第1回 元中受ママが伝授!学校見学時にココだけは見ておきたい!
第1回 元中受ママが伝授!学校見学時にココだけは見ておきたい!
… ごあいさつ …
はじめまして。私、かつて二人の息子で中学受験を経験しました、元中学受験ママでもあります、春野陽子と申します。
現在は受験ドクターという個別指導塾で国語講師をしております。
みなさまからお届けいただいた質問や掲示板でお困りの書き込みに対し、「先輩ママ」として、そして時には「プロ講師」としてお答えすることで、少しでも皆さまの中学受験成功の一助となりましたら光栄でございます。
学校見学時に見るポイントを教えてください
まず行かせたい「憧れ校」から安全圏の「押さえ校」まで 幅広くピックアップして回ることです。6年生になると親も忙しくなりますので、遅くとも5年生までに一通り見て、ある程度絞っておく必要があります。学校説明会でどういった点に注目すればよいのか、3つの着眼点をお教えいたします!
【着眼点1】移動手段・通学路を確認する
女の子はもちろん、男の子でも、通学路が安全かどうかは気になります。
安全面以外にも、気を付けたいのは、通学の際の移動手段、すなわち交通事情と道のりです。
体力のないお子さまの場合、駅から歩いて20分はつらい道のりでしょうし、学校からバスが出ている場合、乗り物酔いしやすいお子さまには、雨の日のバスの中はつらいことでしょう。バスの場合、待ち時間や道路事情も考慮に入れる必要があります。
また、自宅から遠い場合、時間よりも乗換えの回数の方が重要です。遠くても1本で行けるのと、数回乗り換えるのでは、疲れ方も違います。また、登下校中は、格好の「ちょこっと勉強」通称「チョコ勉」時間です。乗換えが多いと、「チョコ勉」もままなりません。
もちろん、成長過程で体力がつき、かえって通学が大変なことが健康上にも良い影響を与える場合もあります。お子さまのことを一番知っているお母さまが、しっかりわが子が通うイメージをもって、移動手段・通学路チェックしましょう!
【着眼点2】校長先生のお話
えっ!とお思いかもしれませんが、私が一番学校選びで重視したのは、「校長先生のお話」でした。学校の理念とか方針とか、そういったものを文字通り日々体現されている方ですよ。
この方のお話をお子さまは、少なくとも6年間1週間に一度、もしくは行事のたびに聞きます。
一番多感なころに聞く「校長先生のお話」が子どもに与える影響は計り知れません。
ご家庭の方針と矛盾がないか、違和感がないか、という点がポイントです。
どんなに立派な学校でも、校長先生のお話に違和感があれば、わが子に合った学校ではありません。
では、校長先生のお話の聞くべきポイントは?
私の体験をお話いたしましょう。
「わが校はいじめがありません」
こう言い切ってしまう校長先生は現場が見えていないのでは?いじめがあっても隠すのでは?と思い、志望校から外しました。私が回った多くの学校では、みなさん一律に「いじめはあっても、対応はする」というお言葉でした。それが、正しいと私は思います。
また、進学実績のみを喧伝するような学校も余裕がないようで、避けたくなりました。
ただ、これはわが家の場合であって、ご家庭によっては、進学実績を強調する学校は、逆に大学進学への勉強に力を入れてくれると言う点で、安心かと思います。
宗教のある学校は、信じるべき精神的支柱があるという点で、筋の通った安心感を得られるかもしれませんし、逆に宗教色のない学校のリベラルな自由闊達な雰囲気に魅かれるご家庭もあるかと思います。
私は自分自身がカトリックの学校に10年間通ったので、宗教のある学校のよさも知っておりましたが、息子二人が結局ご縁のあったのは、宗教色のない学校でした。
【着眼点3】施設をチェック!
スポーツ好きな男の子の場合、グラウンドのチェックは必須です。グラウンドが狭い場合、外部に部活用の練習場を借りる、という学校もあります。
また、昨今理科に力を入れる学校が多くなっています。実験室もチェック!
私が見た男子校では、「化学室」「物理室」「生物室」「科学室」と4つも理科の実験室があり、理系に力を入れている学校なのだなと思いました。音楽室や和室、講堂もチェック対象です。
このあたり、説明会終了後に案内してくださる学校が多いので、必ず参加しましょう。お子さまの状況にあわせた施設が充実しているか否かのチェックは必須です。
今回のポイント!
親御さんが行かせてもよい学校に絞ってから、お子さまを連れて行くのをお勧めします。
初めから一緒に学校を見に行ってしまうと、お子さまは気に入ったが、親御さんは気に入らない、という不幸な状況に陥る危険性があります。必ず親御さんが足を運び、納得の上、お子さまを連れて行く。この鉄則を忘れないでください。
春野 陽子さんプロフィール
長男はSAPIXへ通塾し巣鴨中学校から東京大学理科Ⅱ類に進学、次男は転塾(日能研→SAPIX→市進)を経て海城中学校に進学。
大学院国文学専攻博士課程後期単位取得後満期退学。近代文学専攻。元私立高校教諭。日能研にて、約10年間、中学受験国語指導を担当したのち、2012年度から「中学受験個別指導塾ドクター」
に非常勤講師として勤務し、2013年度から「株式会社受験ドクター」に入社。
国語のスーパードクターとして個別指導にあたっている。
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