第82回　学校と塾どちらが楽しい？

大都市圏では半数近くの小学生が塾に通っている現在、子どもたちにとって塾は楽しいのかつらいのか、どちらなのだろうという素朴な疑問について、エデュママの皆さんに、ちょっといじわるな質問をさせていただきました。「お子さまは学校と塾、どちらが楽しいと言っていますか？」

結果は左のグラフの通り。なんと3分の2近い回答が「塾」を選択。もちろんお子さま本人への質問ではなく、あくまでもお母さまへの質問だったのですが、それにしても学校はどうしちゃったのでしょう？　学校には授業だけでなく遊び時間もあれば、お友だちも多数いるのに…。

なぜ塾のほうが楽しいのか、その理由を聞いてみると、「学校は勉強する子を評価してくれない」「学級崩壊しているので」「学校の子とは話が合わないので塾のほうが楽しいと本人が言っている」「塾のほうがわかりやすく教えてくれるからいいと言っている」などといった意見が見られました。塾が楽しいという理由はさまざまのようです。逆に学校のほうが楽しい理由は、「学校は遊べるから」「塾は厳しすぎるから」など、だいたい想像どおりの回答でした。

ところで、文部科学省の「子どもの学校外での学習活動に関する 実態調査報告（平成20年8月）」でも、塾の人気は決して悪くはありません。学校との比較ではなく、通っている学習塾の「好き・嫌い」について子どもに聞いた質問ですが、「とても好き」と「まあ好き」が小学3年生で59.3％、6年生で56.3％と5割を超えています。逆に「あまり好きではない」「嫌い」は、3年生で9.5％、6年生で12.6％、つまり10人にひとり程度（その他は「ふつう」と「無回答」）。

子どもにとって塾は、それほどイヤなものでもなさそうです。それは親御さんが、わが子の様子を見てさまざまな配慮しているゆえでもあるでしょう。ただちょっと気になるのは、反対に学校への評価があまり芳しくないこと。ことに中学受験を目指すと、学校との間で軋轢が生じるケースもあるようです。子どもが1日のうちより多くの時を過ごすのはあくまでも学校です。今回のアンケートには、下のようなご意見もいただきました。

●子どもが、塾のほうが楽しいと言い出したらそれは問題だと思っています。学校生活があってこその受験だと子どもも私も考えています。学校で得られるものと塾とは違うのだから、どっちが？なんて質問自体ナンセンスだなあと思います。

学校あってこその塾…。おっしゃる通りだと思います。皆さんのお子さまが学校での時間を、塾と同じかそれ以上に楽しんでいますように。

■参照サイト

• ●文部科学省：「子どもの学校外での学習活動に関する実態調査 」（PDF）