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人を育て、学力を伸ばす高輪中高の算数午後入試

inter-edu’s eye

高輪中学校・高等学校(以下、高輪中高)では、4教科による入試のほかに、2002年から導入している「算数午後入試」があります。算数1科目だけで選抜される入試で、毎年多くの受験生がチャレンジしています。その「算数午後入試」に注目して、導入された経緯や入試を通して求める生徒像、そして受験生必見の攻略法までをご紹介します。

文系志望者の強みにもなる!算数午後入試で入学する生徒の未来

毎年2月2日の午後に実施される算数1科目のみによる名物試験。60分間で計算過程や総合力、ひらめきを見る記述式の試験内容です。一般入試による募集人員170名に対して、算数午後入試の募集人員は20名(2018年時点)。全問記述式の入試にもかかわらず、毎年多くの受験生がチャレンジしています。作問にも携わる数学科の瀧澤正樹先生にお話をうかがいました。

中3選抜クラスの担任でもある瀧澤正樹先生。

はじめに、算数午後入試を導入した狙いについて教えてください。

瀧澤先生

入試の窓口を広げたいということが狙いのひとつです。
算数を選んだのは、論理的な思考力が分かるからです。
算数が得意な生徒を求めるというよりも、書く力や表現する力、状況を把握する力を持つ生徒を求めているので記述式の試験を採用しました。

やはり気になるのは、4科受験の算数と比べて問題の難易度は変わるのかというところです。

瀧澤先生

問題のレベルについては4科受験の算数と差はありません。ただし、単純な計算問題はなく、最初から大問での展開です。記述式ですが、図形やグラフを使って解き方を分かりやすく示しているかが重要で、採点方法も細かく決められています。連立方程式など中学で習う内容で解答する受験生もいますね。

当日に取材した授業の様子。生徒には集中力と積極性が求められます。

算数午後入試で求められる生徒像はありますか。

瀧澤先生

算数だけが得意だというよりも、入学してからどの科目もバランスよくしっかり学ぶ生徒を求めています。何事にも興味を持ってくれる生徒と言いかえても良いでしょう。

実際に入学した生徒にはどんな特長がありますか。

瀧澤先生

数学が好きなのはもちろんですが、独創的で発想力が豊かな生徒が多いですね。入学すれば、算数午後入試でも4科でも帰国生でも、入試区分は関係なく同じクラスで学ぶので、お互いが刺激し合いながら切磋琢磨して毎日を過ごしていると思います。

やはり数学の成績が良いので、理系を目指す生徒が多い傾向にありますが、難関私立文系の学部でも数学を入試科目に採用している早稲田大学のような大学が、今後もさらに増えてくるはずなので、文系志望でも数学が役に立つようになっていくでしょう。

高輪中高に入学した先には、一生の友と過ごしながら大人に育っていく6年間が待っています。

つまり、数学に自信があれば、私立文系にもチャレンジできるわけですね。

瀧澤先生

私立に限らず、国立文系を目指す生徒もいます。数学に必要な発想力は意識して鍛えるのが難しいので、低学年の段階から既に備わっているというだけでも大きな強みになると思います。

先ほどは校舎内を見学させてもらいましたが、先生からみた高輪生全体の特長はいかがでしょうか。

瀧澤先生

素直、穏やか、そして優しい生徒が多いと思います。だから学校の雰囲気もアットホームです。さきほど数学の授業を真剣に取り組んでいるところを見学してもらいましたが、休み時間の元気な様子には驚いたのではないでしょうか。メリハリのある男子校、これが高輪中高の魅力ですね。


生徒の能力を伸ばすために先生が心掛けていることはありますか。

瀧澤先生

日ごろから生徒の気持ちや考えを知るために、中学生には「スコラ手帳」を渡しています。手帳に悩みなどを書いてもらって、それを読んで直接話したり、コメントを返したりして生活面のフォローをしています。学習面のフォローは、毎週小テストを実施し、理解できていない生徒は放課後に追試を行っています。

徹底攻略! 高輪中高の算数午後入試はこうやって解く

実際の入試問題はどのような内容なのでしょうか。

瀧澤先生

基本的には答えだけを書くのではなく、どのように解いたのかも分かるように示すことが求められます。解き方も1つではなくさまざまなパターンがあるので、どのようなアプローチで解答を導いたかを書いてもらうことになります。得点に結びつけるためには、図やグラフなどを使いながら問題の状況を把握し、どんな考え方をしたのかを解答欄に書いていくことが大切です。最後の答えが分からないといって全く書かない受験生もいますが、分かっているところまでは書いて、考えたこと自体をアピールするのが重要なのです。

出題傾向について教えてください。

瀧澤先生

まずは過去に出された問題を参考にしてほしいですね。出題の傾向が分かってくると思います。そして、公式を当てはめるだけでなく、問題文をかみ砕いて理解することが解答にたどり着くポイントになると思います。また、4科受験の算数問題も似たような傾向があるので、過去問を繰り返して解くことをおすすめします。

中学校の数学は先取り授業、高校過程では習熟度別授業やコース分けが導入されます。

過去問と解説から見る算数午後入試 特別対策!

今回は特別に、インタビューを受けてくださった瀧澤先生から過去問とその解説をいただきました。受験生だけでなく、現在の算数問題に興味がある方はぜひともチャレンジしてください。

算数午後入試にチャレンジする
皆さんへのアドバイス

  • 問題文が長いものが多いので、使える条件を整理する。
  • 作図やグラフにして視覚化することで、考え方をアピールする。
  • 図形の問題は、補助線を引くなど見えない部分を想像して考える。
  • とにかく最後まであきらめない!

編集者から見たポイント

1科目に特化した算数午後入試。過去問から出題傾向を把握し、しっかりと対策を練れば、どんな生徒にもチャンスはあるはずです。難関大学の文系学部でも数学を受験科目に導入するケースが毎年のように増加しています。理数系の学力に自信があれば、進路選択の幅もきっと広がることでしょう。2018年3月の卒業生たちは、全体の約24%が国公立・早慶上理への進学を実現しました。自分の意志で未来をつかむために学力を向上させる環境が高輪中高には整っているのです。

学校説明会・公開行事

イベント名・概要 開催日時
高学祭(文化祭)
入試相談コーナーを設置します。予約は不要です。
入試相談コーナーを設置します。 予約は不要です。 2018年9月29日(土)・30日(日)
10:00~16:00
第1回入試説明会 2018年10月7日(日)
10:00~12:00、14:00~16:00
第2回入試説明会 2018年11月3日(土・祝)
10:00~12:00、14:00~16:00
第3回入試説明会 2018年12月1日(土)
14:00~16:00
第4回入試説明会 2019年1月8日(火)
14:00~16:00

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:高輪中学校・高等学校