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Z会進学教室の教室長による特別座談会 前編

中学受験を成長のチャンスに変える「最高のプレゼント」とは 座談会に集まってくださった4名の先生方

松尾秀祐先生

成城教室教室長
担当教科:数学

指導モットーは「すべてを教えすぎず、好奇心を持たせる」

山形祥大先生

渋谷教室教室長
担当教科:国語

心が伴って学力は育つ。苦手が得意になることを通して、自信をつけさせます。

鈴木亮介先生

調布教室教室長
担当教科:国語

「やる気」に依存せず、仕組みで課題解決がモットー。

岡田久典先生

立川教室教室長
担当教科:英語

「問題だらけの世の中でも、本気で生きる価値がある」熱い思いを胸に生徒と向き合います。

inter-edu’s eye

「不合格だったらどうしよう……」中学受験に挑む我が子を応援していて、不安にならない保護者は一人もいません。でも、お子さまの長い人生はスタートしたばかり。どんな結果でも、中学受験の経験をプラスに働かせる方法もあるはずです。その答えを求めて、今回はZ会進学教室の教室長による座談会を開催しました。「無理のない中学受験対策カリキュラムを実践している」「失敗した経験のある子を受け入れ、伸ばしている」との評判どおり、子どもに寄り添うヒントがたくさん得られました。

小6で「大学受験につながる勝負」
ができるメリット

まずは、中学受験を今後の糧にする方法を探る前提として、プロから見た「中学受験のメリット・デメリット」についてお話しいただきます。

山形先生

山形先生

最初に挙げるとすれば、早い段階で大学受験につながる経験ができることですね。はじめて中学受験の指導をしたときは「センター試験レベルの問題が出てる!」と驚きました。
今の共通テストも、公立中高一貫で出題されているようなことが下敷きにあると感じます。

松尾先生

松尾先生

確かに、大幅な知識の先取りもできますよね。中学2・3年生の学習範囲に踏み込むことも当たり前です。特に上位校の問題は深く考えさせる内容になっているので、慣れていけば中学校進学後の学習に活かせるでしょう。

鈴木先生

鈴木先生

上位校ほど、小学校レベルの「覚えたものをそのまま回答する」出題ではないため、自分で考える力、表現する力を伸ばせますよね。特に都立中など公立中高一貫の適性検査はその傾向が明確で、対策を進めているうちに、将来の進路を見出すこともできます。

岡田先生

岡田先生

皆さんがおっしゃるとおり、中学受験は貴重な「子どもが成長するチャンス」ですよね。ただし、夫婦間あるいは親子間の受験に対する受験に対する考えや熱量が違うままだと、子供も含めて家庭不和を招きかねません。

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中学受験の「黒歴史化」を
招くのは……言ってはいけない一言

メリットの多い中学受験。しかし、意図せず子どもの心に傷を残してしまうケースも……。

中学受験の失敗の典型例は、親が「絶対合格」というプレッシャーをかけてしまうことに端を発します。すると、不本意な結果が出た子どもは「あのときは本気じゃなかっただけ」という発想でプライドを保とうとします。その後に待っているのは、中学受験の「黒歴史化」です。親が触れられず、本人にとっても直視できないトラウマになってしまう。やがて、中学校に進学してから、学習に身が入らないという状況に陥ってしまいます。

岡田先生

中学受験について語る岡田先生
松尾先生

松尾先生

そういう受験はさせてはいけませんよね。12歳の子どもが合否を突き付けられるということはそれだけでも大きなショックなのですから。

山形先生

山形先生

特に保護者の方に気をつけてほしい「子どもへの大きなプレッシャーになる言葉」があります。それは、思ったように勉強をしないお子さんに対する「じゃあ、受験やめるの?」という一言です。これに対して「じゃあ、やめる」という子どもは一人もいません。上手く勉強に気が向かない子にプレッシャーをかけたくなるのはわかりますが、言葉で変えようとすればするほど、エスカレートしていくものです。結果として、このやりとりはただただ危機感と不安を煽るだけになってしまいます。

鈴木先生

鈴木先生

そうした声かけはすればするほど「勉強=苦行・罰ゲーム」という固定観念ができてしまい、逆効果になってしまいますよね。たとえ、中学受験が上手くいかない場合でも、小学生の段階で適切な学習習慣が身につけば、大きな財産になるのに……。もったいないことです。

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不本意な結果も
プラスに変える発想法は

不合格を受け入れて、成長の糧とするには? 親が持つべき発想、子どもとの接し方のヒントが語られました。

たしかに、中学受験をやるからには、「落ちてもいい」わけではありません。だからといって、本当に「落ちたら全部失敗」なのでしょうか。保護者の方には、子どもの成長を「幅で見る」発想を持っていただきたいです。その時々の点やクラスだけを見るのではなく、できるようになったこと、少しでも伸びたところを丁寧に認めてあげましょう。

山形先生

中学受験について語る山形先生
岡田先生

岡田先生

そのほうが、後々の成長につながるでしょうね。たしかに、私立中、都立中は、優れたカリキュラムと学習環境が備わっています。でも、子どもに合うかどうかは保証されていません。「地元の公立中には通わせたくない」そうした希望をお持ちのご家庭も多いです。でも、受験で選抜されていない同級生に囲まれて、多様性を肌で学ぶことができるかもしれません。なにが将来のためになるかは最終的には分からないですよね。

お子さまが中学受験で望む結果が得られなかった場合、「次こそはリベンジ」とはっぱをかけたくなるかもしれませんが、合否結果が全てのようにとらえないよう、注意したいところです。変わるタイミングが訪れれば、一気に学習姿勢が変わります。頑張るように締め付けるのではなく、小さなことから少しずつお子さまが主体性を発揮できるように接してほしいです。

鈴木先生

中学受験について語る鈴木先生
松尾先生

松尾先生

たとえば、「晩ごはんはなにがいい?」とか、日常的なことでも子どもに意思表示させていくことが大事だと思います。「なんでもいい」と言われても、本当はなにか希望があるかもしれません。そこを聞くように接してみるとなにかが変わるかもしれません。自分で考え、思いを伝える習慣は、いつかは思考力・表現力・判断力といった学力の基礎に変わリ、高校受験、大学受験につながるでしょう。

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子どもを前向きに変える
「最高のプレゼント」

子どもへの向き合い方をうかがううちに、Z会の先生方の姿勢も垣間見えてきました。

山形先生

山形先生

でも、子どもの意思を汲む、子どもの発言を待つのは大変ですよね。私も子育てをしていて、身をもって実感しています。だからといって、親が先に手を回しすぎると、成長につながる良い失敗をさせるチャンスを失います。Z会の先輩教室長が話していたことですが「子どもにとって最高のプレゼントは、話を聞いてあげること」という言葉が、今も胸に残っています。

鈴木先生

鈴木先生

ただでさえ子育ては大変ですよね。そのうえに学習の面倒まで見るのは、学年が上がるほど、ご家庭の負担も大きくなります。保護者が抱えているたくさんの悩みを少しでも減らすこと。それがきっと塾講師の使命だと思ってきました。

岡田先生

岡田先生

Z会進学教室では「学習のことは塾に任せて」と呼びかけています。学習に関して、親が過剰に指導するのは、子どもの幸せを願い、期待していることが災いして逆に良くない結果に陥りがちです。子どもの失敗も含めて、勉強したことを全肯定してあげることは親の立場からは簡単ではありません。だからこそ、塾などの第三者の存在が大きいです。

そうして自己肯定感を高めるのは、中学受験においても、中学受験の後においても、カギになりますよね。勉強以外にもやりがいを持てること、趣味や習い事で自分の成長を実感できるかも大きく影響しているのではないでしょうか。子どもたちを見ていてハッキリ見えることがありますね。

松尾先生

中学受験について語る松尾先生

自己肯定感には
「余白のある生活」を

子どもの自己肯定感とモチベーション。強い気持ちを支えるのは勉強以外の体験かもしれません。

岡田先生

岡田先生

松尾先生がおっしゃるとおり、「勉強以外の居場所」は欠かせません。私自身、子どもの頃に自分の意思とは関係なく、中学受験をした経験があります。でも、親を悪く思わずに済みました。なぜかといえば、昆虫の観察や絵を描くことに熱中できたからだと思います。

山形先生

山形先生

高校受験、大学受験に関しても「余白のある生活」を送った生徒のほうが最終的には強いですね。そういうところが、作業する力や好奇心を育んだり、立ち止まって深く考えたりすることにつながります。また、忙しい中だからこそ、スケジュールを管理する力も伸びていきます。Z会でも、中学生・高校生には「部活動はできるかぎり続けて」と指導していますよね。

編集後記

お子さまが伸びるきっかけにも、勉強に苦手意識を持つきっかけにもなる中学入試。実りある経験にするのは合否だけではなく、お子さまに大らかな気持ちで向き合うことなのかもしれません。

ここから座談会の話題は、Z会での指導経験を通して見てきた「中学受験の経験がある子どもたちの成長過程」に移っていきました。次回の記事公開日は6月24日です。

4人の先生方

Z会の教室(運営:株式会社Z会エデュース)は首都圏・関西圏・静岡県(三島)で小・中・高校生向けに開設されています。
中学受験生向けのコースは、「国私立中学受験」対策と「公立中高一貫校受検」対策があります。今回座談会を行った「Z会進学教室」では、東京・神奈川の公立中高一貫受検対策を行っており、小学6年生のみを対象に「1年間で仕上げる」ことが特色です。優れた合格実績を上げていますが、合否を超えた「【自ら考え、解決し、表現できる力】を養う」ことが最大の目標です。その思いは受講生にも届き、教室内の雰囲気がとても柔らかいことでも知られています。

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企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:株式会社Z会エデュース