国際バカロレアが切り拓く新時代の女子教育

夢への第一歩を踏み出した卒業生からのアドバイス

inter-edu’s eye

自主自律を建学の精神に掲げ、人間力を伸ばして社会に貢献できる心豊かな女性を育てる東京家政大学附属女子中学校・高等学校(以下、東京家政大附属女子)では、時代にふさわしい新たな教育が次々とスタートしています。その学び方の魅力について、学校長の篠澤文雄先生と中1学年主任の根岸一真先生、さらに中学の新入生の皆さんのコメントを通してご紹介します。

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中学で始まった総合探究の授業

学習指導要領の改訂により、高校は2018年度、中学は2021年度から正式に「総合的な探究の時間」(以下、総合探究)として、教科・科目等の枠を超えた横断的・総合的な学習を通した学習が導入されることになりました。東京家政大附属女子では、全国一斉に始まる中学校での総合探究に先駆けて、既に授業が開始されています。

篠澤先生
学校長の篠澤文雄先生。
根岸先生
中1学年主任・国語科の根岸一真先生。

総合探究の目的や具体的な活動例を教えてください。

篠澤先生:私たちは今、答えのない問いに対して、いかに本人なりの答えを見つけていくかが問われる世界に生きています。総合探究では、生徒自身が疑問を持った事柄を調べ、わかったことやたどり着いた結果を説明できるようになり、他者に働きかけられるようになることを最終的な理想形としています。

根岸先生:まずは「実際にやってみる」ことを大切にしているので、教室の中で調べた内容について、実体験してみるために学校の外に出ることを推奨しています。近隣の区にどんな歴史背景があって発展してきたのかを調べたり、併設大学の先生方にインタビューするなど、生徒が今までにやったことのない体験が本校の総合探究の第一歩です。教科書や書籍、インターネットからの受け売りではなく、自分で調べたいことを探究しながら、いろんな考えや見方があることを知ってもらいたいですね。

篠澤先生:そこから導き出したヒントを発展させて自身の経験や知識から判断できるようになるには、情報リテラシーが必要となります。また、修学旅行や海外への語学研修を通して、広い視野を持つことも大切です。そのためにも、英語をツールとして世界を知るために、オンラインでネイティブスピーカーと英会話を体験する学習を導入しました。

根岸先生:中1は「私と家政」をテーマに、毎日を過ごす身近な環境としての学校と生徒自身の関わりについて考えます。中2は「鎌倉探訪」を通して日本の歴史や文化を知り、現代につながる私たちの生き方に思いを馳せます。中3からは「世界を知る」ために、海外修学旅行を中心に世界を意識した学びを実践していきます。学年を重ねていくごとに、自分だけのテーマを持って調べていく学び方にシフトしていきます。

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IB MYP候補校としての学び方

国際的な視野を持ち、生涯学び続けながら世界に貢献する全人教育を実践するIB(国際バカロレア)教育。東京家政大附属女子は、MYP(中等教育プログラム)候補校として、現在認定校を目指し、21世紀型スキルを身につける教育に取り組んでいます。

IB候補校としての環境整備や学習体制の変化について教えてください。

篠澤先生:本校の教育理念である「愛情」「勤勉」「聡明」と、IBが求める10の学習者像とが一致していたことが導入のきっかけとなりました。IBの学習では中1から10の学びの方法(ATLスキル)を段階的に身につけることによって、自主的学習者として「生涯学び続ける人」となることを目指していきます。今後は、大学進学が学びのゴールではなくなり、学習そのものを再定義して指導法を変えていくことが求められるため、本校の教員も毎月の研修でIB教育の実践法を学んでいます。さらに、従来の進学型プログラムの充実とともに、DP(ディプロマ・プログラム)への方向性も模索しています。

篠澤先生と根岸先生

IB校に認定された後の学習計画を教えてください。

根岸先生:私が受け持つ国語科では、普段から話し合いで意見交換する授業を実施していたので、IB校となってからの勉強量に大きな変化はありません。IB教育が定めているスキルを、各教科で必要とする具体的な目標として明示するようになりました。さらにIB教育は、教科を横断した学びを通して自分を客観的に認識する力(メタ認知能力)を伸ばすことを重視しています。
これまで以上に発表内容や論文などの成果物で評価をすることになりますが、ルーブリック(評価指標)を提示することで、生徒自身と教員の間に生じる評価のズレを明らかにし、必要とされる学びについてより一層理解できるようになります。今後は、教員と保護者間での情報や認識の共有を強化していきます。

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未来を築く女性の役割

創立139周年を迎えた東京家政大附属女子が積み重ねてきた女子教育の意義や在り方、受験勉強に臨む際の心構えについてもお話をうかがいました。

貴校が女子教育にかける思いについてお聞かせください。

篠澤先生:困難な社会情勢のなかで、学校とはどういった場所なのか、どのような女子教育が必要とされているのかを再定義した結果、本校が最も大切にしているのは「人」という結論に至りました。さまざまな個性や特長を持った人が集まり、みんなが一緒に学ぶ中で成長していきます。現実の社会では、女性が活躍する余地がまだまだ限られているように感じます。しかし、これからは女子教育の必要性が高まると信じています。既成概念に囚われず、世界を舞台に自らの道を切り拓いていくための力を伸ばす教育を推し進めていきます。受験生のみなさんも、どのような女性として成長していきたいのかを考えて学校選びをしてほしいですね。

中学受験への心構えをお願いします。

根岸先生:受験は得点そのものよりも頑張る行為そのものが大事だと考えています。小学校や塾で学んだ限られた知識をどれだけ活用できるか。それらに対する理解力に個人差があっても構いません。ただし、必要なタイミングでどれだけ本気で自分と向き合えるかどうか、頑張れる力が中学受験で問われるのです。本校では全教員が頑張るみなさんを応援していますので、希望を持って受験に挑んでください。

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学校スタートを喜ぶ中1生の声

6月からようやく登校がスタートした中1生のみなさんから、学校での過ごし方やこれからやってみたいことについてお話しいただきました。

学校ではどのように過ごしているか教えてください。

Y.Cさん:今ではみんな一緒に授業を受けられて安心しています。分散登校の時はクラスメイトの半分としか顔を会わせる機会がありませんでしたが、みんなが声を掛けてくれるので、クラスメイトの優しさを感じます。授業ではタブレットを活用して話し合うことが多く、自分の意見を発表することが求められるのでしっかり取り組んでいこうと思います。

Y.Cさん

H.Wさん:休み時間に友だちと共通の話題で話すのがとても楽しいです。時には自分が知らなかったことを経験している同級生の存在に刺激を受けています。それに、小学校で受けてきた授業と異なり、電子黒板でスライドを使って学ぶことが多く、教科書には載っていない内容を学べて面白いので、これからの勉強に期待しています。

H.Wさん

M.Wさん:社会の授業では、先生が体験した話でわかりやすく教えてくれるので面白く勉強することができました。教科書だけでなくいろんな資料を使う、先生独自の工夫が伝わってきました。私は暗記する勉強法が苦手で毎日の勉強を少しずつ進めていくタイプなので、忘れずに予習をして授業に臨んでいます。

M.Wさん

これからの目標や学校の良いところを教えてください。

Y.Cさん:ネイティブの先生が3名いるので、きちんと勉強をしていろんな国の言語を話せる外交官を目指していきたいです。入学してから思ったのは、のびのびと過ごしながら勉強できるという点ですね。中学受験は塾に通ったりドリルをこなすだけでなく、ICT機器を使ったアプリでも勉強できるので、自分に合った勉強法で頑張ってください!

H.Wさん:小学校の頃と比べて、グループで活動することがとても多くなったので、せっかくなら学年全体で意見交換するような活動にも参加してみたいです。探究学習で「家政探検」という授業があり、出題されたクイズの答えを探すためにキャンパス内を探検しました。IBの勉強は、一つの目標だけでなく幾つもの目標があるので、楽しくチャレンジできますよ!

M.Wさん:学校行事では運動会のリレー選手に立候補したり、部活動や体育の時間でも頑張ってみたいです。本校は、たくさんの人と関わりながらコミュニケーション能力を鍛えたり、さまざまなことに挑戦できる学校ですので、受験の期間は生活のリズムを守って健康に気をつけながら乗り切ってください!

ランチルームが大人気で緑豊かなキャンパス ≫

編集者から見たポイント

総合探究のみならず、IB校の学びによって進化の過程にある東京家政大附属女子の魅力の一端をご紹介しましたが、教育内容はもちろんのこと、首都圏のどこからでも通学できる交通アクセスと緑豊かなキャンパスを誇ります。参加組数に制限はありますが、授業や施設を見学できる学校説明会が開催されていますので、ぜひとも参加いただいて環境面の良さも確認してみてはいかがでしょうか。

イベント日程

イベント名 備考
第2回 中学校説明会 2020年9月20日(日)
9:00~16:00
【内容】動画配信+個別見学・相談会
第3回 中学校説明会 2020年10月17日(土)
14:00~16:00
第4回 中学校説明会 2020年11月22日(日)
10:00~12:00
第5回 中学校説明会 2020年12月20日(日)
10:00~12:00
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