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多様性・創造性・国際性を併せ持つ女性の育成を目指す大妻中野中学校・高等学校(以下、大妻中野)。国際教育ではキャリアプラン実現のために必要な英語力の習得に努め、複数の留学プログラムを用意して視野を広げる機会を提供しています。外部の留学プログラムへのサポートにも積極的で、「トビタテ!留学JAPAN」(以下、トビタテ)では、高倍率にも関わらず毎年在校生が日本代表として選抜されています。
そこで、狭き門を突破し、昨年トビタテで留学を果たした高2生にインタビューを行い、大妻中野の環境や留学サポートの魅力に迫ります。
トビタテは、2014年に文部科学省主導で始まった官民協働の海外留学支援プログラム。オリジナルのプランで留学できることや、返金不要の奨学金が出ることから昨年は全国から2000名以上が志願しました。インタビューに協力してくれたのは、倍率10倍(志願者210名中21人合格)と各コースの中で最も人気を集める「アカデミックロング」コースに合格したお二人です。
それぞれの留学準備は?
長期留学、お疲れ様でした。
もともとお二人は留学や国際教育に強い関心があったのでしょうか。
中学校入学時はあまり意識していませんでしたが、中2と中3のとき、学校の留学プログラムでカナダとニュージーランドに行きました。カナダでは自分の英語が通じることに驚き、ニュージーランドでは学問としての英語の難しさや、文化背景を伴う言語理解の難しさを体験し、「次はアメリカに行きたい」と考えるようになりました。
高倍率のトビタテの審査をパスしたお二人ですが、合格の決め手は何だと思いますか。
テーマの選定です。トビタテは熱意や独自性、好奇心がコンセプトなので、審査に通るためは、自分らしさを出したテーマがないといけません。リーダーを務めた合唱部で全国大会優勝を果たした経験から、私なら合唱を通した文化交流ができると考え、「アイルランドの混声合唱団で切磋琢磨する音楽留学」としました。
私は「アメリカの文化を体験し、人脈を広げること」をテーマにしました。合格した人たちのテーマはバラバラですが、自分の活動によって滞在した国に何を還元できるかまで考えられていて。留学したいから申し込むのではなく、留学してやりたいことがテーマにつながっている人が合格しているなと感じました。
トビタテには書類審査と面接審査があります。不安はありませんでしたか。
端的な文章を書くことに慣れていなかったので、書類審査に出す文章を国際教育担当の水澤先生に見ていただきました。私がスポーツ業界のマーケティングに興味があることを知っていた先生は、オレゴン州にNikeの本社があることから、グローバルマーケティングで有名なNikeのリサーチを留学中の課題として書き加えるよう提案してくださって。そのおかげでオレゴンに行きたいという気持ちがより明確になり、現地ではNikeの社員の方へインタビューするという貴重な経験につながりました。
校内で面接のシミュレーションをしていただきました。過去にトビタテの審査員をされていた方や、元校長の宮澤雅子先生が立ち会ってアドバイスしてくださり、留学に懸ける想いを自信を持って語れるようになりました。
準備が活きた現地での活動
ご自身の努力と恵まれた環境により狭き門を突破したお二人。
現地で自信や手ごたえを得た出来事はありましたか。
一番成長を感じたのは、各国の文化を紹介する「カルチャーデイ」という学校行事に参加したときです。生徒だけでなく、各国の大使の方々も訪れていて、たくさんの人に日本の文化やいいところを英語で伝えることができました。アイルランドには日本人が少ないこともあり、日本代表として国をアピールできたことは素晴らしい経験になりました。
アメリカの授業にはディスカッションが多く、手を挙げなければ成績がつきません。だから、授業の内容を理解し、質問を考えて発言する中で、英語力がすごく伸びました。原爆をテーマにしたディベートでは、日本人としての視点から意見を述べることでアンバサダー活動を達成しました。
大妻中野でも1つのテーマについて授業中に話し合うことが多いので、授業で育んだ発信力を海外で活かすことができたと思います。
振り返ってみて、計画どおりの留学生活になったと思いますか。
現地の学校で合唱部に所属して、文化交流のために日本の歌を知ってもらいたいと掛け合いましたが、最初はあまり興味を示してくれませんでした。でも先生に相談したり、日本でのコンクールの動画を見せたりと、日本の歌のいいところを話していたら、だんだん先生や部員が興味を持ってくれて。最後には、私が教えた日本の歌をみんなが歌ってくれました。
渡航前にやろうと思っていたことは、想像以上に実現できました。英語力が上がり、そのことがテーマである人脈を広げることにつながって、NikeやAmazonなどの企業の方とも知り合うことができました。
今後の展望
帰国して、これから思い描くものは何でしょう。
全世界に友達をつくって世界を知り、還元することで、日本の経済を活性化させたい。トビタテで培った人脈を活かして、将来の未確定な部分をどんどん具体化していくつもりです。
大学と大学院に進学して、6年のうち3年間は日本で学び、残りは海外に渡って文化交流を続ける期間にしたいです。
受験生へのメッセージをお願いします。
世界とつながる大妻中野なら、将来につながる経験ができます。たくさんの留学プログラムにチャレンジする機会を平等に与えてくれるので、自分を変えるチャンスの多い学校です。
大妻中野はいろいろなことに挑戦できる場です。私は大妻中野で積極性や発信力がついたし、これからも世界の人と関わりをもって挑戦していきます。
M.Kさん、Y.Iさんのお二人が留学前に指導を受けたという水澤孝順先生に、大妻中野の国際教育や普段のお二人の学習姿勢についてうかがいました。
大妻中野の国際教育の特徴は?
本校は、英語教育だけでなく、フランス語など複数言語を並列に学ぶことを大切にしています。欧州評議会が策定した外国語習得ガイドライン「CEFR(セファール)」が唱える複数言語教育の重要性を理解して取り入れていることが大きな特徴と言えます。
留学や海外研修でも、英語圏が6か国、非英語圏が7か国とバランスを考えたラインナップにしています。どの国へ行っても一定の英語力は身につきますが、本校の留学や海外研修では「英語は世界共通語ではなく媒介言語であること」に気づくことができます。
M.Kさん、Y.Iさんについて、トビタテ参加前から現在まで見守って来られて、その成長や頑張りをどのように感じられていますか?
M.Kさんは留学計画書も丁寧で計算し尽くされており、テーマも彼女にぴったりだったことが高く評価されたのだと思います。Y.Iさんは普段からとても情熱的で、「さまざまな国の人と知り合って将来につなげたい」という思いは常に感じていました。トビタテの権利獲得や留学先で得た出会いは偶然ではなく、彼女の性格が導いたものだと信じています。
帰国した彼女たちを見たとき、それまでより落ち着きや自信を感じ、まさに「日本代表」にふさわしいと感じました。二人ともグローバルリーダーに成長してくれると感じていますが、Y.Iさんは周囲を巻き込み自らイノベーションを起こすタイプ、M.Kさんは芸術で人と人を繋ぎ、立場の違う人に寄り添えるタイプとして社会で活躍してくれるはずです。
発言の機会が豊富な授業、留学のチャンスが平等に与えられる国際プログラム、外部留学への手厚いサポート。これらを活かして留学したお二人は、現地で素晴らしい経験を重ね、将来へのビジョンを明確にして帰国しました。彼女たちの話を聞いて、大妻中野には、どこに行っても自分らしさを発揮できる女性が育つ環境があるということがわかりました。
小学生の頃は「高校生になったら留学しようかな」と考える程度でした。でも大妻中野に入学して英語を学び、留学への強い想いが芽生えました。帰国生の多い環境も影響したと思います。