掲載日:

進学校同士のトップ対談が実現!淑徳与野と世田谷学園が目指す教育

inter-edu’s eye

進学校として受験生の保護者や教育関係者から注目を集めている淑徳与野中学・高等学校(以下、淑徳与野)と世田谷学園中学校・高等学校(以下、世田谷学園)。男女別学で仏教校という共通点もあります。今回、淑徳与野の里見裕輔校長がかつて世田谷学園で教鞭を執っていた縁もあり、同学園の山本慈訓校長とのトップ対談が実現。両校が掲げる心の教育や国際教育について話をお聞きしました。

教育理念にもとづいた「心の教育」の実現

淑徳与野中学・高等学校校長 里見裕輔 先生

淑徳与野中学・高等学校校長 里見裕輔 先生

淑徳与野中学・高等学校とは
1946年の開設以来、大乗淑徳学園系列校の総合力を活かした教育を推進。2015年には中学校に隣接した高等学校の新校舎が完成。難関国公立大学への合格者を輩出することで知られています。

インターエデュ(以下、エデュ):両校の共通点といえば仏教ですが、心の教育も大事にされているとうかがっています。両校が目指す心の教育について教えてください。

里見校長
里見校長

淑徳与野では、進学指導だけではなく、芸術やスポーツなど幅広いプログラムで人間教育を進めています。その中で心の糧になってくれればという思いで仏教の智慧も紹介しています。心の教育と確かな学力の両方ともバランスよく指導しています。

山本校長
山本校長

そうですね。それぞれ宗派は異なりますが、人は一人ひとりが尊い存在であり、立派になれる力があるという仏教の考えは両校共通していると思います。

世田谷学園中学校・高等学校校長 山本慈訓 先生

世田谷学園中学校・高等学校校長 山本慈訓 先生

世田谷学園中学校・高等学校とは
1902年創立の歴史を持ち、早慶上理はもちろんのこと、現役での東大合格者を輩出する屈指の進学校です。
里見校長
里見校長

その人自身、大事な命を持っている。すべての生きとし生けるものはかけがえのない命を持っており、すべてが等しい。表現や方法が違うだけで、目指す頂上は同じですね。

山本校長
山本校長

世田谷学園では、「Think&Share」と表現しています。この世界で私には私だけが持っているかけがえのない価値がある。それと同じようにすべての人々にその人だけが持っているかけがえのない価値があるという意味がこめられています。

男女別学が為せる意義

エデュ:近年は共学人気と言われる傾向がありますが、両校の特徴である「男女別学」の利点をどうお考えでしょうか。

里見校長
里見校長

淑徳女学校を前身とする大乗淑徳学園で唯一の女子校です。女子生徒だけですので、異性を意識せずのびのびと過ごせる環境があると感じています。共学にも共学の良さがあるとは思いますが、男女が別で学校生活を送ることで、それぞれに適した指導ができるのが大きな利点です。

山本校長
山本校長

世田谷学園も男子校なので、みんなが個性をさらけ出してのびのびとしている印象があります。中高生の男女間には、心身の発育の違いもありますので、学習やクラブ活動を通して教師が生徒にアプローチする方法も、当然変わってくるのではないかと思います。

淑徳与野の授業のようす

淑徳与野の授業のようす

世田谷学園の授業のようす

世田谷学園の授業のようす

国際人の育成にかける思い

里見校長と山本校長

エデュ:教育の主流となった国際教育に関しては、どのように取り組んでいるのでしょうか。

里見校長
里見校長

国際教育の先鞭をつけたのは御校です。やはり、海外と日本の両方が持つ独自の価値観を理解して世の中を見るという思いがあったのでしょう。

山本校長
山本校長

そうですね。本校では、英語を学ぶだけではなく、異文化への関心と適応力を育てることが重要だと考えています。そのために、全員が海外に行くということにこだわりを持っています。カナダの姉妹校に30年以上お世話になっています。

里見校長
里見校長

国際教育も人間教育の一環を担っているということですね。海外での経験が心の肥やしになる。淑徳与野では、アメリカを修学旅行先にして、現地の御家庭に全員がホームステイする機会を設けていますが、確かな学力を身につけること、そして心の教育と同様に、国際教育にも注力しています。

進学校としての期待に応えるために

エデュ:両校は進学校として保護者からの期待も大きいと思いますが、いかがでしょうか。

山本校長
山本校長

学問に王道なしという言葉があるとおり、進学実績を上げるための特別な秘訣はありません。ただ、とにかく先生方が熱心で生徒との距離も近く、生徒が理解できるまで指導していると思います。つまり、日々の生活の積み重ねが今の結果につながっているのでしょう。

里見校長
里見校長

本校も、御校のようなレベルの進学校を目指したいところです。受験勉強だけではなく、キャリア教育をはじめとして生徒の未来を考えた指導を徹底しているという点がお互いに共通していると思いますね。

里見校長と山本校長2

編集者から見たポイント

「不易流行」。両校の今後の展望を表す共通の言葉として里見校長が挙げたものです。建学の精神など変えてはいけない「不易」と、時代に合わせて変えていく「流行」。山本校長は「不易を充実させたうえで論理的思考などを育てていきたい」と今後の展望を語りました。里見校長も、心の潤いが大切とのお考えから「淑徳の時間」と題して自ら教壇に立ち、生徒に話をしているそうです。進学校として生徒の希望進路を叶えている背景には、生徒一人ひとりが持っている原石を磨く教育があるということが分かりました。それが両校の最大の特長ではないでしょうか。

淑徳与野 今後のイベント日程

中学校文化祭「なでしこ発表会」 9月15日(土)
9:30~15:00
第1回 中学校説明会 9月29日(土)
10:00~12:00
第2回 中学校説明会 10月13日(土)
10:00~12:00
第3回 中学校説明会 11月24日(土)
10:00~12:00
第4回 中学校説明会 12月13日(土)
13:30~15:30

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:淑徳与野中学・高等学校 世田谷学園中学校・高等学校