第21回 テストは点数だけを見て叱ってはいけない

子どもの能力を引き出す、やる気にさせる上手なほめ方・叱り方

第21回 やる気を引き出す「子どものほめ方・叱り方」(2013年8月23日)

中学受験を目指しての勉強中に受けるテストは、目標に向かってこれからどうやっていったらいいかを調べるために、そのときの習熟度をチェックするためのもの。テストの点数自体には、それほどの意味はありません。

とまあ、これは正論ですが、とはいうものの、親は子ども以上にテストの点数が気になります。ある程度は人情として仕方がないかもしれません。でも、仕方がないで親のほうが自分を許していてはいけないと、私は実感しています。親がテストの点数ばかりにこだわっていると、子どもに悪影響を及ぼしかねないからです。

点数だけを見て一喜一憂する親を持つ子どもが、ある日突然親に反旗を翻し、受験することをやめたケースを見たことがあります。また、何とか合格したものの、中学生の反抗期で中受時代の恨みつらみを親に言いつのり、親と口をきかなくなった家庭もありました。

点数だけに注目するということは、中身に関心がないということ。子どもはそれに気づいているのです。極論ですが、「お母さんはまぐれだろうが、カンニングしようが、点数さえよければいいんだ。点数のいい子の親っていう見栄さえ保てればいいんだ」と、内心思っているということです。これでは親子の信頼感は崩れてしまいます。

どんなに点数が気になっても、親の基本姿勢は、やはり点数だけではなく中身を見なければならないのです。テストは何点だったかより、どこをどういうふうに間違えたかを子どもと一緒に見ていきましょう。そうすれば、子どもは親を信頼してくれます。親への信頼感は、受験勉強をプラスイメージのものにしていきます。

模擬テストはあくまで模擬テスト。大切なのは本番。模擬テストで間違えることは決して無駄にはなりません。子どもだってテスト結果が悪ければショックを受けるし、手を抜いていたなら自分がそれを一番わかっているはず。

テストが返ってきたら点数より前に、できた問題、できなかった問題を子どもと一緒におさらいするようにしてみませんか?

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<<プロフィール>>高木 潤子(たかぎ じゅんこ)
若いころから週刊誌・女性誌で、子育て・インテリア・料理など幅広い分野の記事を取材執筆。仕事量を減らして二児を育て、インターエデュはお受験ママとして活用。現在も取材・編集・執筆と幅広く活躍中。

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