラスの雰囲気はいかがですか

伊藤
先生

活気に満ち溢れていますよ。ジュニアプログラミング検定1級を持ち、本校のプロモーション映像をいとも簡単に制作する生徒や、ネイティブ教員と流ちょうに会話する生徒など、得意分野の異なる生徒が集まって互いを認め合いながら協調性を育んでいます。学校説明会があると話すと、「学校生活について語りたい!」と多くの生徒が手を挙げますよ。

授業風景

そうした中学生の存在が、高校に変化をもたらすのでは

伊藤
先生

これまでは、さまざまな能力を持った中学生の受け皿が高校にありませんでしたが、クラス新設により、プログラミングが得意な生徒は先進科学クラスへ、英語が得意な生徒は国際教養クラスへと、得意分野を活かせる環境ができました。そうして高校に多様な生徒が集まるようになれば、ダイバーシティの実現に繋がります。
来年度には、新入試で中学校に入学した生徒で3学年が揃います。2科4科のない入試がいかに学校を変えるのか、今後の変化が楽しみでなりません。

編集者から見たポイント

高校志願者は2,000人を超え、各コースの偏差値は上がり、順調に進む大改革。速いスピードで進行するだけに、「まだ大学合格実績が追い付いていない状況で、多くの生徒が集まってくれていることに期待値の大きさを感じています。その分、教員たちは多大なプレッシャーも感じているでしょうが、生徒やその保護者の期待にしっかり応えていかなければ」と伊藤先生は語ります。第3次改革の行方、そしてその先に何があるのか。これからも注視していきたいと感じました。

イベント日程

中学校

第2回入試説明会

2020年926日(土) 14:00~15:00

第3回入試説明会

2020年1010日(土) 14:00~15:00

高校

進学説明会2020完全予約制外部会場にて実施

町田会場 町田市文化交流センター6F

第1回

2020年919日(土)

第2回

2020年930日(水)

受付開始 第1部18:30、第2部19:30

府中会場 府中市民活動センター5F

第1回

2020年923日(水)

第2回

2020年926日(土)

受付開始 第1部18:30、第2部19:30

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:八王子実践中学校高等学校