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大講堂で魅せる圧巻のパフォーマンス 先輩の思いを次代へつなぐ東洋英和のステージ系クラブ

inter-edu’s eye

六本木駅や麻布十番駅の徒歩圏にありながら、校舎の周りは静けさに包まれ、恵まれた学習環境を持つ東洋英和女学院中学部・高等部(以下、東洋英和)。東洋英和には「スポーツ系」「ステージ系」「文化系」に分類される多数のクラブがあり、英語劇部や音楽部、ダンス部といったステージ系クラブは大講堂で披露する演目が話題で、毎年楓祭(文化祭)を沸かせています。楓祭に向けて練習真っただ中の8月、ステージ系クラブの高校2年生に活動への思いをうかがいました。

ステージ系クラブのメインステージ 楓祭

楓祭では英語劇部、音楽部、ダンス部が45分間の演目を上演します。秋の本番に向けて春から始動し、演目決めや配役オーディション、衣装や装置や大道具の製作などに取りかかります。3つのクラブでは全部員が裏方を経験し、演者としてステージに立つのは高1まで。最高学年の高2は舞台を降りてプロデュースする立場に回ります。

英語劇部
平林あいさん

平林さん
小学部から東洋英和に入学。中2の秋に英語劇部に入部し、現在は部長を務める

入部のきっかけ:「もともとミュージカルが好きだった私にとって、英語劇部のステージは本場のミュージカルのようでした。自分もこの世界の一員になりたいと思い、入部しました」

音楽部
秋山素子さん

秋山さん
小学部から東洋英和に入学。中1から音楽部に所属。現在は生徒会長を務める

入部のきっかけ:「幼い頃から音楽が好きで、小学部では機会があれば聖歌隊や合唱に参加していました。中学部では仲間と協働するクラブに入りたいと思ったことと、お世話になっていた先輩が音楽部に所属していて、楽しいよと教えてくれたことから入部しました」

ダンス部
小林美結さん

小林さん
中学部から東洋英和に入学。中1からダンス部に所属。現在は、校内のクラブを統括するクラブ運営委員長を務める

入部のきっかけ:「小5のとき参加した学校説明会のクラブ見学で、当時高1生だったダンス部の先輩に一目ぼれ。家族みんなでファンになったんです。小6のときも練習を見学しにいったら、その先輩が『去年も来てくれたよね』と声をかけてくださいました。東洋英和のダンス部に入りたい一心で受験勉強に励み、念願かなって入部に至りました」

裏方を経験するから分かる 舞台に立つ喜びと作品を支える仲間への感謝

クラブの特徴や練習内容を教えてください。

英語劇部 平林さん
英語劇部
平林さん

英語で歌い、演じながらダンスをします。このため、演技や歌の練習のほか、英語の発音練習や、アドリブに英語で対応できるようになるための稽古もします。

英語劇部
音楽部 秋山さん
音楽部
秋山さん

演技、歌、ダンスでミュージカルをつくり上げるところは英語劇部と同じですが、音楽を中心としているのが音楽部の特徴です。曲の伴奏やBGMなども全て生演奏で、歌に特化した合唱というセクションもあります。

音楽部
ダンス部 小林さん
ダンス部
小林さん

ダンス部の演目は、体の動きと表情で感情やストーリーを表現していきます。普段の練習では、先輩が考えてくださった振付を体育館で練習し、自分のダンスを録画して確認したり、ノートにダメだしを書いて先輩に提出したりしています。

ダンス部

入部してからこれまで、楓祭ではどのような役割を担当されましたか。

英語劇部 平林さん
英語劇部
平林さん

中3では男性アンサンブルのリーダーを、高1ではコズモという役を演じました。私は中3から楓祭に参加したので裏方を経験していませんが、通常、中1生は裏方を担当します。

音楽部 秋山さん
音楽部
秋山さん

中1では大道具、中2、3では合唱を担当し、高1では街の子どもの役を演じました。音楽部では、主役を除いて高1生も裏方のセクションを兼任します。

ダンス部 小林さん
ダンス部
小林さん

中学3年間は衣装を担当し、高1では女性アンサンブルの妖精を演じました。ダンス部では部員の半分くらいが照明や衣装、装置など裏方を担当することになり、どのセクションが欠けても舞台は成り立ちません。

音楽部 秋山さん
音楽部
秋山さん

3つのクラブでは、楓祭のために大道具や衣装を毎年新調します。衣装担当の高2生が演者一人ひとりの衣装デザインを考えて、デザインが決まったら布の買い出しへ。そして採寸し、型紙を作って縫製します。

大道具準備
ダンス部 小林さん
ダンス部
小林さん

ステージで映えるように、衣装に小さなスパンコールを一つずつ縫いつけていくことがあり、これはとても大変で、根気のいる作業です。

英語劇部 平林さん
英語劇部
平林さん

ほかにも英語劇部は英語での脚本制作があり、音楽部は脚本や楽譜の制作もあります。

衣装準備

2021年度の楓祭の思い出を教えてください。

英語劇部 平林さん
英語劇部
平林さん

私は、演じる役のダンスを自分で考えさせてもらう機会に恵まれました。歌・ダンス・演技のうち、自分が一番好きなのはダンスです。以前、仲間が先輩から演技力を褒められたとき、自分はダンスが好きだから動きでアピールしようと思い、オーディションの志望理由書にも率先して書くようにしていました。だからこそ、自ら考えたダンスを観客の前で披露できたことがうれしかったです。

音楽部 秋山さん
音楽部
秋山さん

音楽部では本番直前に円陣を組んで歌います。裏方も演者も関係なく、一つのチームであることを強く感じる瞬間です。高2の先輩方が温かい言葉をかけてくださり、私たち後輩は音楽部の一員だったことを心底喜び、そして何も恐れることなく舞台に向かうことができました。

2021年度楓祭
ダンス部 小林さん
ダンス部
小林さん

本番直前は同じ学年の仲間と円陣を組み、今までの頑張りを称え合って士気を高めました。毎年のことですが、このとき感極まってしまうので、みんなで「メイクが落ちちゃう!」と必死に涙をこらえるんです。演じている間は、ステージで踊ることがとにかく楽しくて仕方ありませんでした。

大勢で一つの作品をつくり上げることには、どのような苦労があり、どう対処していますか。

音楽部 秋山さん
音楽部
秋山さん

ステージ系クラブは「話し合いのクラブ」とも言えます。さまざまなセクションがあり、配役オーディションもあるので、対立もあれば食い違いもある。ですから都度話し合いが必要になります。

英語劇部 平林さん
英語劇部
平林さん

1つのミュージカル作品へのイメージが個々人で異なるので、こうしたい、ああしたいと意見が割れてしまうことがよくあります。英語劇部は先輩方が後輩の意見を積極的に取り入れようとしてくださいますし、取り入れられなかったとしても意見を出したことに喜んでくださるので、後輩がどんどん意見を出せる雰囲気がありますね。

ダンス部 小林さん
ダンス部
小林さん

高2の仲間とは本音を言い合える分、意見をまとめるのが大変です。そんなときは一つひとつの意見にメリットとデメリットを挙げて、客観的により良い案を導き出せるようにしています。また、下級生は先輩が大勢いる場では本音をぶつけることはなかなかできないので、後輩のために一対一になれる場を用意して意見を気兼ねなく言えるようにしています。

本番

ステージを降りてプロデュースする立場へ 最高学年の挑戦

高1までと、高2での役割や意識の違いを教えてください。

英語劇部 平林さん
英語劇部
平林さん

昨年は「自分らしさを投影した役を演じて観客に届けたい」という思いがあり、半年かけて一つの役を磨き続けてきました。今年は一歩引いた立場で全体を見ているからこそ、「作品を良いものにしたい」という思いを抱いています。

音楽部 秋山さん
音楽部
秋山さん

演者は最高のパフォーマンスを披露することが使命なので、高1のときは技術向上や、観客へ思いを伝える方法を極めていきます。高2になると「どうすれば後輩を輝かせられるか」を考えて動くようになります。

練習風景
ダンス部 小林さん
ダンス部
小林さん

後輩が抱える思いを汲み取れるよう意識しています。例えば、配役はダンスの技術だけでなく、作品に合う要素を持っているかどうかも影響します。だからオーディションで役をもらえず落ち込んでいる後輩には「今回選ばれなかったのは決してダンスが下手だったからじゃないよ」と声をかけたりしました。

皆さんにとって後輩はどのような存在ですか。

3人
3人

かわいい存在です!

英語劇部 平林さん
英語劇部
平林さん

ときには厳しく意見しなければいけないときもありますが、頑張ってアドバイスに応えようと努力する姿を見ると本当に愛おしくなります。

音楽部 秋山さん
音楽部
秋山さん

音楽部ではセクションごとの縦のつながりが強く、第二の家族のよう。高2がお父さんお母さん、高1がお兄さんお姉さんで、中学生はかわいい子どもです。

ダンス部 小林さん
ダンス部
小林さん

ダンス部では高2が担当の後輩を持つ伝統があり、人選は高2生が行います。担当の後輩は我が子のような存在になり、「うちの子は~ができるようになったよ」と話したりします。私を担当してくださった先輩とは一緒にご飯を食べたり、後輩の指導について相談したりと、卒業後も関係が続いていますね。

演技指導

先輩・後輩ともに深い絆で結ばれていることがうかがえます。

英語劇部 平林さん
英語劇部
平林さん

先輩が偉大だったので、高2になった今、「先輩が教えてくださったことを実現できているだろうか」と不安になることがあります。先輩方が引退される際、来年トップとなるにあたっての引継ぎの場で、学年ごとの接し方を細かく教えてくださって、それを聞くと、いかに先輩方が後輩をしっかりみてくださっていたかが分かります。

音楽部 秋山さん
音楽部
秋山さん

私もプロデュースする立場になったとき、先輩と同じようにできるのかと心配になりました。でも、そうした不安を払拭してくださるのも先輩なんです。夏休みになると、大勢のOGが来校してアドバイスしてくださるので、「私たちらしい舞台をつくろう」と頑張れます。

ダンス部 小林さん
ダンス部
小林さん

舞台をプロデュースするのは初めての高2生に、先輩方は足りないところを教えてくださいます。また、私たちの指導ではあまり変化のなかった後輩が、先輩方に見ていただくと、すごく良くなったりするんです。こんなとき、「卒業生も関わって楓祭のステージはつくられていくんだな」とつくづく感じます。

イベント日程

イベント名 日時 備考
楓祭 2022年10月21日(金)・22日(土) 限定公開。受験希望者は予約制(予定)
学校説明会 2022年11月5日(土)
①10:00~ ②13:30~ ③15:30~
(各回約60分、30分前から受付開始)
クラブの見学可。オルガン演奏あり。進路指導、ICT教育、留学報告について(予定)。内容は各回同じ。全学年対象、予約制
入試説明会 2022年11月26日(土) 9:00~11:00 出題方針や答案作成のポイント解説。面接や入試日当日の流れを説明。筆記・面接試験会場のモデルルームの見学可。小6生対象、予約制
クリスマス音楽会 2022年12月10日(土) 実施形態未定。詳細は学校公式サイトで発表

受験生へのメッセージ

3人
3人

東洋英和には、いつも音楽があふれています。朝の礼拝で讃美歌を歌ったり、昼休みになれば誰かがピアノを弾いて、その周りで生徒が歌っていたりします。そんな東洋英和にぜひ遊びに来てください!

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:東洋英和女学院中学部・高等部