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inter-edu’s eye
夏は仲間と思いきり海を泳ぎたい! そんな元気いっぱいの男子小学生に朗報です。攻玉社中学校・高等学校は2023年7月、長い伝統を誇る行事「臨海学校」を再開しました。開催地は静岡県の戸田湾。富士山を望む絶景、透明度の高い水質…そんな非日常を楽しみながら遠泳に挑戦するうちに、生徒たちの心に大きな変化が訪れていました。
攻玉社中学校・高等学校(以下、攻玉社)は江戸時代に蘭学塾として創立してから160周年の男子校。
2023年は国公立大学に93名合格と進学実績も目を引きます。
東京都品川区にあり、東急目黒線「不動前」駅から徒歩1分と好アクセス。都営三田線・東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道・東急新横浜線・相鉄線直通なので、幅広いエリアから通学しやすい学校です。
今回、特集する臨海学校は7月23~25日の2泊3日で実施。参加者は中学3年生の希望者91名でした。その全員が「泳ぎに自信あり」というわけではありません。約500メートルのミニ遠泳、約1.5キロメートルの大遠泳を行うグループに分かれます。
それでは、さっそく生徒たちに紹介していただきましょう。
臨海学校に参加した理由を教えてください。
攻玉社の友達と一緒に宿泊行事に参加してみたかったからです! 実際に寝食を共にしてみて、知らない一面が沢山見えました。
志村くん
今回がはじめての宿泊学習なのですごく楽しみにしていました。遠泳も貴重な経験でしたし、友達と話す時間が増えたのもうれしかったです。
土田くん
臨海学校が開かれた戸田湾の印象を教えてください。
学校からバスに乗って行ったのですが、峠を越えて目の前に海が広がったときは「キレイだな~」と感動しました。
志村くん
東京からそれほど遠くないのに、海の水が透明で、魚が泳いでいるのがハッキリ見えたのに驚きました。
土田くん
遠泳の感想を教えてください。
僕はもともと泳ぎが得意ではないので、「ミニ遠泳」を選びました。事前に先生から「しっかり見守るから大丈夫!」と言われたとおり、体育の先生、中学3年生の先生、インストラクターが総勢20名もずっと付き添っていてくれたので安心でした。
途中、スタミナが切れてしまったときもあったのですが、しばらく浮き具につかまって深呼吸したら、無事に泳ぎ出すことができました。
志村くん
僕は「大遠泳」に挑戦しました。「ミニ遠泳」でも同じなのですが、生徒・サポートしてくれる人全員で「エンヤコーラー!」とかけ声をかけるんです。そのおかげで、隊列も整えやすくなりましたし、モチベーションが上がりました。自分一人で泳いでいるわけじゃない!そう思えたんです。
泳いでいるうちに、だんだんとコツがつかめてきて、無駄な力を抜くことができるようになりました。ゴールしたときの達成感はすごかったですね。
土田くん
臨海学校で普段気づけない先生・友達の表情が見えた場面はありましたか。
泳ぎきった僕たちを見て、涙する先生がいて自分も感動してしまいました。
志村くん
今まで見たことないくらいの笑顔になる先生もいましたね。
土田くん
友達も学校とは雰囲気が違いましたね。遠泳の前の救命講習、みんなでスイカを食べる時間、遠泳以外にもさまざまな体験をするなかで、真剣な表情、くつろいだ表情を見ることができました。
志村くん
臨海学校を経験してご自身の中に変化を感じるところはありますか。
遠泳の途中で疲れたとき、リタイヤという選択肢もありましたが、やりきったことで「あきらめないことの大切さ」を知りました。勉強していて、難しい問題があっても、すぐに答えを見るのではなく、じっくり考えるようになりました。
志村くん
水着の洗濯や食事の配膳といった身の回りのことを自分でするなかで、家族のありがたみがよく分かりました。そして、今回の夏休みは宿題を後回しにしなかったです。遠泳を通して、「決めたことをやる」という気持ちが強くなったからだと思います。
土田くん
学習や生活に影響を与える臨海学校の経験。その意義についてあらためて、藤田陽一校長にお聞きしました。
臨海学校はどのくらいの伝統がある行事なのでしょうか。
太平洋戦争前の時代からあったということは分かっています。戸田湾の方に「ずっと昔、子どもだった頃に攻玉社の生徒さんと一緒に渡し船に乗りました」と声をかけてもらったこともあります。歴史を感じましたね。東日本大震災、コロナ禍など、中断せざるをえない時期も迎えましたが、これからは元の形に戻していきたいです。本来は中学2年生全員参加ですので、その実施形態が理想ですね。
藤田校長
遠泳に挑戦する生徒にどんな言葉をかけましたか。
「泳ぎきると違う景色が見えるよ」。自分の経験を踏まえて、そう伝えました。岸壁から海へ飛び込むところからスタートし、隊列を整えながら泳がなくてはなりません。ただ、ゴールした達成感は相当なものです。浜に上がった生徒に「違う景色が見えたかい?」と聞くと全員で「ハーイ!」と答えてくれました。
藤田校長
臨海学校に表れている攻玉社の教育理念を教えてください。
「少々のことではへこたれないたくましさを育てたい」「人にはやさしくする心を持ってほしい」そうした攻玉社の生徒に対する思いが強く表れています。遠泳でお互いを励まし合いながら挑む姿に本校の生徒の良いところが凝縮されているように思います。
藤田校長
攻玉社に入学した子どもたちをどう育てていきたいとお考えですか。
まずは「失敗力」を身につけさせたいですね。何かをやってみて、ダメだったとき、軌道修正して次に活かす。この繰り返しの中で成功体験を積み重ねていくように、学習・行事を用意しています。異性の目を気にせず、のびやかに自己表現できるのが男子校の長所。マイペースな子、元気が有り余っている子が攻玉社では大活躍するかもしれません。
藤田校長
編集後記
お写真からもお分かりのように、攻玉社の臨海学校には非日常的な体験が待っています。中学生のうちにしかできないチャレンジを! 攻玉社で一生の思い出に残る夏を過ごしませんか。
学校説明会
2023年12月17日(日)、
2024年3月17日(日)
土曜説明会
2023年11月4日(土)
オープンスクール
2023年11月25日(土)