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生徒全員が主役になる学び “やりたいこと”を実現できる特別な学校 自由学園

inter-edu’s eye

池袋から最寄り駅まで15分、敷地面積10万平方メートルの自然に囲まれた自由学園。この学び舎を家のようにして過ごし育つ生徒たちは、授業や学校生活を送るうえで見つけた課題を、生徒同士で話し合いながら解決に導く力が自然に身についています。また、それらを学内外に発表する「学業報告会」の機会も設けられています。生徒たちが実際に挑戦したプロジェクトの経過や結果を通して、自由学園の魅力に迫ります。

インタビューに答えていただいた生徒4名

生徒の力で実現!小水力発電で通学路に街灯を

自由学園では、普段の学習に関連付けたテーマについて、中高混合の異学年で構成されたグループが研究・発表をする「学業報告会」を開いています。その研究課程の結果、学園内の池から流れる水を利用した小水力発電による照明を、教室と寮を行き来する道に設置した男子部のグループに聞きました。

みんなが協力し合った小水力発電

高低差をつけるための穴掘り作業

参加したのは中1から高1までの生徒10人で、まずは小水力発電で街灯をつけるためのプランを作成しました。この小水力発電は、落ちる水の勢いで水車を回し、そこにつないだ発電機を使って電気を起こす仕組みです。水は学校の池の排水を利用しますが、街灯から水車までの距離は約100メートル。水車の設計から水を運ぶパイプの設置まで、すべて生徒たちの手によって進められていきます。

設計を担当した生徒は、図書館で調べてデータを集めたり、企業の小水力発電展覧会にも足を運んでリサーチもしました、と苦労を語ります。別の生徒は、水を勢いよく落とすためには高低差が必要なので、うまく流れない場所はひたすら穴を掘って調整しました、と地道な作業を振り返りました。パイプの太さがうまく調整できずに水が流れなかったり、水車がうまく動かなかったりするなど、当初の計画通りにならないこともしばしば。それでもその都度みんなで話し合って解決を図ってきたそうです。

道に設置された照明と生徒同士による自治の様子

自由学園の生徒たちにとっては、問題が生じたときに話し合いをするのは日常茶飯事。授業でも学校生活でもいつも話し合っているから意見の違いだけで衝突することはない、とグループで一丸となって作業を進めました。プロジェクト開始から3週間後に念願の街灯が完成。水車が勢いよく回り、街灯で暗い夜道が明るく照らされた瞬間、生徒たちから「やった!」と歓声が上がったそうです。

ある生徒は、自分たちがやりたいことを実現できて達成感があった。毎日その道を使う友人から『安心して歩けるようになった』と言われてうれしかった、と充実した様子で話してくれました。別の生徒も、何か問題が起きても話し合いで解決に導くことができる。作業を進めていけばいくほど問題も増えるが、これからも続けて解決していきたい、と意欲を見せました。

自由学園では、生徒たちが自ら考えて行動し、同時に責任を負う“自治”の機会が多いそうです。個人でもやりたいことを実現できる学校。先生はぼくたちをサポートしてくれている、と生徒たちは口をそろえて言います。受け身の学習だけでは育たない、社会性や責任感、そしてたくましく生きるための行動力を育む環境が、自由学園には当たり前にあるのです。

生徒が主体的に進める「学び」を教員がサポート生徒が主体的に進める「学び」を教員がサポート

生徒主導で進められた小水力発電プロジェクト。先生は生徒たちとどのように関わっているのでしょうか。男子部の副部長である山縣基先生にお話しいただきました。

山縣基先生

── 今回のプロジェクトのように共通の問題をグループで解決する学習のねらいを教えてください。

山縣先生テーマに沿ったプロジェクトを立ち上げ、皆で解決に導く学び方を、Project Based Learning(PBL)と言います。学年の異なる生徒によるグループでは、当然ながら各自の知識量が違いますし、発揮できる能力や個性も違うので、自分がどの場面で役立つことができるのかを考えながら進めることができます。こうしてプロジェクトを進めていく過程こそがPBLと呼ばれる学びになると考えています。また、今回の小水力発電については、単に発電するだけではなく環境問題やエネルギー問題を考えるきっかけになってほしいというねらいもあります。

── プロジェクトを進めるうえで先生はどのように関わっているのでしょうか。

山縣先生学業報告会までにある程度の成果を上げないといけませんので、リーダー役の生徒から相談を受けた際は、次の方向性を示すことができるようフォローしています。また、なかなか進んで手を挙げられない生徒には、その背中を押してあげられるような声掛けをしています。何より私自身も生徒と共に学びながらワクワクしながら作業を進めました。

学業報告会での発表ポスター

── 前後を振り返って、生徒の変化や成長を実感しますか。

山縣先生まずは「一体感」ですね。最初は互いのことをよく知らなくても、作業を進めていきながら協力して1つのことをやり遂げられたのは大きな成長だと思います。また、授業に取り組む姿勢も変わったと思います。発電の仕組みを学ぶ授業では「興味・関心」を持って授業に臨んでいましたし、教科の学びが実生活と結び付いているということが実感できたと思います。

── 生徒には今回の経験をどのように活かしてほしいですか。

山縣先生何かの課題に直面したときに、今回のように自分たちで必要な知識や技術を得て、チームで協力して課題を解決していってほしいと思います。「学び」は受け身ではなくて、必要な知識や経験を自分で獲得していくもので、その過程は本来楽しいものだと思います。だから普段から自分の興味のある分野からどんどん学んでいってほしいですね。そのために自由学園は生徒のいろいろな可能性を引き出せる場でありたいと考えています。

編集者から見たポイント

「生徒一人ひとりの意見が反映されやすい」というのは、生徒が自由学園の魅力について語った言葉です。生徒の意見を全員で聞き、全員で考え、話し合う環境や自治の精神こそが、生徒個人の自立に直結します。授業においても、プレゼンテーションやレポート作成のうえでこうしたチームワークが発揮されるそうです。まさに、将来につながるリアル・アクティブ・ラーニングの実例と言えるのではないでしょうか。実際にキャンパス見学に行って、生徒たちの様子を見て、自由学園の魅力を実体験してみてはいかがでしょうか。

注目のイベント日程

イベント
日程
時間
男子部・女子部共通
ミニ学校説明会(体操会)
10/6(土)
12:00~13:00
男子部・女子部共通
明日館ナイト説明会(池袋)
10/12(金)
18:30~19:30
男子部
学校説明会・受験勉強会
9/29(土)
14:00~15:30
男子部
学校説明会(授業見学・昼食あり)
10/27(土)
12:00~14:40
男子部
入試対策勉強会
11/24(土)
13:30~16:00
男子部
入試対策勉強会
12/8(土)
13:30~16:00
女子部
学校説明会(授業見学・昼食あり)
10/27(土)
10:30~13:30
女子部
入試対策勉強会(小5・小6・中3対象)
10/27(土)
13:30~15:30
女子部
学校説明会
11/24(土)
10:30~12:00
女子部
入試対策勉強会(小5・小6・中3対象)
11/24(土)
13:30~15:30
女子部
入試説明会・勉強会(小5・小6対象)
12/23(日)
10:30~12:30
女子部
個別相談会(中学生対象)
12/23(日)
13:30~15:00

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:学校法人 自由学園