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増えるライバル 中学受験で御三家・最難関校合格を目指すには

inter-edu’s eye

中学受験をする児童の多くが塾に通い始めるのは小学3年の2月。しかし、誰もがそこから準備を始めるわけではありません。中学受験を取り巻く状況を見つめ直し、御三家・最難関校合格を狙うとはどういうことなのか、一緒に考えていきましょう。

右肩上がりの中学受験者数

長いコロナ禍、少子高齢社会、物価上昇と暗いニュースが続く昨今でも、首都圏での中学受験者数は増え続けており、2023年度も記録を更新しています。コロナ禍収束の兆しからイベント制限は緩和され、中学受験関連の催しは大盛況。小5、6年だけでなく低学年の児童を連れて参加する家庭も増えており、加熱状態が続いていることがうかがえます。
また、受験の低年齢化で小学校受験も盛り上がりを見せています。6年後を見据えて私立小を選ぶ家庭も多く、私立小に通う児童の多くは中学受験時には同じ土俵に立つライバルとなります。

エデュおすすめの模試

小3対象最難関模試 小4対象最難関模試

東京都が助成金 増えるライバル

もはや特別ではない

首都圏において、中学受験に対する印象は変わりつつあります。『エデュナビ』の記事「中学受験、世帯年収いくらで私立中高一貫校は可能なの?」では、中学受験を目指す家庭を対象にしたアンケートを実施。すると、“私立中高に通わせるなら年収1,000万以上”という俗説に反し、結果は世帯収入1,000万以下の家庭が44.2%と約半数を占めていました。
学費は聖域と言われ、「わが子のためなら」と家計が厳しくても優先する家庭は多いもの。とはいえ、受験学年に向けてかさんでいく塾費用や、中高6年間の学費を考えると躊躇する家庭もまた多くあります。

勉強をする子ども

世間を驚かせた東京都の方針

そんななか、2023年度より東京都が私立中学校等授業料軽減助成事業を実施。東京都の私立学校を管轄する東京都生活文化スポーツ局のサイトでは、3月31日に「私立中学校に通う生徒の保護者の方の授業料負担を軽減するために、令和5年度から私立中学校等授業料軽減助成事業を実施いたします」と発表。1月、“新年度予算案に、私立中学に通う子を持つ家庭への10万円助成が盛り込まれた”というニュースは大きな話題となり、ご存じの方も多いことでしょう。こうした追い風を受け、世帯年収1,000万以下の家庭の中学受験参入がさらに見込まれます。
中学受験の“一般化”で受験生が増えるであろうことは必至。大学受験同様、中学受験もトップ校の顔ぶれは変わりません。母数が増えれば競争は激化し、御三家や最難関校合格を目指すことがより困難になるでしょう。

■参照元
東京都生活文化スポーツ局 私立中学校等授業料軽減助成金

特殊な中学受験 合格までの長い道のり

3、4年かけて取り組む中学受験は、まだ幼いわが子に大きな負担がのしかかります。そして、長い受験期間をどう過ごすかのハンドリングは親が担います。以前、インターエデュの座談会に参加した女子御三家に通う子を持つママは、「中学受験を始めた頃は習い事を3つかけもちしていましたが、学年が上がるにつれ、受験勉強との両立は無理だと判断しました。小4でスイミングを、小5の春に体操をやめ、ピアノのみ続けていたんです。それさえも中断すべきかと悩んでいたとき、当時の塾の先生から『ピアノが受験勉強のストレス解消になっているなら続けさせたほうがいい』とアドバイスをいただきました」と振り返ります。どんなに学力が高くても、受験当日までに子どもの心が折れてしまったり、やる気を失ったりしては積み上げた努力は水の泡です。
厳しい現実を理解し、それでも最難関校を目指すのであれば、わが子の学力を冷静に分析し、ストレスを軽減する環境づくりを意識しながら、合格というゴールに向けて何をすべきかマイルストーンを設定していくことをおすすめします。

小3・小4対象 最難関模試

現時点での力を客観的に把握

受験生が立ち位置を知るために活用するのが模試です。そのなかで、筑駒・御三家・早慶を目指す受験生が、小学校中学年時点で到達しておきたいレベルを知るための模試にTOMASの小3、4年対象「最難関模試」があります。早い段階から最難関レベルの問題に触れることで、現在の学力を把握し、さらに思考力と表現力を伸ばすことを狙いとしています。なぜ思考力と表現力を伸ばせるのかというと、出題内容が最難関中学専門の個別指導塾Spec. TOMASのカリキュラムに基づいており、そのカリキュラムは、低学年の段階から自ら考え、自由に思考できるように構成されているからです。
最難関中学入試で問われることについて、森上教育研究所所長・森上展安先生は、「中学入試、特に最難関中入試においては、新学習指導要領に言う『探究的な学び』を促すような工夫が見られます。そうした傾向をふまえて作成された模試を受験することで、来年度以降の入試対策の手がかりがつかめるはずです」と語ります。
最難関模試の受験は無料で、会場は東京、神奈川、千葉、埼玉にあるTOMAS29校から選べます。成績優秀者はSpec. TOMASの入室テストが免除されます。

勉強のようす

各学年の出題範囲

小学3年生

国語30分/算数30分

国語 漢字の読み書き、部首、漢字の音読みと訓読み。春の言葉、文学的文章の読解、説明的文章の読解など
算数 整数の四則計算、単位換算、規則性、平面図形、場合の数など
実施日 2023年6月25日(日)
申し込み締切 2023年6月13日(火)13:00

小学4年生

国語40分/算数40分

国語 漢字の読み書き、暦の知識、部首、同音異義語、文学的文章の読解、説明的文章の読解など
算数 整数の四則計算、平面図形の求角と求積、約数・倍数、規則性、場合の数、特殊算など
実施日 2023年6月25日(日)
申し込み締切 2023年6月13日(火)13:00

専門家のアドバイスでマイルストーンを設定

TOMASの最難関模試の特徴には、思考力や表現力を磨く問題に触れられることのほかに、試験後の個別カウンセリングがあります。個別カウンセリングの相手は中学受験に長年携わってきたベテラン講師。保護者は点数や偏差値の数値に目が行きがちですが、ベテラン講師は模試の結果から冷静に児童の特徴や弱点、傾向を分析し、今後の勉強法や対策を指南します。この分析はマイルストーンを定めるときの貴重なアドバイスになることでしょう。

専門家のアドバイスのようす

前出のママは、中学受験を始めたときは親子ともにトップ校を目指すつもりはなかったそうです。受験期を振り返り、「わが子が通っている塾のテストや模試だと試験のパターンが似ているし、受ける子も毎回同じなので、順位や成績にあまり変化が見られませんでした。そうしたとき、他塾の模試を受けると子どもの意外な弱点に気づくことができましたね。もし中学年で実力を試す機会があれば、“御三家を目指そう”という気持ちになれたり、“ちょっとは素質があるのかな”と思ったり、早い時期から親が意識して動けるメリットがあると思います。また、第三者の意見を聞くことは意味があるし、いつも接していない方の意見を聞くことで、通っている塾の先生のおっしゃることに納得できることもあると思います」と語っていました。
御三家や最難関中学を目指す覚悟が早ければ早いほど、合格をたぐりよせる術は増えそうです。

編集後記

わが子の学力を把握し、長いスパンで考えることと短いスパンで目指すことを整理していけば、親子ともに無駄なストレスが減り、やるべきことに集中できるはず。長い受験期間を価値あるものにして、合格を勝ち取りましょう。

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:リソー教育