純心生の圧倒的英語力を育む留学制度と授業の秘訣
inter-edu’s eye
質の高い英語教育に定評のある東京純心女子中学校・高等学校(以下、純心)。今回は、純心の英語の目玉ともいえるオーストラリアでの語学研修・ターム留学と、英語力を育む日々の授業内容に注目。そのこだわりについて、英語担当の坂梨陽先生と新井華子先生にうかがいました。
「英語の純心」が誇る語学研修とターム留学
まずは、海外での語学研修やターム留学の多彩な種類と内容について、留学担当の坂梨先生に教えていただきました。
本場の英語と異文化を体感できる豊富なプログラム
インターエデュ(以下、エデュ):全コースの生徒が対象となる、オーストラリア語学研修について教えてください。
坂梨先生:高1の希望者全員が参加できる研修です。姉妹校であるキャロライン・チザム高校で語学を学ぶシドニーコースと、アクティビティ豊富なゴールドコーストコースから選べます。期間は17日間と短めですが、英語での生活や文化を十分に体感できるプログラムとなっています。
エデュ:同じく高1で実施されるターム留学は、どのようなプログラムですか?
坂梨先生:高1の2か月半、キャロライン・チザム高校に通う本格的な留学制度で、希望者の中から選抜を勝ち抜いた2名が参加できます。通常120〜130万円ほどかかる留学に実質5〜10万円で行けるのも、交換留学を行う本校ならではのメリット。期間中は週に1度学校に報告書を送ってもらい、帰国後は全校生徒の前で発表するなど、経験を力にする機会も設けています。
エデュ:ターム留学に参加できなかった生徒も、キャロライン・チザム高校の生徒たちと交流する機会はありますか?
坂梨先生:もちろんです。2年に一度、生徒約20名が1週間こちらに滞在する交流会があります。ホストファミリーやお世話係として仲良くなり、帰国後もLINEやメールで連絡を取り合っている生徒がたくさんいます。
特進プログラム全員参加の新ターム留学がスタート
エデュ:2022年度から新設される「探究型3か月ターム留学」について、従来との違いを教えてください。
坂梨先生:特進プログラムの高1全員が参加できます。期間も3か月間と長く、私学財団の補助金で授業料や航空費が免除されるので、なんと基本費用無料で参加できます。
エデュ:留学中、参加生徒はどのような生活を体験するのでしょうか?
坂梨先生:現地の家庭にホームステイしながら、オーストラリアのクイーンズランド州にある共学の州立高校に通います。州政府完全バックアップのもと、“本物の留学”を目指して、現地では日本人としては完全な単独行動となり、地域文化が色濃く残る郊外を滞在先に選びました。ホストファミリーは州政府の指定を受けており、本校の教員も現地に滞在するので安心です。1年のうち243日が晴天と大変過ごしやすい地域で、のびのびと留学を楽しむことができます。
エデュ:純心の語学研修やターム留学に参加すると、どのような成長が期待できますか?
坂梨先生:純心の生徒はみんな英語力がありますが、海外生活を経験するとプラスアルファの自信がつきます。滞在中は大変な経験もすると思いますが、英語力アップはもちろん、異文化の中で揉まれることで、困難に直面しても諦めず、柔軟に解決できる力を身につけることができます。
リスニングや発音に強くなる! 工夫満載の授業
生徒たちの英語力が圧倒的に高い純心では、どのような授業を行っているのでしょうか。先生方の工夫をお二人にうかがいました。
勉強の型をベースに“使える英語”を育てる
エデュ:純心生が持つ英語力の強みを教えてください。また、その力を育てる工夫はありますか?
新井先生:単語量、リスニング、発話に強く、GTECでも毎年リスニングやスピーキングが全国平均をはるかに上回っています。純心の授業は、単元ごとに小テストを実施し、毎日の宿題で勉強を習慣化するスタイル。アウトプットを特に重視しており、授業時間の3分の2は発話に費やし、毎日英文の暗唱テストをします。
エデュ:英検でも、中3の準2級合格者が3年連続で55%以上など、非常に高い合格率を誇っています。その秘訣を教えてください。
新井先生:英検対策講座は設けていますが、実はそれ以外に特別なことは何もしていないのです。中1で教える「勉強の型」が秘訣でしょうか。予習復習や自習のやり方を教えているので、英検ならこういう勉強をしよう、と勉強の型をアレンジできているのだと思います。
大学英語を先取りする、特進プログラムの高レベルな授業内容
エデュ:特進プログラムならではの授業内容を教えてください。
新井先生:叡智探究セレクトデザインコースに比べて進度が早く、より難解な内容を教えます。高2から大学入試の問題に挑戦したり、授業で触れた英文を自分の言葉で再構築し発表する「Retelling」など、いろんなトレーニングをすることで、どんな問題と出会っても挑戦できる実力と自信が身につきます。
坂梨先生:私は大学レベルの英字新聞を配り、TOEICのページに挑戦させています。「とりあえずやってみる!」という前向きな生徒が多いので、ほかの生徒にも良い影響を与えてくれています。
エデュ:生徒たちとはどのようなコミュニケーションをとっていますか?
新井先生:生徒一人ひとりと定期試験や模試の結果を見ながら面談をしていました。分からないところを分かるまで分析するよう指導していたので、結構スパルタだったかもしれません(笑)。
坂梨先生:特進プログラムに限らず、純心では教員が生徒と一緒に過ごす時間を大切にしています。生徒たちも、「頑張っただけ褒めてもらえる」と喜んでくれています。
純心の英語は大学共通テストにも強い!
最後に、そのほかの取り組みや昨年度の大学入試実績についてうかがいました。
エデュ:留学や授業のほかにも、生徒の英語力を底上げする取り組みはありますか?
新井先生:毎年中学と高校でそれぞれ行われるスピーチコンテストは、純心の一大イベントです。クラスごとに選抜を行い、選ばれた生徒は教員とマンツーマンで特訓して全校生徒の前で発表します。コースに関わらず全員が挑戦できるので、生徒たちもみんな「今年こそ!」と闘志を燃やしています。
エデュ:2020年度の大学入試では、“純心の英語”がどのように活きたと感じますか?
新井先生:大学共通テストになりリスニングの配点が増えたので、共通テストの点数だけで滑り止めの大学に合格するなど、純心生はゆとりをもって臨めたようです。具体的には、女子大御三家に学年の4分の1が合格、GMARCHレベルに45%以上の生徒が現役合格しました。
エデュ:最後に、生徒たちに英語をどう役立ててほしいか、先生方の思いをお聞かせください。
新井先生:自分のやりたいことに挑戦するためのツールとして活用してほしいです。純心で学んだ英語を大いに活用しながら、どんな場所でも、周りに必要とされる人になってほしいですね。私たち教員の願いは、ずっと変わりません。
坂梨先生:周りの人々や社会にどう貢献できるか考え、その中で英語を使ってもらえたら嬉しいです。英語だけでなく、学校で学ぶことはいつか必ず役に立ちます。一つひとつ丁寧に学び、全部吸収して自分の力にしてほしいと思います。
編集者から見たポイント
取材をする中で、先生方と生徒たちが一体となって英語に向き合っていることがひしひしと伝わってきました。生徒たちにとっては、先生方と英語について語り合う時間が一番のモチベーションになっている様子。英語教育に力を入れている純心だからこそ、実践的な英語力を着実に身につけることができるのでしょう。
学校公式サイト ≫学校説明会・イベント日程
イベント名 | 日時 | ご予約 |
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純心祭(個別相談) | 2021年9月26日(日)9:00~13:10 | 要予約 |
純心祭(学校説明会) | 2021年9月26日(日)13:30~14:30 | 要予約 |
学校説明会 | 2021年10月16日(土)10:30~12:00 | 要予約 |
連載コンテンツ
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