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将来必ず役に立つ!玉聖学院の「終了論文」

inter-edu’s eye

キリスト教の精神に基づき、女子の心を育み、世界に貢献できる女性の育成を目指す玉川聖学院中等部・高等部。中等部が進める教育プログラムの一つで、3年間の集大成としてまとめられるのが「修了論文」です。テーマ設定から論文の書き方まで3年間かけて学ぶことで、生徒たちはハイレベルな論文を作成します。今回は、昨年度に論文が優秀作品に選出された高校1年生にお話をお聞きし、「修了論文」で育まれる力に迫ります。

外部コンクールも受賞!ハイレベルな中3修了論文

外部コンクールも受賞!
ハイレベルな中3修了論文

Tさん

Tさん高1

論文テーマ
野良猫
~動物と人が共存できる社会とは~

家族で飼っているペットが野良猫だったことからこのテーマを設定。近所に住んでいる野良猫の生態や、野良猫により起こっている問題について、日本、海外とスケールを広げて論文を展開し、日本で活動している動物愛護団体に取材もしました。

Mさん

Mさん高1

論文テーマ
世界の女子教育
~10代の私たちにできること~

ニュースで、ノーベル賞を受賞したマララさんのスピーチを見て衝撃を受け、テーマ候補に。マララさんのことを調べていくうちに発展途上国の女子教育について興味を持ち、テーマを決めました。実際にNGOで働く女性にもインタビューを行いました。

Hさん

Hさん高1

論文テーマ
聴覚と認知
~人は音だけで硬貨の種類を判別できるのか~

学校でお金を落としたときにふと感じた疑問がテーマに。硬貨が落ちる音の周波数を分析したうえで音のデータを集め、実際に硬貨の種類を判別できるか実験を実施。導き出された結果を基に、聞き分けるための新たな提案も論じました。

修了論文が完成するまでの中等部3年間の歩み

修了論文が完成するまでの
中等部3年間の歩み

中1「歴史調べ」

中1「歴史調べ」

本だけを使って調べることにこだわり、インターネットは使用不可。「時代」「人物」「出来事」など3つのキーワードについて調べ、それぞれの「つながり」をまとめます。ここでは、ものごとには「つながり」があることを知るのが目的です。

先生コメント
1つのキーワードだけを調べると、どうしても1つの視点だけで結論を出してしまいがちなので、複数の視点から物事を考察できるように考えて設定した課題です。すぐに資料が見つかりやすいよう、図書館に「中1コーナー」を作ったほか、進め方の相談も受けるようにしています。

中2「グループ研究」

中2「グループ研究」

修了論文に向けて、テーマを決める過程を可視化することが「グループ研究」の目的です。テーマを見つけるためのヒントや論文の書き方などをまとめた「道しるべ」を配付。頭の中にある情報を引き出すための「マンダラート」や、自分の関心を確認する「マッピング」などさまざまな方法でテーマを決めていきます。

先生コメント
修了論文につながる「テーマ決め」は、生徒たちが一番苦労するポイントです。壮大なテーマになってしまったり、やりやすそうなテーマを選んでしまうことが多いので、そこは根気よく指導していきます。ただ、生徒がそこで辛くなってしまわないよう、良い発見があったら一緒に喜んだり、とにかく励ますようにしています。

中3「修了論文」

中3「修了論文」

中学3年間の集大成である修了論文は、自分で計画を立て、自分で書き進めるという「自立」も目的の一つです。一人ひとりに担当の先生が一人付き、テーマ設定や論文の展開などについて相談に乗ってくれます。優秀作品は発表会で披露します。

先生コメント
テーマ決めで悩んでいる場合は、生徒の興味からテーマを引き出すように促しています。また、テーマについて相談があったときは、中学生が読める文献があるかどうか調べ、生徒に伝え、テーマ決定のヒントを提示しています。相談によって当初のテーマと全く違うものになることもあります。

「修了論文」で身についた力~生徒インタビュー~

「修了論文」で身についた力
~生徒インタビュー~

身近なテーマが論文になって外部コンクール受賞!

インタビューの様子

──修了論文のテーマ決めにみんな苦労するそうですが、実際どうでしたか。

Hさんなかなか思いつかなくて、テーマ決めは大変でした。そんなとき、教室で硬貨を落として、「音だけで何円なのか分かるかな?」って思ったんです。ふと感じた疑問でも硬貨が落ちる音の周波数を分析したり、音を認知する脳について調べたりしていくうちに、論文としてまとめることができて良かったです。

Mさんマララさんの堂々としたスピーチに衝撃を受けて、最初は彼女について調べようと思ったんです。でも、人物だけにフォーカスすると狭い範囲でしか論文が書けないということに気付き、発展途上国の女子教育にスポットを当て、論文を進めていきました。

Tさん好きなものや身近なものからテーマにしようと思ったらやりたいことがたくさんあり、テーマを絞るのに悩みました。結局、私にとって一番身近な「野良猫」にしました。調べていくうちに難しい言葉が出てきたのですが、分かる情報をとにかく集めてから、並べてみて、後から流れがおかしくならないようにまとめました。

──論文を書く中で苦労したことや印象に残ったことはありますか。

Tさん野良犬のデータはたくさんあるのですが、野良猫の情報は少なく、ちゃんとした数字がなかったので大変でした。猫にはアンケートを取ることもできないですしね。でも、自分がやりたいテーマだったので、乗り切ることができました。

スピーチ動画

Mさん短い期間で計画通りに進めなければいけなかったので苦労しましたが、がんばってまとめたことで、「世界子どもの日映像スピーチコンテスト」というコンテストでも2位をいただくことができ、うれしかったです。コンテスト後には、審査員の堀潤さん(キャスター)から、スピーチの上達方法を直接教えてもらう機会もあり、相手に伝えることの大切さを知ることができたので、私にとって大きな財産になりました。

スピーチ動画

Hさん私は、実験の結果、硬貨の音だけで何円硬貨なのかを判別するのはできないという結論が出てしまったので、論文をどう成立させようか悩みました。でも、判別できなかった原因を考察したり、判別させるためにはどうしたらよいか、という提案したりすることもできたので良かったです。

TさんHさんの実験には私も被験者として参加したのですが、同じことを何度も繰り返すので、大変だなと思いつつ、私は眠気とたたかうのが大変でした!

──なるほど。様々な苦労を経て、大学生レベルの論文が完成したわけですね。

論文で身についた3つの力

私たち3人とも、修了論文では「3つの力」が身につきました。まずは、展開を考えて、分かりやすい言葉で読む人に伝える「書く力」。次に、学校から外に出て、さまざまな人たちにインタビューをする中で上達する「聴く力」。最後に、生徒たちの前で論文の内容を説明する「話す力」です。この3つの力を身につけたことで大きく成長できたと思います。このがんばった知識は、必ず糧になると信じています。

編集者が見たポイント

論文作成でインタビューや取材を経験しているからなのか、エデュ側の質問に分かりやすい言葉で答えてくれた生徒たち。玉聖は、人前で話す機会が多いことも影響しているようで、3人とも自分の言葉でしっかりと答える姿が印象的でした。
明るい笑顔が素敵な生徒たちを、ぜひ説明会や授業体験などでご覧になってみてください。

イベント日程

プログラム 日付 時間
学校説明会(入試説明、個別相談) 10月21日(金) 19:00~20:30
学校説明会(入試説明、個別相談) 11月5日(土) 14:00~15:30
適性検査型入試説明会(説明会、個別相談) 11月5日(土) 10:00~11:30
学校説明会(一般入試プレテスト) 11月23日(水・祝) 14:00~15:30
クリスマスイベント 12月10日(土) 10:00~12:30