「黒板の無い教室」を提唱、時代の先を見据えた瀧野川女子の教育

時代の先を見据えた瀧野川女子の教育

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グローバル化時代のさらに先を見据えた教育改革がスタートして8年目。瀧野川女子学園中学高等学校(以下、瀧野川女子)は、国公立大や難関私大に合格者を輩出しており、着実に実績を積み上げています。そして、この秋には、新たに最先端のICT(情報通信技術)を駆使した「黒板の無い教室」を提唱して、更に最先端教育への取り組みを加速させています。その瀧野川女子が目指す教育について、ロボット創造学という異色の専門分野出身の山口龍介副校長にお話をうかがいました。

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今の社会に求められている“教育”とは

山口龍介副校長

社会で働く上で求められることが、ここ10年くらいで大きく変わってきました。加えて、多くの研究者が指摘しているように、あと10年もしない内に技術の進歩によって多くの仕事が無くなり、生徒達の半数近くが今はない仕事につくほどに、変化は加速していくと言われています。英語一つとってみても、日常的に仕事で使う割合が飛躍的に増えており、これから更に増えることが予想されます。

このような社会が求める人物像の変化の中で、最大の変化は「まだ世の中にはない、多くの人が欲しいと思う新しいものをチームで作り出せる人」が広く求められるようになってきていることです。私たち日本の中高が直面している2020年の大学入試改革や、学習指導要領で求められている、主体的、能動的な学習やアクティブラーニングなどの背景には、このような育てるべき人物像の大きな変化があるのです。

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瀧野川女子学園の教育の根幹

将来、より社会で求められる人

私たちは、自分たちの理想とする教育を実現するために試行錯誤しながら、新しい教育プログラムを形にしていきました。その際に、求める人物像に向けて育むことを図に示すような三層に分けて考えてきました。「自分がやりたいことへの情熱」「そのために有用な考え方」を育むことは、私たちの学園が創立された目的そのものであり、当時から最大の強みとして存在していました。先生たちが生徒と共に考え、共に学び、共に成長を喜ぶ中で、その生徒ならではの好きなことや得意なこと、そして情熱を引き出し、その人ならではの力を引き出すことが教育だと考え、実践してきました。

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創造性教育の集大成「事業化実習」とチャンスを手にするための英語

事業家実習のようす

創造性と起業家精神を育むことを目指して、中学1年から高校2年までの必修科目で、学校独自設置科目の「創造性教育」を2015年から始め、これと連携する、「奄美大島冒険旅行」や「伊勢歴史旅行」、「ハワイ諸島修学旅行」など多様な校外学習を新たに創り上げました。この一連の教育の集大成が、高校2年全員が取り組む「事業化実習」です。クラスの仲間15名と出資金を募り模擬企業を立ち上げ、マネジメント、財務、マーケティング、生産など責任を分担して、オリジナルの商品を開発し、自分たちの手で作り上げ、学園祭で一般の方に販売する。その収益の一部で商品を再生産して、ハワイ大学でチャリティバザーを開催し、自分たちの商品を英語で販売し、その売り上げを教育基金に全額寄付してくる。帰国後、決算をまとめて株主総会を開き、会社を解散する。生徒たちはチームメイトと楽しみながら、起業することや会社の中で新しい事業を立ち上げる一連の流れを体験的に学んでいきます。高校2年と言う将来に向けて進路を考え始める時期に、模擬社会を経験することで、どのような専門を学ぶべきか、深く考えるようになります。

世界には70億人以上の人がいますが、リーダー層である大学を出た人々の殆どは英語が話せます。相手がどこの国の人であろうと、英語が話せれば、一緒に仕事ができるチャンスを手にすることができます。英語学習に最適な10代中盤で、それを肌感覚で知ることができれば、意欲は格段に違ってきます。ネイティブの先生と日本人の先生が同じ人数いる英語科の取り組みと合わせて、学校の勉強だけで英検準一級を取得する生徒が現れるなど、着実に生徒の英語への意識も上がってきています。

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ICTを活用した新たな学び方

ICT機器を活用した授業のようす

お話ししてきたような新しい教育を行うためには、より高度で、無駄がなく、もっと自由な考えを引き出す授業方法が必要です。そのために「教育のICT化」に2010年から着手し、2016年からは全生徒、全教員が一人1台のiPadPro12.9とApple Pencilを使い、全校全教科を挙げて進めてきました。その結果、教科によって異なりますが、授業の進むスピードが最大で約2倍に上がり、かつ、難易度を変えずに行った定期テストの平均点が10%以上アップし、かつ、多くの生徒が学校や授業が楽しいと言ってくれるまでになりました。

私たちのICT化された教育の最大の特徴は、先生と生徒たちが集った、教室と言う場所の長所を劇的に進化させた、授業スタイルにあります。テクノロジーの力を使い、先生が生徒たちの会話や考えを引き出しながら、生徒たちの手でどんどんと高いレベルまで学び取っていく姿は独特です。A4サイズのiPadProと、鉛筆と変わらず滑らかに極々自然に手書きができるApplePencil、そして、クラウドを使ったリアルタイムの協働学習が加わったことで、50分の授業時間中の殆どの時間を自分で考え、手が動き、会話しながら進む授業スタイルが可能になりました。

全校生徒がICT活用の恩恵を受ける最先端の教育とは ≫

「黒板の無い教室」

私たちの学校では、もはや黒板は殆ど使いません。
なので、黒板の無い教室を作ってみました。黒板が無くなることで、もっと自由自在に新しい授業の開発ができると考えています。黒板が無くなった代わりに、教室中の壁は自由に書き込める壁に変わり、先生と生徒が自在に、発表、表現できるクラウドに繋がる大型ディスプレイが加わりました。生徒たちが常に持っている4Kで映像制作が可能なiPadProに加えて、文部科学省の助成を受けた、プロ仕様の4K映像制作が可能な教室や、4K対応の3つのシアターが既に出来上がっています。

なぜ、このような部屋ができたかについては次の機会にお話しすることにしますが、もちろん、目的は一つ。生徒たちが10年先の世界に飛び出した時に、活躍貢献するための力を中高のうちに身につけるためです。ご期待ください。それでは、また次の機会に、皆様ごきげんよう。

「黒板の無い教室」が可能にする“全員参加型”の授業 ≫

編集者から見たポイント

瀧野川女子が7年の年月を費やして築き上げた教育改革。山口先生をはじめとする先生方の教育に対する熱い思いは生徒たちに伝わり、希望の進路をかなえるという理想の形になってきているようです。本当に、瀧野川女子で自分の望む人生を手に入れることができるかも知れません。生徒たちの卒業後の活躍が今から目に浮かぶようです。

学校説明会・イベント日程

イベント 日程
中学入試チャレンジ(2科・4科・グローバル方式) 11月17日(土) 13:30~
中学入試チャレンジ解説会 11月24日(土) 9:30~
中学校説明会、個別相談会 12月1日(土) 13:30~
中学入試チャレンジ(2科)&解説会 12月15日(土) 13:30~
中学校説明会、個別相談会 2019年1月12日(土) 13:30~
中学校説明会、個別相談会 2019年1月19日(土) 13:30~

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