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受験へのモチベーションを高める最後の3年間。合格実績伸ばす十文字

inter-edu's eye

十文字中学・高等学校(以下、十文字)では今年も、その進学実績が上昇を続けています。国公立大学に15人、早慶上理ICU、MARCH・Gに118人が合格。開放的な学校生活の中でも、受験へのモチベーションを上げる定期的な集会を開きつつ、基礎学力を固める指導が成果を上げてきました。今回インターエデュでは先生・卒業生の方にインタビューし、その秘訣に迫ります。

松浦先生、原瀬先生インタビュー

「受験への意識」高1から定期的に呼びかけ

インターエデュ(以下、エデュ):十文字ではどのように受験への意識づくりに取り組んでいますか

原瀬先生

原瀬先生

高校1年生のうちから「自分から考えて動くきっかけ」になるメッセージを投げかけています。まずは、キャリア教育でさまざまな職業の方と交流することで、広い視野で将来を考えられるようになります。それと同時進行で、1年生のうちから受験への意識を高める呼びかけを学年集会などで継続して行ってきました。

昨年度の高校3年生の学年主任を務めた原瀬裕一先生
昨年度の高校3年生の学年主任を務めた原瀬裕一先生

エデュ:3年間を通して、どのように受験への意識を高めていますか

原瀬先生

原瀬先生

集会の開催頻度は少なくとも学期ごとに1回、多いときで月1回で、1年生では大学の学部や学科、レベルといった受験の基礎知識を知ってもらうことがメインです。早い段階から進学先、志望校を絞らせないように注意しました。そして学年が進むにつれ受験までの各段階に合わせて、生徒が「今、自分は何をすべきなのか」をしっかりと考えられるように、徐々に学力と各大学の難易度の関係をデータで示したり、学習の心構えなどについて話していきました。

エデュ:受験が近づくにつれて、だんだんと変わっていくのですね

原瀬先生

原瀬先生

希望進路別、文理別といった、それぞれの区分けでも生徒たちに呼びかける場もつくっています。多様化する受験に、各教員の経験と知識をフルに活かして対応しています。
もちろん、担任との面談も頻繁に行い、1か月に数回と手厚く生徒と話し合いをするケースもあります。

進路指導部長の松浦純子先生
進路指導部長の松浦純子先生

エデュ:ほかに受験への意識を高める取り組みなどがあれば教えてください

松浦先生

松浦先生

高校2年生の冬休みに「志望動機説明書」という課題を出しています。1000字程度で志望大学、志望理由を記すというものです。3年生の新しい担任もその記述を基に面談するので、進路指導をスムーズに引き継ぐ効果があります。
また生徒にとっては推薦入試、AO入試で提出する志望理由書の練習にもなっています。

学力を細かく把握する! 生徒に応じた柔軟な指導

進路実現に向けて受験への意識を高めるのと並行して、学力向上にも力を入れる十文字。その裏には生徒の学力を細かく把握し、指導に反映させる仕組みがありました。

エデュ:学力向上の工夫を教えてください

松浦先生

松浦先生

模試で生徒の勉強の進み具合を把握し、放課後に行う講習のクラス分けに反映させています。模試の実施回数は高校3年生ですと1学期に1回、夏休みに1・2回、2学期だと1か月に1回程度です。特に多くはないと思いますが、間違いを見直すことを徹底させているので、生徒の中で印象が強いようです。

原瀬先生

原瀬先生

生徒の学力を細かく把握して、指導内容も柔軟に変えていますね。今年の卒業生について言うと、基礎学力の定着が芳しくなかったので終礼後の小テストを月~金曜日に10分間行っていたのを、過去のデータと比較して、土曜日にも実施を広げましたね。
また、模試や定期試験で間違えた問題を抜粋した誤答ノートをつくらせ、何度も解き直しをさせました。「間違いこそ学力を伸ばす宝」なのです。

エデュ:十文字では部活動が盛んなイメージがありますが、学業との両立に苦労する生徒もいますか

松浦先生

松浦先生

インターハイで優勝したサッカー部で、早慶をはじめとする難関校の合格者が出ています。チームの中で受験に向けて励まし合っていましたね。そのほかにも練習量の多い部活動はありますが、しっかりと両立して一般受験で進学する生徒が目立ちます。

原瀬先生

原瀬先生

十文字では、学習計画・学習履歴を記録できる「タスクノート」「スタディレコード」といったオリジナルの手帳を持たせ、自分の生活管理を促しています。また、その手帳をチェックすることで教員が生徒の学習状況や生活状況を把握し、個々に応じて適切なアドバイスをすることも可能になります。

談笑する生徒たち

エデュ:昨年度の高校3年生は合格実績がさらに伸びましたが、どのような生徒たちでしたか

原瀬先生

原瀬先生

受験が近づくにつれ、力強く成長していく姿が印象的でした。第一志望を諦めない生徒が多かったですね。大学受験情勢は近年、さらに厳しくなっていますが、みんな最後まで頑張ってくれました。
受験指導の過程では現実を提示し、かなり厳しい話もします。しかし、そういった指導は高校3年生の2学期までです。直前期に入ったら、伸び悩んでいる子に対しても「自分を信じろ。大丈夫だから」と背中を押してあげます。「この子、第一志望に受かったんだ!」と驚く結果を出した生徒もいました。

卒業生インタビュー

「綿密な受験への意識づけ」「基礎学力の徹底」で実績を上げる十文字の指導。また、受験直前期には校内に特大のダルマを飾って、応援メッセージを投げかけるといった工夫も。厳しい中にも温かみのある受験指導について、卒業生お2人にも語ってもらいました。

国際基督教大学(ICU) 教養学部1年生 樋口 絹香さん(ヒグチキヌカ)
国際基督教大学(ICU) 教養学部1年生
樋口 絹香さん(ヒグチキヌカ)
東京医科歯科大学 医学部保健衛生学科 看護学専攻1年生 長谷川 優衣さん(ハセガワユイ)
東京医科歯科大学 医学部保健衛生学科
看護学専攻1年生
長谷川 優衣さん(ハセガワユイ)

エデュ:大学受験を意識したのはいつからですか

長谷川さん

長谷川さん

高校1年生の夏にはオープンキャンパスに参加していました。将来の夢は看護師になることなのですが、進路実現のために何をすればよいかについては当時から見えていました。学校の声掛けのおかげだと思います。

樋口さん

樋口さん

私は高校1年生から国際系の進路を志望していて、2年生の秋まで海外留学をしていましたが、帰国後の冬には受験先が決まりました。

エデュ:十文字の受験指導のいいところを教えてください

長谷川さん

長谷川さん

放課後講習のレベルが細かく分けられていて、発展的な問題演習もたくさん経験できるところです。そのおかげでセンター試験は解きやすく感じられました。

樋口さん

樋口さん

倫理や政治経済といったあまり受験では使わない科目の授業が充実していたところです。一般的な受験科目にプラスアルファの学習があることで、変わった受験形式にも対応できたと思います。私自身も国際基督教大学の入試で高校すべての学習範囲が問われましたが対応することができました。

インタビューに応える長谷川さん

エデュ:受験に向けた集会の中で言われたことで印象に残っていることを教えてください

長谷川さん

長谷川さん

模試の前後に開催されることがあるのですが、先生から試験結果を見直すよう強く呼びかけていたことが印象に残っています。正直、自分の間違ったところを解き直すのは辛くもあるのですが、しっかりと間違いに向き合う習慣ができました。

樋口さん

樋口さん

夏休みの前に「気を抜くと、ほかの受験生との差が広がる」と言われたことです。先生方のおかげで1年生から受験への意識を保てたと思います。また、大学の合格難易度をデータで説明してくれるので、自分たちがどう勉強すべきかが明確に分かりました。

インタビューに応える樋口さん

エデュ:受験直前期、受験本番の思い出を教えてください

長谷川さん

長谷川さん

授業が終わってからも、友人と学校に集まって学習内容について相談したり、おしゃべりしたりしてリラックスしながら勉強することができました。第一志望校受験当日には、ほかの進学先も確保していたので、「失敗しちゃいけない」というよりは「チャレンジする」という前向きな気持ちで臨めました。

樋口さん

樋口さん

私も第一志望校を受験する時には、すでにほかの大学に合格できていたので、「本番で持っているものをすべて出すぞ」と思えました。直前期には、学校に大きなダルマが飾ってあって、先生たちの温かみが感じられて、励まされました。

2020年度 主要大学合格実績

国公立 合計15
  • 東京外国語(国際社会)
  • お茶の水女子(理)
  • 東京医科歯科(医・看)

    2

  • 筑波(体育)
  • 千葉(園芸)
  • 埼玉(理)
  • 埼玉(教育)

    2

  • 広島(経済)
  • 東京都立(健康福祉)

    2

  • 東京都立(経済経営)
  • 防衛医科(看護)
  • 国立看護(看護)
早慶上理・ICU
  • 早稲田

    5

  • 慶應義塾

    4

  • 上智

    4

  • 東京理科

    8

  • 国際基督教

    2

MARCH・G
  • 明治

    21

  • 青山学院

    16

  • 立教

    18

  • 中央

    12

  • 法政

    18

  • 学習院

    10

受験生・保護者へのメッセージ

学年一丸となって受験に向かい、友人同士で励まし合いながら進路実現ができる十文字。今回のインタビューでも「自立した、社会で活躍できる女性」を育てる学校の姿を感じました。
最後にご登場した方々から預かったメッセージを紹介します。

  • 長谷川さん

    十文字は先生も生徒も仲がよく、何かあれば友達と相談できます。また、「みんなそれぞれだから気にしない」という雰囲気もあり、独りでいることだってできます。とても過ごしやすい学校ですよ。

  • 樋口さん

    振り返ってみると、十文字はすごく平和だったなと思います。いじめがなく、裏表なく自由に過ごせる学校です。進路指導でもとても細かいところまで気遣ってくれて感謝しています。

  • 原瀬先生

    もし十文字に入学したら、大学で専門性を磨く前の中学校・高校の段階で、じっくり考えて、後悔しないように進路を決めてほしいと思います。目標を諦めないためには、自分を信じなくてはいけません。その裏付けとなる学力は地道に頑張れば必ず花開きます。

  • 松浦先生

    皆さんは今、小学校6年生でたくさんの可能性を秘めています。これからの中高6年間、安易に妥協しないで自分を少しでも高めていってほしいです。十文字ではいろいろな可能性を伸ばせます。本人の希望が叶うようにどこまでも応援しますので、夢の実現に近づくことができます。

編集者から見たポイント

十文字では成人式に合わせて、卒業生の方が学校にたくさん集まっています。また、40歳を祝う会も学校で開かれていると聞きました。「生徒同士の絆の深さ」が進路実現に向けて励まし合う環境につながっているのでしょう。

2020年 イベント日程

授業を受ける生徒
中学
中学 ミニ説明会
10月24日(土)10:00~11:00
11月14日(土)10:00~11:00
12月12日(土)10:00~11:00
中学 学校説明会
11月7日(土)14:00~15:45
中学 イブニング説明会
11月 13日(金)18:30~19:30
中学 入試体験会
11月22日(日)10:00~12:00
12月20日(日)10:00~12:00
中学 個別相談会
12月26日(土)10:00~16:00
高等学校
高校 ミニ説明会
10月24日(土)10:00~11:00
11月14日(土)10:00~11:00
12月12日(土)10:00~11:00
高校 入試説明会
10月31日(土)14:00~15:45
11月21日(土)14:00~15:45
高校 個別相談会
10月31日(土)14:30~随時
11月21日(土)14:30~随時
12月26日(土)10:00~16:00

※※日時の変更・中止の可能性もございますので事前にホームページをご確認ください。

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:十文字中学・高等学校