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inter-edu’s eye

2020年4月、世田谷に“グローバル一貫教育校”が誕生します。世田谷区の女子校、国本女子中学校・高等学校(以下、国本女子)がカナダのアルバータ州の教育省と提携し、「ダブルディプロマコース」を開設。学校改革を推し進める校長の島野英一先生に、改革の全貌を語っていただきました。

商社出身の校長、グローバル一貫教育を語る

校長 島野 英一 先生
校長 島野 英一 先生
長年、商社に勤務し、海外経験も豊富な島野校長。事務長を経て、2018年4月、校長に就任。

学校改革に着手した理由を教えてください。

校長

本校は、今年創立77年を迎える女子教育にこだわりを持つ伝統校のひとつです。今日、女性の社会進出は当たり前になってきており、世界共通語となった英語を習得するとともに、創立者有木春来の理念の一つでもあるこれからのグローバル社会で活躍できる女性の育成を目指して改革を決断しました。

学校改革でカナダに国内留学

2020年4月、国本女子にKAIS(Kunimoto Alberta International School)を誘致・開校。国本女子とKAISに在籍し、日本とカナダ・アルバータ州の教育を受けることで、両国の高校卒業資格(ダブルディプロマ)が取得可能に。KAISの授業はアルバータ州認定教員が担当する。

学校改革の柱「ダブルディプロマコース」

KAIS開校に合わせ、「ダブルディプロマコース(以下、DDコース)」・「リベラルアーツコース」を開設。DDコースでは、中学校で徹底的に英語4技能を鍛え、高校からのKAISディプロマプログラムの授業を受講できる英語力を習得。高校ではニアネイティブレベルまで英語力を高める。

改革には島野校長のご経験が大きく関わっているのですね。

校長

ダブルディプロマの提携先を考えたとき、教育水準が高いカナダがいいと思いました。中でもアルバータ州は英国系の住民が多く、豊かな経済力と相まって教育熱心で洗練された人たちが多いことを、世界40ヵ国以上でビジネスを展開した経験から実感していたからです。
現地視察を行なった際にも、アルバータ州の教育プログラムのよいところをたくさん発見することができました。現地では教科を問わずICT機器を使ったモノづくりを取り入れています。私が視察した授業では、生徒たちがロボットを作り、うまく動かなければパソコンでプログラムを書き換える試行錯誤を繰り返していました。生徒たちが皆目を輝かして自ら考えて学ぶ、まさにアクティブラーニングな授業をしていました。
アルバータ州教育省と提携できて本当によかったと改めて思うと同時に、アルバータ州からやってくる先生たちが来年度からこの国本女子でこのような授業をするようすを想像するだけでワクワクしています。

アルバータ州の教育プログラム

日本が戦後最大の教育改革に挑む中、カナダでは1990年代より各州で教育改革を実行。アルバータ州教育省は2010年、批判的思考力や問題解決能力、コミュニケーション能力やICT活用能力などを身につける教育ビジョンを掲げ、アクティブラーニングやSTEAM教育を実施、日本が目指す教育モデルを実践してきた。先進的、かつ洗練された教育プログラムを持つアルバータ州の高校卒業資格は世界で通用し、卒業生の多くはカナダ・アメリカをはじめ、世界各地の有名大学に進学している。

校長 島野 英一 先生

DDコースに入学すると、中学校から高校でどんな授業を受けることになりますか。

校長

現在の中1生の英語の授業は週6時間ですが、これが週12時間に倍増されます。内訳は、アルバータ州認定教員によるアルバータプログラム(English Language Arts、以下ELA)が5時間、ネイティブ+日本人のTTによる4技能集中プログラム5時間と日本人教員による英文法2時間です。中2、中3では、ELA授業が8時間・10時間に増えていきます。

ELAとはどんな授業なのでしょうか。

校長

ELAは、日本で言えば国語に相当する授業ですが、小説、詩や論説文などにとどまらず、広告、ニュースやアニメなど幅広い分野を題材として英語を駆使した様々な表現活動や教科の垣根を超えた内容に取り組む、日本ではあまり見られない授業です。

中学1年次からしっかりと英語教育をするのですね。高校ではどんな授業が行われますか。

校長

高校では、週46時限の授業のうち、アルバータプログラムによるオールイングリッシュの授業が約30時限弱となります。その結果、高校卒業時にはCEFR B2・英検準1級以上のニアネイティブレベルの英語力を身につけることができるようになります。
英語を習得しようとする人の多くは、留学かインターナショナルスクールへの入学を考えると思います。本校のDD コースであれば治安のいい日本で、コストを抑えて英語を学ぶことができ、日本人として必要な知識や価値観も身につけることができます。

DDコースでの学び

英語習得以外に、DDコースでの学びにはどんな特徴があるのでしょうか。

校長

アルバータ教育プログラムを受けることで、単に英語の習得にとどまらず、多様化・グローバル化していく社会で必要とされる「国際理解教育」が受けられます。世界の多様な文化や価値観を、「どちらが正しく、どちらが間違っている」という判断ではなく、違いが存在するということを認識するとともに、多元的な価値観を尊重し合う態度や考え方を身につけていくことが重要と考えています。

中学受験に当たり、英語の技能はどれほど必要になりますか。

校長

高校からダブルディプロマの取得を目指すなら、高校進学時には高い英語力が必要になりますが、本校では中学から6年間で時間をかけ手厚く指導するので、小6の段階での英語力は問いません。我々が心配する必要などないくらい中学生は柔軟で抜群の吸収力を備えており、中1からのネイティブの英語授業にも直ぐついていけるようになります。こうした理由から、入試も英語力を問うものと2科・4科だけのものを用意しています。

ダブルディプロマコース

中1中2中3

英検®2級以上、KAIS DPに耐えうる確かな英語4技能。
異文化に触れ、世界に興味を持つ。世界で活躍する自分を想像し、将来の夢を考える。

高1高2高3

英検®準1級以上、ニアネイティブレベルまで英語力を高める。海外を体験する機会を持ち、世界を実感する。グローバル社会のリーダーとしての資質を磨く。

Kunimoto Alberta International School[KAIS]

KAIS Middle Program

KAIS Diploma Program

日本とカナダAlberta州の高校卒業資格
海外大学・早慶上智ICU以上への進学

国本女子のDDコースなら

  • 日本にいながら、海外大学への進学を狙えるニアネイティブレベルの英語力が身につく
  • 国本女子の教育を通じて日本人としての価値観やIDENTITYを身につけると同時に、 アルバータプログラムにより、異文化や多様性を受け入れ国際理解教育が進む
  • こうした学びを主体的・対話的学びに繋げて、自分で考え行動しグローバル社会で活躍できる人材に成長する

学校改革に期待が膨らみますね。

校長

はい、DDコースは授業時間も長く勉強も大変そうだとお考えの方もおられると思いますが、逆に中高6年間の間で、塾や家庭教師など大学入試に向けた特別な勉強は必要ありません。2つの学校の授業をきちんと受講すれば、皆さんが海外大学や早慶上智・ICU以上の国内難関大学に進学できる新しい教育プログラムです。今までの中等教育とはまったく異なる日本の子どもたちの未来を約束する、新しい国本教育にご期待ください。

編集者から見たポイント

DDコースを卒業しアルバータ州の高校卒業資格を取得すれば、国内難関大学や、海外大学への進学も現実的な選択肢になります。日本にいながら、こうしたグローバル一貫教育が受けられることは、帰国生やインターナショナルスクールからの転学を考えている方だけでなく、英語教育に関心のあるご家庭にとって大きなチャンスだと思います。国本女子の学校改革。ぜひ説明会に足を運んで見て、ご自身の目と耳で、学校や生徒のようす、また新コースの詳細をご確認ください。

校長、グローバル一貫教育を語る

2019年9月28日(土) 14:00 学校説明会⑤
2019年10月19日(土) 13:00 学校説明会⑥
2019年11月23日(土) 10:00 学校説明会⑦
2019年12月15日(日) 10:00 学校説明会⑧
2020年1月15日(水)~31日(金) 入試相談・学校見学
2019年10月19(土)・20日(日) 10:00~15:00 記念祭(学園祭)

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:国本女子中学校・高等学校