グローバル社会でチャンスを手にするための英語教育

エレーナ先生と山口先生

inter-edu’s eye

国際教育に力を入れている瀧野川女子学園中学高等学校(以下、瀧野川女子)では、英語科教員の半分がネイティブの先生です。全てオリジナルの英語プログラムの中には、英会話だけでなく、文法などの英語の授業も全てネイティブの先生によって、オールイングリッシュで行うプログラムなど、欧米に留学しているのと変わらない学習環境が用意されています。ネイティブの先生はどのような思いで授業を進めているのでしょうか。また、どのような授業が行われているのでしょうか。今回は、カリフォルニア大学バークレー校出身のエレーナ先生と、副校長の山口龍介先生との対談が実現。瀧野川女子の英語教育に迫ります。

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ネイティブの先生による習熟度別の英語授業

エレーナ先生

インターエデュ(以下、エデュ):エレーナ先生はどのようなきっかけで来日されたのですか。

エレーナ先生:私の母が日系アメリカ人の三世で、日本の文化を聞いていつか来日したいと思っていました。母が歩んできた歴史やルーツを聞いて、日本とアメリカの両方にある自分自身のアイデンティティを知りたくなり来日しました。

山口先生:エレーナ先生の思いは、ハーフや外国籍や帰国生など、複数の文化的背景を持つ生徒たちにとってもプラスに働いていると思います。生徒たちが表現したい思いをエレーナ先生が受け止めて、フォローしてくれているので助かっています。

山口先生

エレーナ先生:多くのアイデンティティを持つ生徒たちには、私の経験を活かして、メンタル面でもサポートしていきたいと思っています。また、コミュニケーションを取るためには思いや考えを相手に伝えることが大切であり、かつ温かみのあるものにならないと会話は成り立たないと思っています。英語授業を単なる勉強としてだけでなく、自分を表現してもらうための時間にしてほしいです。そして、英語だけでなく言語の背景にある文化を学び、表現して、国際社会で成功してほしいですね。

山口先生:瀧野川女子では、英語教員の半分がネイティブの先生でチーム一体となって指導しています。初歩段階の授業は日本人の先生が主に英語を話すための道具を準備して、エレーナ先生をはじめとしたネイティブの先生が実践的に英語を使う練習をしていきます。そして学年が上がるごとに、ネイティブの先生によるディベートや高度なライティングなどの割合が増えていきます。

授業のようす1

エレーナ先生:特進選抜クラスの「ハイレベル英語」授業は、高1のネイティブレベルの生徒2名に対して、私が単独でオールイングリッシュの指導を行っています。アルファベットの並び替えで単語を作るクイズを生徒同士で出し合うなど、リラックスして学べるように授業を進めています。その後はジャーナル(記事)を声に出して読むことで、リーディングとスピーキングを意識しています。さらにTEDのプレゼンテーション動画を見て、リスニングや話者の文化背景を学ぶという流れでした。

山口先生:このクラスの生徒は、授業の全てがネイティブレベルの英語で行われており、欧米に留学しているのと同様の総合的な英語学習ができています。このような授業を含めて、全てオリジナルの英語プログラムが用意されており、中1から英語を学び始めた生徒も、高1になる頃には臆することなく英語を話せるようになっていますね。高校からの入学生も、それぞれの英語力に合わせたプログラムで着実に力をつけていっています。

授業のようす2

エレーナ先生:瀧野川女子では、英語以外の先生方も英語を普通に話しますし、クラブ活動などでも日常的に英語が使われて、苦手意識をもっている生徒でも楽しんで会話に入ってきてもらえるように工夫しています。

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ハイレベルな英語授業で海外大進学希望者も

授業のようす3

エデュ:ネイティブの先生が増えたことで生徒に変化はありましたか。

山口先生:やはり日常的に英語での会話に触れる機会が増え、英語が特別なものではなくなったことです。結果として、海外大学への進学を視野に入れる生徒の数が増えたと思います。学園の独自設置科目である「創造性教育」の効果もあり、生徒たちの意識は確実に世界へと向いてきています。

エレーナ先生:他のネイティブの先生方も個性が光っていますし、日本人の先生方ともしっかり協力して、生徒にもっと世界に向かって挑戦していく方向へと指導ができていますね。

授業のようす4

山口先生:職員室では担当教科に関係なく日本人の先生とネイティブの先生が仲良く英語で話しています。当たり前のように英語が飛び交っているので、生徒も英語を話しやすい環境にあると思います。

エレーナ先生:廊下ですれ違う生徒たちとは英語で会話を楽しんでいますよ。授業でも話す機会をなるべく増やすようにしています。

山口先生:国際教育を進めていくなかで、帰国生ではない生徒たちも「ハイレベル英語」授業に参加することを目標にして、より一層のチャレンジをしてほしいと願っています。

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編集者から見たポイント

今回取材した英語授業では、学術用語や概念的な表現が多用されている動画を理解している生徒たちの姿が印象的でした。その一方で、教室を離れればネイティブの先生と生徒が談笑している様子も見られました。瀧野川女子では、英語を身につけるだけでなく、その文化的な背景を理解したうえで、気持ちを表現することに活用したいと思える貴重な教育を受けることができます。

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