inter-edu’s eye

図書館との連携が特徴的な東京純心女子の探究型学習。アクティブラーニングが全盛の中、純心ならではのアクティブラーニングともいえる「探究型学習」の特徴はどこにあるのでしょうか。生徒の実感も踏まえ、その神髄に迫ります。

純心の探究型学習

生徒自らがテーマや問いを考え、調査・整理分析・まとめ・表現というプロセスに主体的に取り組むことを通して、知識と学び方を取得していくこと。これが探究型学習の基本ですが、純心の大きな特徴は、教科と図書館が連携していることです。以前から、調べる学習自体は教科内で行っていたそうですが、インターネットで調べた内容の発表に留まってしまうことが先生方の悩みだったとか。そこで、図書館にも協力を仰ぎ、調べる学習をより深めるスタイルに10年ほど前から変わったそうです。

図書館探究型学習

学年ごとにテーマが変わる探究型学習。
中1は、「国を調べる」をテーマに、社会の授業の課題としてグループで活動。調べることの基本を学びます。
中2では、「ベートーヴェンについて調べる」をテーマに、ベートヴェンの生涯と独自のトピックを、個人でレポートにまとめます。
最終段階の中3は、「時事問題スピーチ」。自分なりの意見、答えをまとめて、最終的に授業で5分間のスピーチを行います。

「自分に合う本が分かるように!」生徒インタビュー

探究型学習を通して生徒たちはどのような成長を実感するのでしょうか。
今回は、昨年「時事問題スピーチ」をした高1の舟橋さんにインタビュー。また、先生方がどのように指導にあたっているのかを、社会科の廣松先生と司書教諭の遊佐先生にもうかがいました。

お話を聞いた舟橋さん

お話を聞いた一貫生の舟橋さん(高校1年生)

インターエデュ(以下、エデュ):舟橋さんはどんな題材を選んだのですか?

舟橋さん:最初は、社会問題である「いじめ」に興味を持ち、本を選びました。「いじめ」がテーマになっている本はたくさんあるので、調べたい内容に合っているかどうかを目次を見て選んで、遊佐先生にチェックしてもらいました。たくさんの本を見たので、著者の論調などもすぐにわかるようになり、自分に合った本かどうかをすぐに判断できるようになったと思います。

エデュ:最終的にスピーチのテーマはどのようなものになったのでしょうか?

舟橋さん:「『多様な教育機会確保法』を認めるべきか」というテーマです。

エデュ:とても難しそうですね。「いじめ」からなぜそのテーマに?

舟橋さん:いじめの問題を調べていく中で出会ったのが、不登校などの理由でフリースクールや自宅学習を余儀なくされた人たちの義務教育問題だったんです。学校以外での学習も義務教育として認めるための法律が考えられていると知り、これは認めるべきだと考え、テーマに設定しました。

エデュ:自分の意見を考えるのは大変ではなかったですか?

舟橋さん:興味のあるテーマについて調べられるので、むしろ楽しかったです!中2の「ベートーヴェンレポート」のほうが大変だったかも…。

「『学び方』を学んでほしい」という願い

エデュ:「楽しい」という声は正直意外でした。そういう生徒が多いのですか?

廣松先生

社会科 廣松先生

舟橋さん:いえ、けっこう苦戦している子もいましたね。

エデュ:どんなところに苦労するのでしょうか?

廣松先生:テーマに対する「問い」を立てさせるのですが、そこでつまずく生徒が多いですね。時間をかけてテーマを見つけた生徒は、「問い」を立てることやスピーチ原稿の作成をスムーズに進めることができるのですが、下調べが不十分な生徒ほど苦労するんです。

遊佐先生

司書教諭 遊佐先生

遊佐先生:「漠然としていないか」「どこかで誰かが言ったような問いになっていないか」など、自分自身の「問い」を立てられているかどうか、私の細かいチェックも入りますからね。

廣松先生:「問い」を見つけた後も、スピーチ原稿の書き方を遊佐先生が指導しますし。

エデュ:生徒一人ひとりに対して細かくチェックするのは、先生も大変そうですね。

舟橋さん:でも、先生たちが最後まで付き合ってくれるという信頼感があるから、私たちもがんばれるんです。

遊佐先生:途中つまずいていた生徒が、冬休みのころには私を呼び出すほどに熱心に取り組むようになったこともありましたね。そんな生徒たちも、大学に進んでレポートに苦労する友だちを見て「なんで書けないのか不思議」と言うほどになるんですよ。

エデュ:中学・高校で苦労して身につけた力が、しっかり活きているんですね。

遊佐先生:はい。将来必ず役に立つ力ですから。「学び方」を知って、学ぶ楽しさに気づいてほしいので、生徒のがんばりには応えていきたいです。

編集部から見たポイント

図書館にて

入学のきっかけはクリスマスページェントだったという舟橋さん。たくさんの生徒が出迎えてくれたことにあたたかみを感じたそうで、高校生になった今もその印象は変わっていない様子でした。インタビュー中も楽しそうに話す3人の姿からも、学校のあたたかみを感じられた取材でした。

イベント日程

イベント 日程 時間
中学校説明会 第6回
(体験授業あり)
11月12日(土) 10:30~12:30
中学校入試体験 第1回
【要予約】
11月19日(土) 14:00~16:00
クリスマスページェント 12月23日(金・祝) 10:30~12:30