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東京女子学院中学校・高等学校(以下、東京女子学院)は近年、校舎を大規模にリニューアルするなど、新しい動きが目立つ学校です。今回は、7タイプの受験方法についてご紹介。さらにその中から、英語や習い事といった得意なことを活かせる入試形式をピックアップし、在校生3人に合格体験を語っていただきました。受験生の皆さん一人ひとりの「狙い目」がきっと見つかるでしょう。記事後半では学校生活についてのリアルな声もお届けします。
東京女子学院は、帰国生入試を除いた入試形式が7タイプと非常にバラエティーに富んでいます。この背景には、「テストで測れる学力だけでなく、多様な力を持った生徒を集め、個性を伸ばしたい」という考えがあります。ぜひともお子さまにピッタリの入試形式がないかご覧ください!
東京女子学院の多様な入試形式
英語特別入試
課題解決型入試
芸術・スポーツ・特技・特別入試
1科選択入試
2科選択入試
適性検査型入試
特待生入試
※詳しい入試情報は学校サイトからご確認ください。
ご紹介した7タイプのうち、お子さまが得意とすることを活かせる注目の入試形式について、生徒の合格体験を聞きました。
「英語特別入試」「課題解決型入試」「芸術・スポーツ・特技・特別入試」の順に取り上げます。
受験本番ではどのようなことに取り組みましたか。
阿部さん
ネイティブの先生との会話テストでは面白いゲームがあって、各面に絵が描いてあるサイコロを振って、出た絵を題材にしてストーリーをつくって話すということに挑戦しました。
今回の受験対策に限らず、英語の勉強にはいつごろから取り組んでいますか。
阿部さん
インターナショナルスクールの幼稚園に通い、小学校1年生からは英会話スクールに通っていました。英語を話す経験の積み重ねが合格につながったと思います。
受験生へのアドバイスをお願いします。
阿部さん
筆記試験は英検3級レベルと聞いていましたが、英検対策用のテキストにある3・4級の予想問題とよく似た出題がありました。そのあたりをしっかり勉強するといいでしょう。そして、英語4技能がそれぞれ問われるので、皆さんもバランス良く身につけてください!
私立中を受験することを考えたのはいつごろですか。
田中さん
小学校6年生の終盤です。当時は地域のソフトボールチームに所属していたのですが、東京女子学院のグラウンドを借りて練習していて、ご縁があったことが受験のきっかけでした。ソフトボール部もあるし、「勉強と部活をしっかり両立できる学校」だと聞いて志望しました。
「課題解決型入試」ではどのようなことに取り組みましたか。
田中さん
試験内容は、「SDGs(持続可能な17の目標)」、「現在の社会的な課題」、「ビブリオバトル(本の紹介、書評)」、「その他」の4テーマから1テーマを選んで事前に発表内容を準備してプレゼンテーションをするというものです。
どんなお話をされましたか。
田中さん
漫画雑誌にイラストを投稿した経験があるのですが、そのイラストが載るかどうかすごくドキドキしたこと、この気持ちを未来の子どもたちにも与えたいと思ったこと……さらに、夢の実現に向けて、どう学習を進めていくかといったことも話しました。
これから挑戦する受験生にアドバイスをお願いします。
田中さん
私は小学校のとき、ほとんどプレゼンテーションをした経験がありませんでした。心配もあったのですが、入試では好きなことをテーマにできるので、意外と話すことが思いつきやすかったです。皆さんもじっくり考えてみてください。本番はやっぱり緊張しますが、案内してくれる先生がやさしく声をかけてくれますよ!
入学のきっかけを教えてください。
田村さん
小学校1年生からテニスを続けているのですが、仲間からスポーツの実績で入学できる学校があると聞いたことがきっかけでした。東京女子学院はテニス部を強化しているので、いつも中身の濃い練習ができています。2021年度は11月20・21日に行われた関東大会で優勝し、12月と3月に全国大会に出場します!
ほかの学校は受験しましたか。
田村さん
同じようにテニスの実績で入れる学校があり、そちらも合格が出たのですが東京女子学院を選びました。礼法や華道など私立の女子校ならではの授業があることが最後の決め手でした。振り返ってみると、入学前よりも目上の人ときちんと接することができるようになりましたね。
受験したときの感想を教えてください。
田村さん
先生2人が面接官で、テニスに関する質問が多かったです。テニスへの熱意、今後の目標など、しっかり聞いてもらいました。事前準備として、「私が本当に好きなことはなんだろう」「何故私はテニスをやってきたんだろう」といったことを真剣に考えたのが合格につながったと思います。これから受験しようという方には、自分と深く向き合う時間をつくってから本番に臨んでほしいです。
受験についてのお話に合わせて、学校生活についても聞きました。
東京女子学院の学習に関する長所を教えてください。
田中さん
先生が生徒みんなの得意なところと苦手なところを把握してくれます。1クラス20名以下の少人数制だからだと思います。
阿部さん
東京女子学院の先生は教えるときに「なんでわからないの?」みたいなきつい言いかたをしないので、やる気が上がります。
生徒の雰囲気はどうですか。
田村さん
入学前は「私立の女子校」について、人間関係で苦労しそうだなという不安がありました。でも、実際に入学してみると、全然トラブルがありませんでした。先輩後輩も仲が良いし、女子校ならではの礼法や華道の授業はとても勉強になります。
田中さん
私は小学校では男子の目を気にして自分の意見を思い切り言えなかったこともありました。でも今は、もっと自分を出せるようになりました。
最後に校長の野口潔人先生から入試と学校教育についてのお考えについてお聞きしました。
多様な入試を行う理由を教えてください。
野口校長
子どもが大人になるときに飛び立つのは先行きが見えず、正解のない社会です。おそらく学力が高いだけでは将来活躍できる人材にはなれないでしょう。本校は、生徒の個性を伸ばす、長所をさらに伸ばすことこそ必要だと考えています。本校ではこうした理念に基づいて、多様な力を持ったお子さまが受験しやすいよう試験内容も組み立てたというわけです。
東京女子学院が力を入れている教育活動を教えてください。
野口校長
創立86年の古き良き伝統を持ちながらも、ICTを活用した教育、複数の教科を関連させながら学ぶ教科横断型カリキュラムの作成などに挑戦してきました。社会の最新動向についても授業の中でよく取り上げるようにしています。生徒自身が生きる時代に敏感であってほしいからです。
受験生とその保護者にメッセージをお願いします。
野口校長
東京女子学院の教員は、「生徒とポジティブな気持ちで向き合う」ということを大切にしています。公立の中学校では自分の力を発揮できないタイプのお子さまでも、本校では手厚いサポートの下、自信を身につけて大きく成長していくでしょう。
「自分を発揮できる」「生徒の強みを伸ばす」東京女子学院は、その目標に向けて学校環境を整えてきました。今回ご紹介した多様な入試もその一環です。入学後は「将来なりたい自分自身」に出会えるよう先生方が寄り添ってくださいます。これからの土台となる中高6年間が過ごせるに違いありません。
第1回 | 第2回 | 第3回 | ||||
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試験日 | 2月1日(火) | 2月2日(水) | 2月6日(日) | |||
1科選択入試 | 午前 | 午後 | 午前 | 午後 | 午前 | 午後 |
2科選択入試 | 午前 | 午後 | 午前 | 午後 | 午前 | 午後 |
英語特別入試 | 午前 | 午後 | 午前 | 午後 | 午前 | 午後 |
芸術・スポーツ・ 特技・特別入試 |
午前 | 午後 | 午前 | 午後 | 午前 | 午後 |
適性検査型入試 | 午前 | ー | 午前 | ー | ー | ー |
課題解決型入試 | 午前 | 午後 | 午前 | 午後 | 午前 | 午後 |
特待生入試 | ー | 午後 | ー | 午後 | ー | 午後 |
合格発表 | 当日13:30 | 当日17:30 | 当日13:30 | 当日17:30 | 当日13:30 | 当日17:30 |
入学のきっかけを教えてください。
阿部さん
学校を初めて訪れたときに、校舎がすごくキレイで「美術館みたい!」と思ったことです。プールは屋内にあって、更衣室・シャワー室も完備されています。人工芝のグラウンドではお弁当を食べて良いことになっていて、晴れている日は最高の気分です。食堂も過ごしやすいし、ごはんも美味しいですよ。