第9回 元中受ママが伝授!算数の計算力アップ方法!
第9回 元中受ママが伝授!算数の計算力アップ方法!
… ごあいさつ …
はじめまして。私、かつて二人の息子で中学受験を経験しました、元中学受験ママでもあります、春野陽子と申します。
現在は受験ドクターという個別指導塾で国語講師をしております。
みなさまからお届けいただいた質問や掲示板でお困りの書き込みに対し、「先輩ママ」として、そして時には「プロ講師」としてお答えすることで、少しでも皆さまの中学受験成功の一助となりましたら光栄でございます。
計算力アップのためのいい方法はありますか?
そもそも中学受験算数における「計算力」 とは、どのような力なのでしょうか。 「そんなの計算問題を間違えない力でしょ!」というお声が聞こえてきそうですが、当塾の算数科の同僚たちは口をそろえてこう言います。 「計算問題をミスする、それは計算力がないとは言いきれません」。 えっ、そうなの? と思った方は、まずは、うちの算数講師陣の説明に耳を傾けてください。
中学受験の算数における計算力とは?
「入試問題や模試の頭に出てくる計算問題、あれは一つのジャンルに過ぎず、いわゆる計算力とは鍛え方が違う、どちらかというと特殊な力が求められる問題です。」
ですから、計算問題を間違える、というのは、計算力がないこととイコールではありません。言うなら、平面図形を間違えるのと同じです。計算問題を間違えないようにさせるには、別途「計算問題対策」をする必要があります。「計算の工夫」をするためのテクニックを磨く必要があるでしょう。
では、中学受験算数における計算力って何か、という話ですが、計算力とは、解法がわかった段階で計算を正しく行う力、です。つまり、問題を解く際に道具として使う計算を間違えない、という力なんです。 だから、計算力はそもそも「計算問題」と力の鍛え方が異なります。
では、道具としての「計算力」を身につけるには、どうしたらいいのでしょうか。
「計算力をつけるために、『計算問題集』を買ってきて、一日3題ずつやらせる、そんな方法をとっても、計算力の養成には直結はしません。それは、「計算問題」対策です。」
では、中学受験算数における、計算力を劇的に身につける方法を3つお教えしましょう。
計算力を劇的に身につける方法
<1.10を作る>
まず、第一に「10を作る練習」をしてください。
親が「2」と言って、子に「8」と答えさせる練習です。
10を作るゲーム、と言ってもいいでしょう。
中学受験の計算は、「足し算、引き算、掛け算、割り算」の4つです。
この中の「足し算、引き算」いわゆる「和差算」は、
「繰り上がり、繰り下がり」の計算ミスがほとんどです。
この「10を作るゲーム」で、足し算引き算の計算ミスは、激減します。
ウソだと思わずに、まずはお試しください。
<2.数の約数を言う>
今度は、「掛け算、割り算」のミスは、どこに起こるかをお話いたします。
「掛け算、割り算」のミスは、「約数」を見抜けないことによって起こります。
たとえば、72がどういう約数を持っているか、パッといえる力が必要です。
それを養成するには、約数の書き出しをすることが有効です。
1 | 2 | 3 | 4 |
24 | 12 | 8 | 6 |
上記のような表で書き出していくことで、数字を見た時に、パッといくつで割り切れるのか、感覚的にわかるようになり、これで「掛け算、割り算」のミスも激減します。 お試しください。
<3.概数の感覚を身につける>
概数の感覚とは、大体これくらい、という数に対する感覚値です。
一見難しく思われるでしょうが、3分の2と0.7は、ほぼ同じくらいであるとか、答えの数値の見当が大体つく、という感覚的な力のことです。
たとえば、360gの食塩水があって、濃度が8%としたら、 360×0.08で食塩の量が求められますね。 このとき、概算で、「ああ、36gと近くて36gより少ない数だな」という予測を立てられるのが「概算の感覚値」です。 この場合、0.08を0.1ととらえて、360×0.1で36gと、大体の解答の数値の見当をつけているのですね。
半端な数を整数など切れ目のいい数字に置き換えて、解答を予測する訓練をしましょう。 これで、「掛け算、割り算」の桁違いの解答ミスが防げます。
計算ミスはちょっとしたところがポイント
いかがでしたか?
私の次男は、前にも書いたように、これらの「数値感覚」が非常に優れていましたので、 計算ミスで失点することが少ない子でした。 長男も次男ほどではありませんが、やはり計算ミスは少ないタイプでした。 解法がわかっているのに計算ミスをしてしまう。 これは、実に「もったいない」。
だからこそ、上記3つの訓練をして、「計算ミス」を劇的に減らして、算数の偏差値を伸ばしてください。
春野 陽子さんプロフィール
長男はSAPIXへ通塾し巣鴨中学校から東京大学理科Ⅱ類に進学、次男は転塾(日能研→SAPIX→市進)を経て海城中学校に進学。
大学院国文学専攻博士課程後期単位取得後満期退学。近代文学専攻。元私立高校教諭。日能研にて、約10年間、中学受験国語指導を担当したのち、2012年度から「中学受験個別指導塾ドクター」
に非常勤講師として勤務し、2013年度から「株式会社受験ドクター」に入社。
国語のスーパードクターとして個別指導にあたっている。
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