掲載日:

中高等部長インタビュー 櫛田先生が語る玉聖の教育の本質

inter-edu’s eye

聖書に基づいた教育を行う玉川聖学院中等部・高等部(以下、玉聖)では、2018年4月、櫛田真実先生(くしだ まさみ)が中高等部長に就任されました。中高等部長とは、いわば校長です。そこで玉聖の中等部教頭から中高等部長になられた櫛田先生に、ミッションスクールだからできる女子教育や、これからの玉聖についてうかがいます。

中高等部長 櫛田真実先生インタビュー

数学科の教師として3つの公立高校と玉聖で教鞭をとり、長くバレーボール部の顧問を務めていた櫛田先生。公立校の教員時代には選抜クラスの立ち上げに携わり、1997年には文部科学省主催の若手教育派遣プログラムのメンバーに選ばれてアメリカへ渡り、3か月間コロラド州でさまざまな教育現場を見てきたという経歴をお持ちです。

櫛田 真実 先生

中高等部長 櫛田 真実 先生

──中高等部長としての日々はいかがですか。

他校の校長をはじめ、さまざまな方と出会う機会を得ました。真摯に教育に向き合っている方のお話は得るものが多く、私自身や玉聖のために必要な出会いが与えられていると感じ、期待感に満ちています。
ただ、現場から離れたことに対して寂しさも感じています。担任として生徒と関わったり、部活動の顧問として生徒と一緒に汗を流したりすることが大好きでしたから。

──櫛田先生が考える玉聖の教育とは。

人は誰しも神に愛され、一人ひとりがかけがえのない存在であるという考えを教育の根幹としています。クラスにいる少し変わった子も、そうでない子も、誰もが母に命がけで生み育てられた尊い存在。こうした命の重みはミッションスクールだからこそ伝えられるものではないでしょうか。
もし生徒が「自分には何もない」と感じていても、神から必ず賜物(たまもの)を与えられています。勉強や部活動など、学校生活を通して生徒は賜物の存在に気づき、教師や仲間と磨いていくのです。

玉聖の女子教育

──玉聖の女子教育や、女子教育に対するお考えを教えてください。

本校では、先生や牧師をお呼びして性に関する講演を行っています。先日は、春のオリエンテーションキャンプにも毎年来ていただいている先生をお呼びしました。生徒が心を開いている相手であり、性に関する講演活動をライフワークとしている方なので、毎年講演をお願いしています。聖書の中には、幸せにつながる性の在り方・結婚の在り方が明確に示されています。生徒に強制はしませんが、「こういう価値観もあるよ」と紹介できるのは、ミッションスクールの女子教育に他なりません。
昨今、グローバルリーダーを育てようという声をよく聞きますが、私はすべての人間がリーダーになる必要はないと思います。玉聖の生徒には、いがみ合いが生じた場において、人と人をつなげる潤滑油のような存在になってほしい。そんな人間を育成するためにも、ミッションスクールの女子教育が果たす役割は大きいと感じています。

クリスマスに訪問した老人ホームでのようす

──ミッション系の女子校の中で、玉聖が持つ強みは何でしょうか。

心を込めた教育をしているところです。公立校では、大学受験に関係ない科目をおろそかにする風潮があり、特に高校では主要5教科以外は時間講師しかいない学校もあります。玉聖では芸術科目も手を抜きません。生徒がクリスマスに訪問している老人ホームでは、家庭科の授業で縫ったポーチやクリスマスカードを入居者に贈ります。ホームで暮らす方々は、毎年それをとても楽しみにしてくださっているため、生徒は心を込めて作るようになります。そして贈り物を渡すとき、生徒は私たち教師には見せたことのないような優しい表情を見せるんですよ。こうした経験を通して、思いやりのある生徒が育っていきます。

玉聖の学び

──これからの時代に必要な学びとは。

大学入試改革を控え、不安を感じている方は多いと思います。しかし、国語や数学、英語などの基礎的な学びが大切であることに変わりはありません。本校には体験プログラムが充実しており、大学入試の流れが本校に追いついてきた感はありますが、そんな今こそ基礎的な学びをおろそかにしないよう自ら律していくべきだと考えています。

櫛田 真実 先生

──では具体的に、玉聖ではどのような教育を行っていますか。

中学校で大切なことは、生活習慣と学習習慣のリズムを整えること。つまり土台作りです。全員に配布される「学習手帳」を利用して、生徒に起床・学習・就寝時刻の3点固定を意識させます。そこへ宿題を課すことで学習習慣が確立します。この2つの習慣が身についていれば、高校でどんな進路を選んでも伸びていきますよ。
学びの土台作りの例として、社会科では中学1年次に調べ学習をします。生徒が歴史上の好きな人物を選び、本から情報を探してまとめます。文献を読み、参考文献を書くことで、やがてパソコンを使うようになっても情報収集がコピー&ペーストに陥りません。

──受験生や保護者へのメッセージをお願いします。

学習能力の高い子には課題を与えて学力を伸ばすなど、各々の賜物を磨いていけるように生徒一人ひとりを見つめ、理解することを目指している学校です。賜物を磨いて成果を上げている生徒がたくさんいるので、ぜひ、玉聖にいらしてください。

玉川聖学院の 1日体験授業レポート

インタビューを行ったこの日、玉聖では1日体験授業が行われており、158組344名の参加者で賑わいました。授業体験は玉聖の先輩たちと授業を体験し、触れ合うことで、玉聖を身近に感じることができるイベントです。当日のようすを写真とともにご紹介します。

ボカロを使ってみようのようす

ボカロを使ってみよう

音声合成ソフト「VOCALOID(ボーカロイド)」を使い、賛美歌の替え歌作りに挑戦。目の前で行われる“音のデジタル化”に、小学生も保護者も真剣な表情で授業にのめり込んでいました。

玉聖メモ
VOCALOIDは高校の情報科の授業で導入されています。
バッハの音楽を知ろうのようす

バッハの音楽を知ろう

谷口ホールでパイプオルガンやバッハの音楽について学び、ミニコンサートでは美しい音色に酔いしれました。

玉聖メモ
谷口ホールでは高校生が毎朝礼拝を行い、パイプオルガンの調べで讃美歌を歌います。
バドミントンを楽しもうのようす

バドミントンを楽しもう

先輩に教わりながら小学生と在校生が体育館で一緒に汗を流しました。

アイスを作ろうのようす

アイスを作ろう

機械を使わないアイス作りに挑戦。完成したアイスは「お店で売っているような味!」と小学生から大好評でした。

編集者から見たポイント

思いやりがあり、人と人をつなぐ潤滑油のような人間。櫛田先生が語る理想の生徒像から、玉聖が目指しているのは、どの社会でも愛され、必要とされる人間の育成だと感じました。恒例となった老人ホームへの訪問や、今年14回目を迎える被災地へのボランティアキャンプで高校生が体験したことは、報告会で中学生にも伝えられ、バトンは引き継がれていくそうです。
ミッションスクールの女子教育について興味のある方は、学校説明会で櫛田先生のお話を聞いてみてはいかがでしょうか。

2018年 イベント日程

中学イベント日程

学院祭 9月15日(土)
学院祭 9月17日(月・祝)
保護者向け人間学講座 10月12日(金)
学校説明会 10月13日(土)
プレミアム説明会 10月20日(土)
オープンスクール 10月16日(火)
適性型入試説明会 11月17日(土)

高校イベント日程

学院祭 9月15日(土)
学院祭 9月17日(月・祝)
保護者向け人間学講座 10月12日(金)
学校説明会 10月13日(土)
プレミアム説明会 10月20日(土)
オープンスクール 10月16日(火)

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:玉川聖学院中等部・高等部