攻玉社中学校・高等学校
掲載日:
inter-edu’s eye
01 特別講習の拡充と2科入試の導入


舘山圭一先生
攻玉社は2026年度より、2月5日の特別選抜入試に算数と国語の2教科による受験方式を新設し、さまざまな個性や能力を持つ受験生の入学を後押しします。また今年度から、生徒一人ひとりの興味関心に応える主体的な学びの場として、放課後の特別講習をリニューアルしました。科目を従来の国・英・数から全科目に広げ、内容も準補習的なものから発展的なものまで開講できるようにしました。学年を問わず受講できる形式の講座もあり、個人の「やりたいこと」や「好きなこと」を伸ばして深い学びへつなげていきたいと考えています。
02 多様性を育む2科入試
2科入試の概要と導入背景を教えてください。

舘山圭一先生
2月5日に実施される特別選抜入試は、
・A方式:算数[共通]+算数[発展]
・B方式:算数[共通]+国語
のいずれかを選択して受験していただきます。
多様なバックグラウンドや特性、学力、才能を備えた受験生が本校に関心を持ち、生徒同士がこれまで以上に切磋琢磨できるよう、従来の算数1教科入試に加えて算国2教科入試の導入を決定しました。
攻玉社の入試はほかに、第1回・第2回入試(国・算・理・社)や国際学級帰国生入試(英語または国算)があります。
算数[共通]と算数[発展]の違い、国語の試験内容について教えてください。

舘山圭一先生
「算数[共通]」は、解答用紙に答えのみを記入する形式で、A・B方式どちらの受験生にも解いていただきます。標準的な問題を多く出題する予定です。一方、「算数[発展]」には、答えだけでなく途中の式や考え方を記述する問題も含まれます。 B方式の国語の読解問題は、やや長めの文章1題とし、記述式で解答する設問を多くする予定です。漢字の書き取りや国語知識問題もあります。 サンプル問題や詳細については、以下のリンクからご覧ください。
03 学習意欲を引き出す特別講習

特別講習を拡充された背景を教えてください。

舘山圭一先生
より多くの生徒に学びの機会を提供したいという思いがあります。従来の特別講習は、大学受験に向けて国・数・英の発展的な力を身に付けることが主な目的でした。もちろんそのような講座も継続しますが、新たな特別講習では「学びの主体性を育む探究学習の場」として、教員の専門性を活かしながら、生徒一人ひとりの興味関心や知的好奇心を掘り下げていくことも可能となりました。その取り組みが学びへの意欲を高め、将来の進路選択にも繋がるのではないかと考えています。
本校は、通常授業のみで十分な学力を身に付けられるよう、カリキュラムを整えています。特に高学年(高2~高3)では、希望進路に応じた少人数クラス編成や、学力によるグレード別授業が展開されます。実際に、塾に通わず難関大学へ進学した卒業生もいます。本人やご家庭の意向を尊重した学びの実現に、特別講習が寄り添えればと考えているところです。
今後の展望を教えてください。

舘山圭一先生
今後は生徒のニーズにより柔軟に対応できるよう、講座の充実をさらに図っていく予定です。たとえば定期試験対策講座など、生徒が必要とするタイミングで開講することで、参加しやすく、学びへの意欲を高められる講習を目指していきたいと考えています。
放課後の補習や講習で学びを深めることはもちろんですが、委員会活動やクラブ活動にも積極的に参加して、楽しい学校生活を送ってください。生徒一人ひとりが、自分にとって本当に必要な選択をしながら、6年間を通して打ち込めることを見つけてくれたらと考えています。
受験生・保護者へのメッセージをお願いします。

舘山圭一先生
本校は、校訓である「誠意・礼譲・質実剛健」に基づき人間性を磨くことと、主体的な学びを通じて知性を磨くことを両輪として、6年間にわたり生徒一人ひとりの成長を後押しします。
藤田陽一校長は常々「教員は生徒の応援団だ」と語っており、私たち教員も生徒の「やりたいことへの挑戦」をさまざまな形で応援・サポートしています。攻玉社で学びたいことや挑戦したいことを胸に、夢を持って入学していただければと思います。
04 数学雑学講座の魅力
数学雑学講座の概要を教えてください。

藤野晃司先生
素数の秘密や、図形の新たな捉え方など、教科書に載っていない数学の雑学を紹介する講座です。今年度に開講し、現在は中学3年生を対象としています。
アニメーションを挿入したパワーポイントでの説明や、グループワークによる生徒同士のディスカッション、数学に関する動画の視聴などを取り入れ、フレキシブルに進めています。
数学雑学講座で工夫していることはありますか。

藤野晃司先生
数学という学問の特性上、どうしても学習的な硬さが残ってしまいます。
そのため、本講座は数学をエンターテインメントとして捉え、数学の魅力や奥深さを伝えたい、純粋に数学を楽しいと思ってもらいたいという気持ちで、情報収集や資料作成を重ね、授業を組み立てています。
具体的には、生徒の身近にある「ドラえもん」や「鬼滅の刃」などの作品と数学を結びつけることで、数学への苦手意識を払拭し、興味が湧くようにしています。さらに大学数学の知識も、中学生や高校生の目線に合わせたコンテンツにして紹介しています。そして、生徒の反応を見ながら内容をブラッシュアップしています。
数学の得意・不得意や興味の有無にかかわらず、「数学が楽しい」と思えるきっかけや物事の事象に対して広い考え方を持つきっかけを提唱できればと考えています。
生徒にどのような力を身に付けてほしいですか。

藤野晃司先生
例えば「素数は無数にあることが分かっているけど、双子素数、三つ子素数、四つ子素数、いとこ素数、はとこ素数が無数にあるかは、古くから考えられているけれど未だ分かっておらず、今や数学者は研究している」という話をしたときに「双子素数が無数にあるかどうか分かったところでなんになるの」と思った生徒がいました。
確かに、それが解明されたとしても我々の生活にすぐに影響があるかは分かりません。しかし、それがいつどのように活用されるかも分かりません。
現代ではスマートフォンで友人にメッセージを送ったり、クレジットカードでショッピングしたりするときの暗号として素数が利用されているのですが、素数の研究は紀元前から行われており、当時は生活に利用するために考えていた訳ではないと思います。
「今は無価値だと感じていても、いずれ価値を見出す可能性があるから、無価値だと決めるのは今ではない」と考えるようになってほしいです。そして、何事も吸収する姿勢をもち、幅広い教養を身に付け、数学を通して論理的思考力を培ってほしいです。
05 受講生が語る学びの楽しさ
数学雑学講座を選択した理由を教えてください。
Y.N.さん
講座の内容に興味があり、理系・文系を選択する際の材料にもなると感じたためです。
K.Y.さん
普段の授業とは異なり、身近なアニメや漫画のシーンを数学的に解説してもらえると聞いたためです。
数学雑学講座の感想や印象に残った内容を教えてください
Y.N.さん
ドラクエの世界を地図から現実に当てはめると、地球のような球体ではなく、ドーナツ型になるという話が印象に残りました。数学の見方が大きく変わり、数学を学ぶハードルが下がりました。
K.Y.さん
P=NP問題が証明されれば、人間の生活が大きく変わると教わり、非常に面白いと感じました。数学が現実に深く関わっていることに気付き、現在学んでいる分野が社会でどのように活用されているのかを考えるきっかけになりました。
編集後記
イベント情報
輝玉祭(文化祭)
2025年9月20日(土) ・21日(日)
オープンスクール
2025年10月11日(土)
学校説明会
2025年11月2日(日)
土曜説明会
2025年11月22日(土)
国際学級学校説明会(帰国生対象)
2025年11月29日(土)
提供・取材協力:攻玉社中学校・高等学校





