掲載日:

inter-edu's eye

総理大臣から宇宙飛行士まで幅広い分野で第一線に立つ人材を輩出してきた攻玉社中学校・高等学校(以下、攻玉社)。今年創立158年の伝統を誇る有名進学校ですが、実は優れた理科教育を実践していることをご存じでしょうか。今回は3人の先生にご登場いただき、体験を通して「知識」を「知恵」に変えていく指導についてうかがいました。
※撮影時のみマスクを外しています。

実験室が5室も!体験で学ぶ攻玉社スタイル

攻玉社に入学すると、化学・生物分野から理科を学ぶことになります。
中学1年生からどのような学びが待っているのか、まずは化学担当の村越先生にご紹介いただきましょう。

村越智仁先生

中学1年生の化学分野ではどのように学習を進めますか。

村越先生

村越先生

ほぼ毎回が実験で、「酸化鉄とアルミニウムの火柱が上がるテルミット反応」「アンモニアの水に溶けやすい性質を活かした噴水づくり」など、かなり本格的なことに挑戦してもらいます。生徒全員が自分用の白衣と保護メガネを持ち、安全面にしっかりと配慮していますので、全力で化学を楽しんでください!

実験の様子

実験に生徒はどのように取り組んでいますか。

村越先生

村越先生

中学受験をくぐりぬけてきた生徒たちは、すでにたくさんの科学的な知識を身につけています。しかし、知っていることでも実験で再現するのは簡単ではありません。そんな「ただの知識」だったことも手を動かして現実のものにしていけば、生きた「知恵」に変わります。つまり、実験を通して理解が深まるわけです。生徒は知的な喜びに目をキラキラさせながら取り組んでいますよ。

攻玉社の理科の強みを教えてください。

村越先生

村越先生

攻玉社は実験室が5室あり、実験を多くできる環境です。つまり「体験して終わり」ではなく「たくさんの体験をつなげて考える」ことができるのです。こうした学びが理科全体を体系的に知るスタートになります。中学校3年間を通して、高校でさらに専門的なことを挑戦する土台をつくることができていると自負しています。

天然記念物も収蔵!?標本室がスゴイ

攻玉社には全国でも有数の充実した標本室があり、収蔵点数はなんと3000点以上に上ります。その中には、現在は天然記念物に指定され、採集できなくなった生物の剥製も!また、鉱物標本については攻玉社OBで著名な研究家の櫻井欽一氏から寄贈があり、貴重な鉱物や化石なども観察することができます。標本室を探検する授業もあり、お子さまの好奇心を高めること請け合いです。

標本室の収蔵品 標本室の収蔵品 標本室の収蔵品

「身近な不思議に気づいて」意外性溢れる、生物の学び

中学1年生で化学分野とともに学ぶ生物分野についても、担当の袴塚先生からご紹介いただきます。
「自分がワクワクすることを生徒と共有したい」という目標に組み立てた授業内容についてもお聞きしました。

袴塚瑛介先生

生物分野ではどのような授業・活動を行っていますか。

袴塚先生

袴塚先生

一例として、「土壌生物の観察」をご紹介したいと思います。
攻玉社がある地域は非常に都会的な環境です。しかし、公園の土を採取して、ふるいにかけると思った以上に小さな生き物がたくさんいることが分かります。
そうした土壌生物を顕微鏡で観察した生徒たちは「こんな生き物がいたんだ!」と驚いていました。こうした身近で意外性のある体験を提供していけるように指導しています。

指導の中で大切にしていることは何ですか。

袴塚先生

袴塚先生

生徒が興味を持てるようにバリエーション豊かな観察・実験を用意することです。生物分野は、自然界の食物連鎖、身体の中の器官の相互作用など、複雑な関係性を学ぶことが避けては通れません。解き明かされていないこともまだまだたくさんあります。そんな難しさも楽しめるような生徒が出たら嬉しいです。

再開してほしい!オープンスクール

現在はコロナ禍により休止していますが、攻玉社は毎年6月と10月に実際の授業を体験できるオープンスクールを行ってきました。理科に関しては、物理分野で「エナメル線を使ったモーター制作」、生物分野で「イカの解剖」を題材とし、小学生が実験・観察を楽しむ貴重な機会となっていました。再開が待ち遠しいイベントです。

中学3年生からの物理は「まとめて理解」他教科の学びも活かす

実験・観察を積み重ね、中学3年生になると物理分野が始まります。
物理分野は理論的な内容も多く扱われますが、カリキュラムの特色を活かして理解を深められるとの気になる
お言葉が……!齋藤実先生にうかがいます。

齋藤実先生

攻玉社では物理をどのように学びますか。

齋藤先生

齋藤先生

中学3年生でまとめて学習し、高校へとつなげていくという流れで学習します。物理分野は一部ずつ細かく扱ってしまうと話のつながりを見失ってしまい、理解しづらくなってしまいますが、攻玉社ではその心配はありません。また、数学のカリキュラムが早く進むという特色があるので、物理と数学の学習内容を組み合わせた分かりやすい指導も可能になっています。

物理の難しい面に対応されているわけですね。

齋藤先生

齋藤先生

物理は「摩擦がない」というあり得ない状況を想定して、物体の運動を考えるという難解な一面がありますからね。中学生・高校生は「しっかり理解できる」か「全体があやふや」かに分かれ、その中間がいないという分野でもあります。ですが、少しずつでも物理の世界の仕組みを理論的に把握できるように教えていきます。

「世界にぶつかる体験」が高校の学びにつながる

生徒の成長をテーマにミニ鼎談

指導に工夫を凝らす3人の先生方。教育内容をご紹介いただいた後に、
「生徒の成長を感じること」をテーマにお話いただきました。

三名の先生方 三名の先生方
袴塚先生

袴塚先生

中学1年生の最初は、本格的に実験・観察に取り組むことに面食らう子もいます。

村越先生

村越先生

「理科について知っている」という自覚があっても、科学的な現象を自らの手で起こせるかは別の話ですからね。

袴塚先生

袴塚先生

生徒が自分の知識が上手くいかせないと気づいてから、しっかりと科学的な現象に向き合うようになるときに、やはり成長を感じますね。理科への興味が膨らんでいくのも生徒から伝わってきます。

村越先生、袴塚先生、齋藤先生
齋藤先生

齋藤先生

化学と生物で実験・観察を繰り返して成長してきたことが、中学3年生の物理にもつながっていますね。物理の実験でデータを取ったりすることも生徒が普通にできていますから。

村越先生

村越先生

中学3年間の体験の中で、自分の知識の限界を知り、世界にぶつかり、さらに知識を深めるきっかけをつかんでほしいですね。そうした学びが高校の土台になっていくと感じています。

今の「なんで?」が攻玉社で解き明かされる!

受験生へのメッセージ

最後に、受験生へのメッセージをお願いします。

授業の様子 授業の様子
授業の様子
村越先生

村越先生

「教えてください」という受け身な態度から「自分から考えよう」という姿勢に変わる生徒をたくさん見てきました。皆さんにも攻玉社の理科を通して、「知る喜び」に気づいてほしいと思います。

袴塚先生

袴塚先生

中学受験は理科の広い範囲について深いところまで勉強できる貴重な機会です。ここで得た知識の上に、攻玉社でたくさんの経験を積み重ねてほしいです。

齋藤先生

齋藤先生

中学受験の理科を勉強していて「なんでこうなるんだろう?テキストにも説明がないな」と思うことはありませんか。その謎は攻玉社で解き明かされます。ぜひ一緒に、理科を楽しみましょう。

編集者から見たポイント

実験を通して確かめた現象は、大学受験で出題されてもしっかり解答できることが多いようです。実体験は、それほどまでに記憶に深く刻み込まれます。実践的でハイレベルな指導と、そこかしこに歴史の重みを感じられる理科室の標本群。それらが醸し出す豊かな学びこそが、攻玉社の魅力といえるでしょう。

中学入試情報

詳細は下記よりご確認ください。

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:攻玉社中学校・高等学校