東洋英和女学院 中学部・高等部掲載日:2014年3月11日

未来を元気にする女性を育てる「敬神奉仕」の精神 東洋英和女学院 中学部・高等部

inter-edu's eye

美しいオルガンの音色に包まれ、代表生徒のお話に耳を傾ける礼拝の時間。「神を敬い、隣人に尽くす=敬神奉仕」という聖書の教えを建学の精神とする東洋英和女学院 中学部・高等部で、わたしたちは日本の未来に元気をくれる生徒たち、そして教頭先生にお話をうかがうことができました。

キリスト教精神を、自然と吸い込める学校

「やりたいことを見つけ、それを実現するまで」の教育に留まらず、「自分で培った能力や立場を、他者のために役立てる」という生き方を大事にする東洋英和。教頭先生は、「そういう教えは『叩き込む』ことなく、学校生活の中で『自然と身につく』もの」とおっしゃいます。毎朝の礼拝や授業、数々の教育プログラムなど、生徒がキリスト教の精神を自然と吸い込めるよう用意された多くの機会。「キリスト教では、『無関心』が一番の罪。生徒たちは何にでも関心を持ってよく考え、自ら行動している」という教頭先生のお話どおりの東洋英和生たちに、わたしたちは出会うことができました。

東洋英和に根付く「奉仕」の心とは

1.“隣人愛”を届ける「被災地ボランティア」

自主的にボランティア活動へ参加した高校2年生
◆人を思いやり、幸せに気づける

Kさん(高校2年):人の役に立ちたい、でも何をすればいいかわからない。そんなとき、朝の礼拝で東日本大震災の被災地ボランティアに参加された先生のお話を聞き、「これだ!」と感じました。仲間と5人で春休みを使って被災地を訪れ、自然災害の脅威と、人の無力さを目の当たりに。「これからも現場へ出向いて、できることをしたい」と強く思いました。「続ける」ことが大事だと気付いたのです。
東洋英和では、普段から「隣人愛」という考え方が根付いています。生徒がお互いを思いやり合えるこの環境にいられて、とても幸せです。東洋英和生5年目の今、深く実感しています。

2.奉仕の精神と技術を学ぶ「ディアコニア活動」

◆こんなによろこんでもらえる

Rさん(中学1年):わたしは小学部から進学し、中学部で新しい友だちがたくさんできました。中学になって印象に残っているのは、目隠しで弱視の方に、重りで身体が不自由な方に思いを寄せる体験や、老人ホーム訪問を「ディアコニア活動」で行ったこと。これらの経験により、実際に足を悪くしている祖父との接し方が変わりました。少しの思いやりで、相手によろこんでもらえることを、実感しています。

中学1年生の2人
◆全体がやる気に満ちている

Mさん(中学1年):わたしは、東洋英和の先生や生徒の明るさに惹かれて中学から入学しました。「ディアコニア活動」では、人が乗った車いすの操作、そして自らの乗車を体験。少しの坂道を上るのがものすごく難しかったり、少しの段差でも「ガタン」という大きな衝撃が身体に響いたり、びっくりすることの連続でした。今では、駅などで車いすの方を見るたびに、自分に何ができるかを考えます

仲良しな2人にちょっと質問!

Q. 小学部からの内進生と中学からの新入生は仲良くなれますか?
A. 新入生入学後、自然とすぐに溶け込んでしまいます。内進生か中学からの新入生かなんて、普段はまったく気にしていないし、今では誰がどちらなのかもわかりません!

3.多くの“人生”に触れる「YWCA」の交流

YWCAの3人
◆5年間、続けてきてよかった

会長Tさん(高校2年):「YWCA(キリスト教女子青年会)」は生徒会と似た、任意のメンバー50人ほどの組織です。毎週金曜に集まり、「敬神奉仕」の精神のもと、手話や歌唱、施設訪問などを行います。文化祭では、手作りのビーズチャームを販売し、売り上げで購入した毛糸でマフラーを編み、被災地で畑仕事のお手伝いをさせていただいた方にプレゼントするという新しい試みも実行。活動の際、必ず礼拝からスタートするのも特徴の一つです。
始めて5年、活動を通してさまざまな方と出会い交流することができ、続けてよかったと実感しています。

手作りの楓ビーズチャーム
◆こんなふうに生きていきたい!

副会長Kさん(高校2年):「YWCA」での経験を通して、障がいを持っている方やハンデのある方、自分とものの見方が違う方など、いろいろな方と接しました。そして、誰でも一歩踏み込めば、いいところや、コミュニケーションの取り方が見えてくると知りました。将来就く職業に関わらず、誰とでもフラットな関係を築ける、そんな生き方がしたいと思っています。

◆活動を通して、自分が変わった

会員Aさん(高校2年):「YWCA」活動の一環で広島を訪れ、原爆のお話を聞かせていただいたのはすごく良かったです。直接うかがうことにより、原爆を経験された方の人生に触れられたような気がします。「表面的なものしか見えていなかった自分」が、「もっと深く知ろうとする自分」に変われました

時代に求められる女性のリーダーシップ

生徒の未来に期待すること

教頭先生

教頭先生: 今、社会では女性の活躍が期待されています。求められているのは、「サーバントリーダーシップ」という新しいリーダーシップの取り方だと思います。「サーバント」とは「奉仕」のこと。リーダーとして現場を支え、組織全体のエネルギーとなるよう方向づけるという価値観です。
生徒たちには、将来それぞれの選んだ道で、活躍してほしいですね。
東洋英和は、毎日の生活の中でそういう生き方を練習することができる学校です。

編集者から見たポイント

生徒の取材で印象的だったのは、一人ひとりの言葉に、周囲に対する「感謝」が感じられたことです。また、それがごく自然で、時間をかけて培われたものだということがわかります。「ボランティアを『させていただいた』」などと表現する、謙虚ながらも意思のある姿は、まさに社会で必要とされる理想の人間像でしょう。みなさまも、そんな彼女たちに会いに、そして礼拝のオルガンの音色を聴きに、訪れてみませんか?

入試説明会等日程

【2014 キリスト教学校合同フェア】
日時 場所 内容
2014年3月22日()
9:30~16:00
青山学院高等部校舎
東京都渋谷区渋谷4-4-25
カトリック20校とプロテスタント20校が、ハブステーション「渋谷」の青山学院高等部で合同フェアを開催します。
【第12回 女子校アンサンブル】
日時 場所 内容
2014年4月29日(火・祝)
10:00~16:00
学習院女子大学(2・3号館)
東京都新宿区戸山3-20-1
都内でも有数の伝統校が参加し、長い歴史に培われた各校の特色ある教育理念や教育環境などについてご説明します。