高大連携、外へ「つながる」伝統女子校
市ヶ谷、外濠をのぞむ地にある三輪田学園中学校・高等学校(以下、三輪田)は創立130周年を迎えました。131年目のテーマは「つながる」。130年支持され続けてきた「三輪田らしさ」を備えた生徒たちの活動を校外に広げ、世界と「つながる」ことで生徒の力を最大限引き出そうとしています。長年培われた「三輪田らしさ」を失うことなく、時代に沿った三輪田の新たなアプローチを見ていきましょう。
変わらないために、時代に合わせアプローチを変える
三輪田の新しい取り組みについて教頭の湯原先生にうかがうと、「今までは学校の中で完結させていました。めまぐるしく変わる世の中で、これまで以上に活躍できる女性となるために、これからは校外の人々と『つながる』必要がある」と語ります。
そして始まったのが、法政大学との高大連携や、法政、東京理科大学など外濠を囲む大学と行う「外濠市民塾」、秋田国際教養大学で行う「English Village」など、外と「つながる」取り組みです。
時代に合わせてアプローチを変えることで三輪田の精神、「徳才兼備」や「誠のほかに道なし」という大切なものは変えずに、世界に羽ばたける女性へ成長させることができるのです。
外と「つながる」、新たな取り組み
模擬国連
外濠市民塾
ブランディング集会
地域とつながる、色々な世代の人とつながる
~外濠市民塾参加~
三輪田は外濠に面した学校。なかでも校舎の窓からも水面が眺められる唯一の中高として外濠市民塾へ参加しています。当日の様子を生徒2人にうかがいました。
外濠市民塾とは?
江戸城のなごりである外濠の環境をどう守るか、また、これからのあり方を考えるワークショップ。法政大学や東京理科大学、日本大学などの教授や大学生、町内会や神楽坂商店街をはじめとする近隣住民など、外濠にまつわる人々が集う。
柳澤さん
高校2年生
生徒会委員
昨年も参加
小池さん
高校1年生
生徒会委員
今年初参加
外濠市民塾に参加してみてどうでしたか。
柳澤さん:外濠の土手は、学校から見えるので身近ではありましたが、その歴史など、知らないことばかりだったので参加してみました。
毎回テーマがあって、今回は「外濠の遊び」。最初に昔の外濠周辺での遊びについてのお話を聞いて外濠に探索へ出ましたが、今も空き地が多いことに気が付きました。そこで、この空き地についてこれからの活用方法を考えました。
小池さん:参加者は、大学教授や大学生ばかりではなく、日本語がカタコトの留学生や、神楽坂商店街など地域住民の方もいました。そんな中、最初は皆さんとどう話せばいいかわからず緊張していましたが、とあるおじいちゃんがたくさん話しかけてきてくれたので、皆さんと打ち解けることができました。いろんな世代が集まって、意見を交換できるのは新鮮だったし、楽しかったです。
柳澤さん:教授には、若い人たちは発想が柔軟だと褒めてもらいました。難しいことは抜きで考えていいと言われていたので、外濠に観覧車を置いてテーマパークにしようという案や、外濠をボートレース場にしてしまおうという案も出たりして…。でも、誰にも意見を批判されたり、バカにされたりはなくて、尊重してくれたのがよかったです。
小池さん:今まで外濠沿いは単なる通学路で、挨拶を交わすことなどなかったのですが、外濠市民塾で知り合った方々に道で会ったら挨拶ができると考えると、知り合いが増えたんだなぁとうれしくなります。
地域や世代間での「つながる」が、しっかり体感できたようですね。この経験がいまの学校生活で活きているということはありますか?
柳澤さん:生徒会では以前から外濠のゴミ掃除をしていましたが、その時はどうしてゴミ箱に捨てないんだろうと思うだけでした。でも、外濠市民塾に参加してからは、どうしたら綺麗に使ってもらえるだろうと考えるようになったのが大きな変化です。こういう気づきがある活動が続いていけば、外濠の汚染問題や、活用法問題も解決していくんじゃないかなって思います。
小池さん:外濠市民塾でのディベート経験から、社会科の時間にファシリテーターを務めました。クラスのみんなもいろんな意見を出すから難しいけど、一緒に活動した大学生のやり方を思い出してまとめています。今回の活動内容は、文化祭で発表するつもりです。
視野は地域から世界へ
〜English Village〜
この夏、三輪田の生徒たちは「つながる」の輪をさらにひろげるため、秋田国際教養大学主催のEnglish Villageに参加しました。
English Villageとは
秋田国際教養大学の学生が独自の英語教育ノウハウを活かし、中高生を対象に行う2泊3日の英語研修プログラム。既存の英語力でも、5W1Hの文法を使いこなせば十分に英語でコミュニケーションができることを体験させ、英語学習への意欲向上を図る。
三輪田では、中3から高2までの40名が参加。
参加した生徒からは「大事なのは伝えようとする意志と、相手の話を聞く姿勢だということがわかりました」「難しい言葉を使わなくても、簡単な単語の作文でいいと教えてもらい、留学生とも話しやすくなりました」という感想が聞かれ、英語への抵抗感が減ったようです。
また、「JICA(日本国際協力機構)に入って国際舞台で働きたい」と、将来の夢がはっきりした生徒、さらに「いろいろな行事や、身近な人に積極的に関わって、何がしたいかの選択肢を増やしたくなった」と語った生徒もいました。
グローバル人材の育成を掲げる秋田国際教養大学の取り組みに参加することで、世界とつながるすばらしさに気がついたのではないでしょうか。コミュニケーションツールが日本語でも英語に変わっても、外の世界とつながることは、生徒たちの可能性を大きくひろげることでしょう。
卒業生が自分の子どもも入学させたいと言う「三輪田らしさ」を残しつつ、今、三輪田は外と「つながる」教育にかじを切っています。すでに生徒たちは外への「つながる」に積極的。結果はここ数年の進学実績の成長に反映され始めています。世界に羽ばたいて行く三輪田生の姿を、往年の先輩方も楽しみにしていることでしょう。
イベント情報
イベント名 | 日程 | 時間 | 備考 |
---|---|---|---|
三輪田祭(1日目) | 10月7日(土) | 9:00~17:00 | 30日前から予約を開始します。 |
三輪田祭(2日目) | 10月8日(日) | 9:00~16:00 | 30日前から予約を開始します。 |
校長と入試問題にチャレンジ | 10月14日(土) | 10:00~11:30 | 30日前から予約を開始します。 |
第3回 学校説明会 | 10月21日(土) | 10:00~11:30 | 30日前から予約を開始します。 |
第6回 ミニ学校説明会 | 10月31日(火) | 10:30~11:30 | 30日前から予約を開始します。 |
創立130周年を記念して、三輪田に新しい仲間「ミーポル」も増えました。
これも生徒と有名デザイナーの「つながり」が生み出したもの。こういった一つひとつの活動が、三輪田の次なる100年を作っていきます。さまざまな「つながる」にチャレンジし楽しめるお子さまに、入学を勧めたいです。
企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:三輪田学園中学校・高等学校