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主役は小学生の皆さん!工学院大学附属中高の夏休み自由研究室

生徒の皆さん

inter-edu's eye

夏休み本番の7月最終日、工学院大学附属中学校・高等学校(以下、工学院大学附属中高)で開催された「夏休み自由研究教室」。予約開始直後から満席となる講座があるほど人気を集めた新イベント当日の様子を、会場レポートと参加者の皆さんの声からご紹介します。

小学3年生から参加できるユニークな講座の数々

保護者同伴で開催された講座のラインナップをご紹介します。

  • 校長先生の情報科学教室

    校長先生の情報科学教室

    校長と一緒にいろんなゲームで遊びませんか? 遊んでいると、いつの間にかコンピュータ科学の面白さや仕組みが分かります。

  • 立体の美しい秘密

    立体の美しい秘密

    身近な材料で正多面体などの立体模型を作ります。面の形、辺や頂点の数などをよく観察して、性質や特徴を発見します。

  • 地球に優しい染め物

    地球に優しい染め物

    地球に優しい染め物にチャレンジ。藍染めでオリジナルデザインのトートバッグを染めてみよう。

  • 一番高いレゴタワーに挑戦

    一番高いレゴタワーに挑戦

    制限時間内に、レゴブロックで誰が一番高いタワーを作ることができるか、チャレンジしましょう。

  • 国名でつくるクロスワードパズル

    国名でつくるクロスワードパズル

    インターネットで国の特徴を調べて、世界の国名でクロスワードパズルを作成します。

  • 鉄道模型の秘密

    鉄道模型の秘密

    身近な材料で正多面体などの立体模型を作ります。面の形、辺や頂点の数などをよく観察して、性質や特徴を発見します。

  • カメラオブスクラ

    カメラオブスクラ

    カメラの原型「カメラオブスクラ」を作って、ピント合わせに挑戦しながら、レンズの作る実像の性質を体験しよう。

  • エコカーで考える脱炭素社会

    エコカーで考える脱炭素社会

    エコランカーやソーラーカーの運転席を体験。仕組みを学びながら脱炭素社会の自動車について考えよう。

  • 100均で作るスノードーム

    100均で作るスノードーム

    100均で買える材料だけでスノードームを作ります。溶液の濃さを調整しながら自分好みのスノードームを完成させよう。

  • 戦国武将をPR

    戦国武将をPR

    戦国武将になりきって、みんなに支持されるような政策や戦をプレゼンしてみよう。

  • 英語で考える未来のいきもの

    英語で考える未来のいきもの

    英語でいきものについて学び、未来のいきものについて考えてみよう。

  • サイエンス部いきもの調査隊

    サイエンス部いきもの調査隊

    生物実験室を拠点に、校内のいきもの調査や解剖を行います。サイエンス部の部員が調査をサポートします。

  • 詩人になって階段ポエム

    詩人になって階段ポエム

    誰でも簡単に素敵な詩を書くことができます。ちょっと変わった「詩の作り方」にみんなで挑戦しましょう。

  • 校長先生の情報科学教室
  • 立体の美しい秘密
  • 地球に優しい染め物
  • 一番高いレゴタワーに挑戦
  • 国名でつくるクロスワードパズル
  • 鉄道模型の秘密
  • カメラオブスクラ
  • エコカーで考える脱炭素社会
  • 100均で作るスノードーム
  • 戦国武将をPR
  • 英語で考える未来のいきもの
  • サイエンス部いきもの調査隊
  • 詩人になって階段ポエム

講座をサポートしたお兄さん・お姉さんの手応えは?

ボランティアスタッフとして参加した在校生の皆さんへ、夏休み自由研究教室が終わった直後にインタビュー取材を実施。
本番当日に向けた準備や開催当日の手応えを聞かせてもらいました。

デジタルクリエイター育成部 デザインアート同好会

M.Tさん
中2
M.Tくん
S.Yさん
中2
S.Yさん
R.Nさん
中2
R.Nさん
S.Uさん
高1
S.Uくん
K.Oさん
高2
K.Oさん

インターエデュ(以下、エデュ)

事前準備の内容や、当日の感想を教えてください。

M.Tくん

先生方と相談しながら講座でのアシスタント業務を細かく確認していました。小学生と触れ合う機会がほとんどなかったので、単なる声かけから立体工作の手伝いに至るまで、一つひとつのやり取りに気を配る難しさを実感していました。

夏休み自由研究教室の様子
手を出し過ぎずに面白さを伝える難しさを実感

S.Yさん

所属しているダンス部のメンバーがボランティアスタッフとして参加することを聞き、貴重な機会だと思って私も参加を決めました。本番を想定したリハーサルで段取りを確認していましたが、講座終了の直前になって、小学生の皆さんに贈るメッセージカードを作ろうということになりました。こうしたアイデアをすぐ形にできるところが工学院大学附属中高らしいと思います。

小学生へのメッセージカードを作成する様子
小学生へのメッセージカードを作成

R.Nさん

ほかの校内行事にも積極的に参加しており、来校する方々に喜んでいただけるように準備を進めてきました。リハーサルしたように本番当日も藍染めがうまくできて安心しました。私たちの姿を見た小学生が、将来の工学院大学附属中高生になってくれたらとてもうれしいですね。

夏休み自由研究教室の様子
頼りになるお兄さん・お姉さんとして大活躍
夏休み自由研究教室の様子
工学院大学附属中高らしさが詰まった講義内容に保護者も拍手喝采

S.Uくん

当日の天候次第で講座内容が変わるかもしれないと聞いていたので、同じグループのメンバー間で入念な準備やシミュレーションを重ねてきました。熱中症になりそうなほどの快晴に恵まれたので、ペットボトルでロケットを作る屋外作業は取りやめるといった臨機応変な対応ができました。小学生への声のかけ方を意識したことがなかったので、改めて気づかされたことがたくさんありました。

K.Oさん

勉強の楽しさにつながる教え方を考えながら、分かりやすく面白い講座になるように接することができました。デザイン・アート同好会の一員として、ボランティアスタッフのみんなが着ているオレンジTシャツのロゴデザインを作る役割があり、そのTシャツのおかげで統一感のあるイベントになったと感じています。

夏休み自由研究教室の様子
先生方の熱量も講座の魅力のひとつ!

エデュ

参加した小学生とのやり取りについて教えてください。

M.Tくん

初対面の参加者の皆さんに、僕たちの気持ちが伝えられるか心配でした。実際に始まってみると、最初は緊張ばかりしていたのですが、講座を楽しみにしていた小学生の気持ちが伝わってきて勇気が湧いていきました。

S.Yさん

工学院大学附属中高の良いところを質問された際、すぐに答えられたことが自分でも意外でした。コロナ禍で学校に通い始めてから2年目ですが、友だちに恵まれていたり楽しい授業を受けていることを思い返して、温かい気持ちになれました。

夏休み自由研究教室の様子

R.Nさん

両親と一緒に、弟が講座に参加しに来たんですよ! 自宅では家族として気さくな会話をしていますが、イベントへの参加者であれば同じように話すわけにはいきません。気持ちを切り替えたり、周囲の参加者に合わせた言葉づかいを考えるなど、今までなかった新しい経験ができました。

S.Uくん

レゴタワーを作る講座の担当として小学生と接しましたが、ヒントを出しても答えまでは教えないようにするのに苦労しました。つい、「こうしたほうが効率的だよ」と声をかけたくなるものですが、普段の授業で先生方がそうしてくれたように、本人自身が考えて物事を進める楽しさを感じられるよう意識しました。

夏休み自由研究教室の様子

K.Oさん

そうなんですよね。工学院大学附属中高に興味を持つ人は「課題にチャレンジしたい」「いろんなことを知りたい」と思う人が多いです。クロスワードパズルを解くために世界中の国名を調べた際には、有名な都市の人口の違いに驚く参加者の声も聞こえてきました。学ぶ過程は本来とっても楽しいものであるはずです。

エデュ

イベント参加から学んだことを教えてください。

S.Yさん

教えることに苦手意識を持っていましたが、一緒に楽しみながらとても喜んでもらえました。先生方は授業でも同じように考えているのかと想像すると、今後の学校生活にハリが出てきますね。

S.Uくん

小学生同士がペアになった際に、仲良く協働作業を進める様子に驚かされました。年齢を重ねると不要な遠慮がありがちですが、素直なコミュニケーションの大切さについて考えさせられる機会になりました。

夏休み自由研究教室の様子

K.Oさん

中1からこういったイベントに参加してきましたが、毎回思うのは事前準備が大切だという点です。これまで積み重ねてきた経験を活かすことができて、私にとっての自信につながりました。

人気ナンバーワンの講座は 校長先生の「情報科学教室」

校長の中野由章先生が自ら講師を担当した情報科学教室は、全13講座の中で最も参加者が多いものになりました。保護者も思わず唸ってしまったというハイレベルな講義内容に込められた思いをお話しいただきました。

中野由章先生
校長の中野由章先生

エデュ

先生ご自身が講義をした「情報科学教室」はどのような講座なのでしょうか。

中野先生

情報科学を専門分野にしている私の強みを活かして、まずは2進法を理解したうえで文字コードを使った平文を作るといった内容から始めました。これは数値で文字を表現するという極めて高度な講義ですが、小学生の柔軟な考え方が存分に活かされるものとなりました。また、情報量の概念を学んだり、自由に描いたドット絵を符号に変えて、さらに符号を絵に再変換してみるといった内容にも取り組みました。

これらは大学生になって初めて触れるような要素ではありますが、遊びやゲームの感覚で取り組めば小学生でも理解できると考えています。実際に、私が理事として参加している情報オリンピックは、小学3年生が数多く参加しています。すべてを完全に理解することはできなくても、こういった学びの雰囲気を知るだけでも価値があります。私が取り組んできた活動の一部を再現することで、まずは「分かった!」という感覚や面白さを知るきっかけになったかと思います。

中野由章先生

エデュ

校長として今後の展望を教えてください。

中野先生

高い専門性を誇る工学院大学に隣接した附属校である点は、本校で最も大きなメリットです。工学院大学に進学した場合にはもちろん理工系に特化した学びが待ち受けていますが、その前に学ぶべきことは「広く教養を身につける」ことだと考えています。私自身、将来の進路に必要な科目を絞り込んで勉強する弊害は強く感じているため、本校では理系学部に進学するからこそ文系科目をしっかりと学ぶように指導しています。文系学部に進学するならば理数系科目を学ぶべきとも伝えています。かつて大学では教養課程がありましたが、今は1年次から専門性の高い授業を受けるため、偏った知識のままで就職し、社会に出てから困ることがあるかもしれません。そういったわけで、本校は幅広い教養の習得を目指した学習に取り組んでいます。どんな進路を目指すにしても、安心して通える学校ですよ。

夏休み自由研究教室が実現した背景

一大イベントとして成功を収めた夏休み自由研究教室の企画を立案し、国名で作るクロスワードパズルの講座を担当された高橋勉先生からは、開催までの詳しい背景を教えていただきました。

高橋勉先生
高橋勉先生

エデュ

イベント開催の背景を教えてください。

高橋先生

今回の夏休み自由研究教室は、学校広報を主目的としたイベントではありません。八王子の地に根差す工学院大学附属中高として、地域の皆さんから寄せられる期待や応援の声に対して、御礼の気持ちを込めて開催されたものとなります。もちろん、本校に入学いただけたら体験できる学習の一端として取り組んでもらいましたが、コロナ禍でも親子で楽しめる自由研究としてもご参加いただきました。知識を得るために未知の扉を開くきっかけとなれば幸いです。

夏休み自由研究教室の様子

エデュ

受験生に向けたメッセージをお願いいたします。

高橋先生

7月の予約開始後、すぐに席数が埋まった講座も多数あり、保護者の皆さまからの熱気を肌身で感じる結果となりました。校外で実力を発揮する場がない昨今の社会情勢でも、生徒がボランティアスタッフとして活躍できる場にご参加いただいた皆さまに厚く御礼申し上げます。このようなオープンスクール形式の講座は今後も開催されますので、来校いただいた際には生徒たちの様子にご注目ください。
中学受験はお子さまが自らの視野を広げ、可能性にチャレンジする大切な機会となります。家族全員で成長を支えながら、試練を乗り越えた先の笑顔が見られることを心待ちにしています。

編集後記

工学院大学が持つ理工系のイメージが覆されるような、探究型の自由な講座の数々に驚かされた取材となりました。何よりも、保護者の皆さまからの熱気がすごいの一言に尽きます。期待高まる工学院大学附属中高の今後から目が離せません!

イベント日程

中学

第3回学校説明会(授業・部活動体験)

2022年10月15日(土) 14:00

体育祭(個別相談)

2022年10月26日(水) 10:00

第2回オンライン学校説明会

2022年11月2日(水) 13:00

第4回学校説明会・入試予想問題体験会

2022年11月27日(日) 13:00

クリスマス学校説明会

2022年12月24日(土) 13:00

入試対策説明会

2023年1月14日(土) 14:00

高校

第3回学校説明会

2022年10月22日(土) 14:00

第4回学校説明会

2022年11月27日(日) 10:00

第5回学校説明会

2022年12月3日(土) 14:00

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:工学院大学附属中学校・高等学校