第6回 教育熱心な親へ贈る『子どもの頭が必ずよくなる育み方』:エデュママブック

エデュママブック
2015年7月3日

第6回 教育熱心な親へ贈る『子どもの頭が必ずよくなる育み方』

inter-edu’s eye
中学受験のカリスマ家庭教師、西村則康先生が、赤ちゃんから中学生まで年齢別に、頭がよくなる育て方を伝授! 頭がよい=いい大学に入る、幸せになる、将来活躍できるってことですよね。そう願うすべての親御さんのための珠玉の教育書です。

勉強以前のもっと大事なこと、忘れていませんか?

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エデュマガの監修をしていただいているプロ家庭教師の西村則康先生が、今年2月に発表された本書。タイトルを見たときは、頭が必ずよくなるってどういうこと?と思ってしまいましたが、読み終わったときは、“すごく納得! 気をつけなければ…”と、子育ての原点に立ち返った思いでした。

“子どもの頭をよくする”のは勉強法や勉強量以上に、それ以前の家庭環境や親子の関わり合い方の中にこそあると、本書は語りかけてきます。理想論でも極論でもありません。経験に基づいた確信です。誕生から中学生までの6つの章に分かれていますが、各章のタイトルを見るだけでも西村先生の思いが伝わってきます。

第1章[0~2歳]赤ちゃん的想像力
第2章[3~5歳]お勉強より「遊び」
第3章[小学1~2年生]学校は楽しい?
第4章[小学3~4年生]理科って好きですか?
第5章[小学5~6年生]親と子どもの勉強ケンカ
第6章[中学生]恋と部活と勉強と

子どもの頭をよくするのに、なぜ「遊び」や「学校の楽しさ」や「親子のケンカ」が関係するのでしょう? ここに、毎日の諸雑事に追われていると忘れてしまいがちな、大事な真実が隠されています。

親が心から願っているのは、わが子の幸福、わが子の能力を最大限に伸ばすこと、そして将来、誰よりも活躍できる人間になってくれること。でも実際には、成長のプロセスごとにさまざまな迷いや不安が生じて、親の頭は目の前のことでいっぱいになってしまう。そして、“この子のためにと思ってやったのにうまくいかない、どうしたらいいのか”と思い悩む…。エデュママのほとんどが経験しておられることだと思います。

焦りや心配に心を支配されないで、もっと愛情を!

数千人の子どもたちを教えてこられた西村先生は、そんな親御さんの悩みにずいぶん対応してこられたのでしょう。この本の中には、教育熱心な親が陥りがちなケースや悩みが、成長段階に合わせて数多くとりあげられています
その第一番目が、「第1章 赤ちゃん的想像力」の最初にあります。引用させていただきます。

「子どもが生まれたら、○○しなければ」
と妊娠中から焦燥感にかられている人が多いように感じます。
「頭のいい子になるかしら」
「落ちこぼれないかしら?」
「ピアノのスイミングと塾は行かせなくちゃ」
「将来はこういう大学に入れなくちゃ」
このように、不安と義務感を感じている、あるいは感じた経験がある方も多いと思います。しかし、あまりに強く「こうしなければ」と思い、過剰な不安感を抱く必要はありません。(中略)
どの子にも、ちゃんと育っていける強固なプログラミングが備わっています。まずは安心してお子さんを信じることからスタートしてほしいのです。

そして、西村先生は明言されます。

子どもが産まれたときは、心配より愛情をたくさん注いであげてください。感受性豊かに育つことで、これからの子育てにも学習にもいい影響が必ずあります。

睡眠をけずって受験勉強しても、合格はむしろ遠ざかる

西村先生は、中学受験のための家庭教師を30年以上続け、多くの子どもたちを難関校に合格させてきた方です。その西村先生が、中学受験をする子を持つ親に対してだけでなく、赤ちゃんから中学生までの成長段階ごとに、子どもの頭をよくするためには何をすべきか、すべきでないかを1冊の本にまとめられたのはなぜか?

受験を目的にすると、つい勉強法や勉強量ばかりに関心が向いてしまいがちですが、実は勉強以外の要素が、受験結果そのものを大きく左右しているからなのです。たとえば睡眠時間。勉強が進まないからと睡眠時間を削って勉強量を増やしても決して勉強したことは身につかない。むしろ合格の可能性は低くなると、西村先生はおっしゃいます。

親の笑顔が子どもに与える圧倒的な力、親子会話の中で育まれる言語感覚や語彙力、外遊びのメリットなど、さまざまな体験の積み重ねと密度の高い親子のコミュニケーションが、“子どもの頭がよくなる”ためには不可欠だとおっしゃっているのです。これらを犠牲にして、子どもの1日を早期教育や受験勉強に集中させても“子どもの頭がよくなる”ことはないと、西村先生は家庭教師体験を通じて確信されている。そしてこれこそが、教育熱心な親が陥りがちな罠だと思っておられるのだろうと思います。

お子さまとの関係の中で、これでいいのかしら、どうしたらいいのだろう?という悩みが生じてきたとき、この本を手にとれば光明が見えてくるでしょう。人は一生懸命になればなるほど、つい視野が狭くなってしまうもの。そんなときのための本でもあります

帯には「まだ、間に合います!」とあります。そう、『根拠のない信頼感』さえあれば、親子の間に間に合わないことなどないのです。西村先生は、この『わが子だからという他には何の根拠もない信頼感』こそ何よりも大切、すべての原点だと書いておられます。ぜひ読んでみてください。

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年齢別 子どもの頭が必ずよくなる育み方
西村則康著、潮出版社刊、1400円+税
「将来まっすぐに育ってくれるかしら」「いまからでも勉強できる子になるかしら」「最近、親子の関係がギクシャクしがちで」と子育てに悩みはつきもの。でも、お母さん、お子さんを信頼してください! どんな悩みにも解決策はあります。赤ちゃんから中学生まで、その年齢のときに大切なことと困ったときの対応法がわかります。子どもの頭をできるだけよくする子育ての指針と勉強サポートのコツ、ちょっと頑張るだけでなんとかなります。中学御三家への高い合格率を誇る名家庭教師が年齢別に羅針盤となる「育み方」を伝授!
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西村則康,エデュママブック

著者の西村則康(にしむらのりやす)さん
中学受験専門のプロ家庭教師集団「名門指導会」代表。塾ソムリエ。30年以上、難関中学・高校受験指導を一筋に行い、御三家、灘中など難関中学校に2500名以上の合格者を輩出。親子の絆を深める付加価値の高い指導、「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で入り込む指導に定評がある。TV、教育雑誌、新聞、インターネットで積極的に情報発信を行い、インターエデュではメルマガ『エデュまが』で時期にあわせた受験アドバイスを配信。近著『中学受験は親が9割』&『中学受験は親が9割 [学年・科目別]必勝対策』(青春出版社)、『子どもがぐんぐんやる気になる魔法の声かけ』(主婦と生活社)など多数。
公式サイト→ http://www.nishimuranoriyasu.com/

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