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inter-edu's eye

葛飾区の一貫校、共栄学園中学高等学校(以下、共栄学園)では、今年度から中高新入生に一人一台のタブレットを配布しています。タブレットを活用してどのような双方向授業を行っているのか、中1生の授業を見学してきました。

描いて覚える!植物の分類

見学した授業は中1の生物。植物の分類について学びます。

電子黒板とホワイトボード

中学校の教室には黒板がなく、電子黒板とホワイトボードが並びます。新免佳子先生は電子黒板に自作のテキストを映し出して説明を。生徒は画面の情報をノートに書き込みます。

単子葉類と双子葉類の違いを学んだらタブレットで実践

単子葉類と双子葉類の違いを学んだらタブレットで実践。生徒が使うのはClassiNOTE(※)で、画面には先生から配信された問題が。
(※)学習支援クラウドサービス「Classi」の関連ツール

単子葉類と双子葉類の発芽・葉脈・根・維管束の描写に挑戦!

単子葉類と双子葉類の発芽・葉脈・根・維管束の描写に挑戦!

手元のタブレットで生徒の進行具合をチェック

新免先生は手元のタブレットで生徒の進行具合をチェック。

電子黒板に絵を描く生徒たち

「前に出て絵を描いてくれる人はいますか」と先生。すると生徒の手がバッと挙がります。ペンの太さを変え、色を変えて電子黒板に絵を描く生徒たち。先生は「性格が出るね」と笑います。

次の課題は4つの植物を単子・双子葉類に分けること

次の課題は4つの植物を単子・双子葉類に分けること。電子黒板に解答一覧が映し出されると、クラスメイトの出した答えにみんな興味津々。

中高生も教員も楽しみながら実践を

高1特進クラスの担任と、中1・高1の生物を教える新免先生に、中高それぞれのタブレット活用法をうかがいました。

中学 理科はICTとの相性抜群!

新免先生

見学した授業では、中1生が夢中でタブレットを操作する姿が印象的でした。

新免先生

これまで動画を見たり色を塗ったり作図したりと、授業でさまざまな使い方をしましたが、どれも楽しそうでした。こちらが「じゃあタブレットを使おう」と告げると、みんな早く使いたくてノートに記入途中なのにタブレットを出そうとするほど。
教師の立場からすると、授業で使うプリントを印刷する必要がなくなり、かつ、配信する直前まで情報の修正や追加ができるので、より完成度の高い資料を生徒に提供できます。授業中に適した動画を見せることもでき、「もっといいものを見せよう」という想いを実現できています。

授業風景

生徒が楽しいだけでなく、学びの質が上がっているのですね。

新免先生

今回の授業のように色と言葉を合わせて理解するとき、白黒のプリントに比べてタブレット学習は大変効果的です。生徒にとっても、授業で扱ったデータは保存されるからプリントのように紛失する心配がなく、テスト前には気軽に振り返りができるので便利ですね。

タブレットを使うときに気をつけていることはありますか。

新免先生

これまで板書していた内容を電子黒板に映すようになり、授業のスピードが速くなりました。その分、ノートを取る生徒が付いてきているか、常に気を配っています。生徒によっては、電子黒板の内容をタブレットで撮影しています。「なるほど、カメラ機能は使えるな」と、生徒の自発的な活用が、さらなる活用のヒントになっています。

タブレットでのスケッチ

たとえば?

新免先生

夏休みの宿題に、中1なら植物を撮影してレポートを作る、中3なら夜空を定点撮影して星の動きを観察する、など。授業なら顕微鏡のスケッチ。微生物の観察では、レンズから目を離した隙に微生物が動いてしまって「どこに行った?」なんてことが多々あります。動画や画像に残せたら、じっくりと確認することができます。

理科はICTとの相性がよいですね。

新免先生

中高で比べると中学生のほうが理科の授業でより実践的に使える印象があります。理科の教員みんなで活用方法を話し合っていますし、私自身、すごく楽しみながら取り組んでいますよ。他教科でも高い知識を持って使いこなしている教員がいるので、いいところはどんどん真似しています。

タブレットを使う利点は、ほかにもありますか。

新免先生

電子黒板に生徒の解答一覧を映すと、生徒は「こういう答えがあるんだ」という表情をします。「自分の答えや考えがすべてではない」と実感できるのは大きなメリットでしょう。

高校 タブレットで交流を

自己紹介

担任を務める高1のクラスでは、一人一台のタブレットをどのように活用していますか。

新免先生

新型コロナウイルスの影響で入学式が中止になり、生徒はせっかく入学したのにクラスメイトに会えない日々が続きました。何か生徒のためにできないかと学年の教員で話し合い、ClassiNOTEを使って自己紹介をすることに。生徒に自己紹介シートを配信し、入力されたシートをクラスの生徒が見られるようにしました。出身中学や趣味、好きなアイドル、まだ見ぬクラスメイトへのメッセージが書いてあり、生徒は互いのシートに「いいね」したり、メッセージを書き込んだりして交流することができました。

新免先生

登校できるようになってからは、どのような使い方をしていますか。

新免先生

文理選択に向けた説明会をオンラインで行いました。例年なら学年全8クラスが一堂に会し、進路指導担当者の話を聞きます。今年は密状態を避けるため、生徒は各教室のウルトラワイドプロジェクターで教員の話を聞きながら、タブレットに配信された資料に要点を書き込んでいました。オンラインでの学年集会は初めてでしたが、生徒は教室で集中して説明を聞くことができ、感染予防にもなったので大成功でしたね。

今後、どのような使い方を考えていますか。

新免先生

次は特進2クラスでオンラインLHRを行います。今後は全生徒がタブレットを所有するようになれば、生徒総会を各教室で視聴し、生徒会投票はオンラインでできます。みんなで集まって盛り上がる行事も大切にしながら、有意義な活用法を試していきたいですね。

編集者から見たポイント

中学校では全教室に電子黒板が据え付けられ、高校には電子黒板代わりの特大モニター「ウルトラワイドプロジェクター」があります。いまは特別教室の整備が進んでおり、家庭科室には天井に特殊なカメラと複数のモニターを設置。先生の手元を撮影してモニターに映すことで、大勢の生徒が先生の作業をのぞき込む必要がなくなります。IT部長の野口俊美先生は「ICT導入は教員の指導方法にメスを入れるよい機会といえます。今後は全教員で知恵を出し合い、よりよい授業になるよう考えていきます」と意気込みを語ります。もともと教員間の交流は活発という共栄学園。タブレット導入を弾みに、全教科の学びが充実していくことは間違いありません。

イベント日程

中学校

学校説明会(要予約)

第3回 2020年11月23日(月・祝) 9:30~
第4回 2021年1月11日(月・祝) 9:30~

模擬入試体験会(要予約)

第1回 2020年11月1日(日) 9:30~
第2回 2020年12月20日(月・祝) 9:30~
※保護者の方には、別室にて説明会を行います。

高校

学校説明会(要予約)

第2回 2020年10月25日(日) 9:30~
第3回 2020年11月3日(火・祝) 9:30~
第4回 2020年11月29日(日) 9:30~

個別相談会(要予約)

2020年12月6日(日) 9:30~12:00

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:学校法人共栄学園 共栄学園中学高等学校