創立100周年へ 瀧野川女子の挑戦

創立100周年へ 瀧野川女子の挑戦

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瀧野川女子学園中学高等学校(以下、瀧野川女子)では、創立100周年を迎える2026年に向けて校舎の大規模改修が進められています。卒業生、卒業生の保護者、先生のメッセージをご紹介しながら、“瀧野川女子で得られるもの”を探ります。

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可能性が花開く学校

高校から入学し、3月に卒業したMさんが学校生活について語ってくださいました。

Mさん:幼い頃から内気な性格で、小中学校時代は進んで人前に出ることなど絶対にありませんでした。「自分なんて」と思うばかり、毎日をなんとなく過ごしていたのです。そんな私が瀧野川女子に入学し、美術部の部長と文化部全体の部長を務め、改めて、自分でも驚くほど以前の自分とは正反対の自分へと成長したのだなと思います。
美術部員はみんな個性豊かで、自分の世界観を思い切り表現していました。仲間の作品に刺激されて自分の世界が広がることで、さまざまな絵を描くことができるようになり、さらに作品の完成度を上げることができたと思います。

Mさんと美術部の仲間たち
美術部の顧問と部員たち。

―――学校で巡り会えたのは、切磋琢磨できる仲間たち。

Mさん:協力して作品を制作することもあれば、仲間同士で競い合うこともあり、「負けたくない。自分も上に立ちたい」という感情が芽生えると、勉強にも自ずと身が入るようになりました。すると定期試験で常に好成績を収められるようになり、女子美術大学の指定校推薦を獲得し、美大入学という夢をかなえることができました。これからは学園が誇れるような卒業生として頑張っていきたいです。

―――部活動で育まれた自主性や向上心が夢を引き寄せたのですね。新しいステージでも頑張ってください。

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生徒の可能性を引き出す「創造性教育」

中学校から入学した卒業生Nさんのお母さまにお話をうかがいます。

―――保護者目線から見た学校の魅力は何でしょう。

お母さま:娘の中学校入学を決めた理由の1つは、6年を通して行われる「創造性教育」です。中学生が卒業論文を発表するプログラムをとても魅力的だと感じました。今思うと、発表したテーマが娘の目標や将来の夢となっていたようで、とてもいい機会を与えていただいたと思います。
また、高校では「商品企画コンペティション」「事業化実習」があります。この経験で身につけた創造性と起業家精神、高いプレゼンテーション能力は、これからの人生で何よりも大きな力となるはずです。

事業化実習の一環で実施したハワイ大学でのバザー
事業化実習の一環で実施したハワイ大学でのバザー。

―――キャリア教育や社会で必要とされる能力の育成など、多様な要素を含む「創造性教育」は、学校が誇る独自プログラムですね。ありがとうございました。

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創立100周年、その先を見据えて

今や私立校の教育の定番となった「ICT教育」。受験生保護者の学生時代には存在しなかっただけに、内容はどこも同じだと思っていませんか? 瀧野川女子では、学校では珍しく「iPad Pro12.9」「Apple Pencil」を中高入学生全員に配布。A4サイズのiPad Pro12.9は画面が大きく、Apple Pencilは既存のスタイラスペンに比べてペン先が細いため、生徒はノートに字を書く感覚でタブレットを利用できます。さらに今年の新入生には、4Kカメラを搭載し、従来品より軽くなった新型のタブレットが配布されました。
そんな瀧野川女子のこれからについて、理事で副校長の山口龍介先生にうかがいます。

―――校舎改修にはどんな狙いがありますか。

山口先生:世界最先端の教育をもっと自由に効果的に行えるようにすることです。すべての教室を、生徒のタブレットと複数の大型ディスプレイを連携させた新しいコンセプトの教室“黒板の無い教室”にします。これにより、先端技術を使って新たな発想を育めるうえに、従来の2、3倍の教育効果が見込めます。加えて、プレゼンテーション・プロモーション映像制作・プログラミングに重点を置く「情報」や、創造性と起業家精神を育む「創造性教育」という中学からの必修授業の効果をさらに引き出します。もちろん4Kの映像制作やゲームプログラミング、ロボット作りを行う「Macルーム」「創造性工房」も進化しますよ。

最先端のICT教育によって実現している「黒板の無い授業」
最先端のICT教育によって実現している「黒板の無い授業」。
1人1台iPad Proを配布する最先端教育 ≫

―――配布されるタブレットの機能を存分に活かせる環境ですね。他にも、瀧野川女子として目指している姿はありますか。

世界中のどこへ行っても自信を持って振る舞い、周りに幸せを広げていける“大人の日本女性”を育てるためのよりよい環境の実現です。そのために「礼法、華道、茶道」は必修としています。日常的に伝統に触れ、日本女性として大切な心遣いや立ち居振る舞い、その背景にある精神性を受け継いでもらいたいですね。

和室
「弓馬術礼法小笠原流、古流松藤会、江戸千家の先生にご指導いただき、皆で楽しくしっかりと学んでいます」(山口先生)
グローバル社会だからこそ必要な伝統作法 ≫

―――今後の展望を教えてください。

山口先生:本校では、生徒が社会の中核を担い始める30歳くらいの世の中を考えて、常に教育プログラムを開発しています。生徒が未来の社会で活躍、そして貢献でき、自分のやりたい仕事と人生を手に入れられるように、100年後も変わらず最先端の教育プログラムの開発に全力を尽くしていると思います。

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編集者から見たポイント

先行き不透明な時代でも、自信を持って社会へ、そして世界へ飛び立てる力を育成する瀧野川女子。山口先生のお言葉からは、先端技術を積極的に取り入れながらも伝統の大切さを忘れない学校の姿勢が見て取れました。次回は在校生の声をお届けします。お楽しみに。

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