目黒学院中学校・目黒学院高等学校(以下、目黒学院)は9月10・11日、3年ぶりに文化祭「梧林祭」を開催しました。長く続いたコロナ禍の影響で、大半の生徒が文化祭を経験していないという状況にもかかわらず、イベントは大成功。来場者は約2000名に上りました。生徒の皆さんに当日の模様や開催までの準備期間についてうかがったところ、「目黒学院ならではのチーム力」が見えてきました。
目黒学院はイベントの運営に関して、生徒の主体性を大切にする学校。出店やアトラクションは生徒が自由に企画するため、とてもバリエーション豊富で出展数も30程度に上りました。校庭に設置されたステージではダンス部と空手部が技を披露する一幕もあり、観客の目を楽しませます。
入場制限をかけず、一般公開に踏み切ったため、来場者も約2000名と大盛況。なんとコロナ禍以前の来場者を超える結果となりました。ちなみに来場者の中には保護者や受験生だけでなく、学校近隣の地域にお住まいの方々も多かったそうです。イベントを待ち望む気運が高まっていたこと、そして目黒学院が地元から愛されていることがうかがえます。
フォトジェニックに彩られたカフェ
迷路&ダーツのアトラクション——イベントレポート
それでは、イベント当日の模様を見てみましょう。入場ゲートに記されている「Z世代の底力見さらせや」は今回の文化祭テーマ。生徒が発案した複数の候補から投票で選ばれました。自分たちならではのカラーを出したい、久しぶりの文化祭を成功させたい……そんな勢いが表れています。
生徒が自由に企画した出し物には、SNSに慣れ親しんだ世代感覚が素直に表現されていました。三日月のモニュメントに座って記念撮影ができるフォトスポットはイルミネーションで飾られ、特別感を演出。文化祭といえばお馴染みの喫茶店もファンタジー映画や外国文化をモチーフに、丁寧に内装を仕上げていました。イベント全体をフォトジェニックに彩ります。
その一方で、来場者の熱気が溢れている教室が。大きな鳥居で飾られたドアを開けると、そこは射的、スーパーボールすくい、パターゴルフなど、さまざまなゲームを楽しめる空間が広がっていました。こちらの出し物を企画したのは中学3年生。たくさんの生徒の希望を取り入れていくうちに、多彩な遊び方ができるようになりました。
中学1年生は迷路とダーツを組み合わせた独特のアトラクションを用意。ゴールした先に待ち受けるダーツで高得点を獲得すると景品がもらえるというルールでした。自由な発想による出し物には、大人の来場者もふと童心に帰ってしまいそうな趣があります。
校庭に出ると、飲食を楽しめる出店が並んでいます。焼きそばの屋台をのぞくと、なんと調理している方は理事長・校長の関口隆司先生!「安いのに具がいっぱい」「味が濃くてあきない」と好評でした。生徒と先生の距離がとても近い校風を物語ります。
ここからは、文化祭を成功させた生徒に準備期間~開催当日を振り返っていただきます。まずは中学生の皆さんです。
文化祭を終えた感想を教えてください。
樋口くん
たしかに思っていたよりも来場者が多く苦労した部分はあったのですが、生徒数が少ないからこそ、一人ひとりの意見を反映することができる面もあります。
木﨑くん
みんなのやる気が高くて、同じ学年の仲間に「一緒に頑張ろうよ」と呼びかけるとすぐに動いてくれるので、準備がサクサク進みました。
文化祭で気づいた目黒学院の長所を教えてください。
大山さん
学年ごとに出し物の準備を進めるのですが、ほかの学年の生徒が手伝ってくれたことがありました。協力しやすい空気がある学校だと思います。
樋口くん
初対面の人と話すのが苦手な生徒も、来場者の接客がちゃんとできていて、目黒学院の生徒は「やるときはやるんだな」と気づきました。
木﨑くん
中学生は文化祭で防災学習・防災体験についてのプレゼンテーションをするのですが、そのときにタブレットPCの扱いに慣れてきたことに気づきました。ICTを使う機会が多くて楽しいです。
「壁がない校風」生徒の仲の良さが際立つ2日間
続いて、高校生の皆さんにお話をうかがいましょう。文化祭実行委員として活躍した3名の生徒にご登場いただきます。
文化祭の感想を教えてください。
渡邉さん
高校からの入学者は出身中学校で文化祭がなければ、人生で初めての文化祭になります。私自身、戸惑うこともありましたが、先生が丁寧にサポートしてくださったおかげで文化祭の楽しさを知ることができました。
当日の雰囲気はいかがでしたか。
下村さん
かなり盛り上がったので、まだその気分が抜けないでいます。高校進学前は「高校生になると男女の仲が疎遠になるのかな」というイメージがあったのですが、文化祭を回っているグループを見ると同性だけで固まっている様子がなく、生徒の仲の良さを実感しました。
来場者が約2000名と想定を上回りましたが、どのように対応しましたか。
小神野さん
私のクラスのカフェは用意した食材がなくなってしまうほどの売れ行きで、1日目が終わった後で急遽仕入れをしなくてはならなくなりました。予算の枠外の出費にはなりましたが、先生が特別に許可してくださったので切り抜けられました。同様の対応をした飲食の出店は多かったようです。
文化祭を通して感じた目黒学院の長所を教えてください。
渡邉さん
やはり都心の学校だけあって、生徒の明るさが全然違うと思います。ステージ企画でしばらく登壇者がいない時間に、飛び入りでラップを披露した生徒がいました。すごく盛り上がったのですが、なかなか他校ではないことなのではないでしょうか。
下村さん
準備期間に道具をほかのクラスに気軽に借りることができて、壁のない学校だなと改めて気づきました。目黒学院では高校のクラス分けは習熟度別になっているのですが、生徒同士でそこを基準にお互いを評価するようなことがありません。
小神野さん
文化祭が近づくにつれて、先生もワクワクしているのが伝わってきてうれしかったです。一緒に行事を楽しもうとしてくれる。そんな先生方だからこそ、楽しい学校生活が送れていると思います。
「文化祭は生徒が意見を出し、やりたいことを実現させる機会。教員はあくまで見守る立場」行事運営に関わるスタンスを先生方からこのようにご紹介いただきました。今はマイペースなお子さまも温かい先生方に支えられながら、主体性を発揮できるようになる。そんな学校環境が見えてくる素敵な文化祭でした。
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中学校・ミニ説明会【要予約】
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第9回2022年11月27日(日)
第10回2022年12月3日(土)
企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:目黒学院中学校・目黒学院高等学校
大山さん
目黒学院中学校は1学年1クラスの少人数制で、出し物は学年ごとに準備・運営します。なかなか大変でしたが、全員で力を合わせて乗り越えました。