総括 2014東大合格者から見えてくること(後半)

総括 2014東大合格者から見えてくること

◆inter-edu’s eye◆
毎年注目を集めるコンテンツ『東大・京大・難関大学合格者ランキング』。2014年の東大入試結果は、どんな動きを見せたのでしょうか。そして、そこから見えてくる未来とは…? インターエデュ独自の視点で総括の後半をお届けします。(前半はこちら»

「現役合格率」で見える真の学校の力とは

■2014東大現役合格率ランキング(前後期含む)

※学校名をクリックすると詳細をご覧いただけます。

学校名 卒業生徒数 東大現役合格者数 現役東大合格率
筑波大学附属駒場中・高等学校 162名 82名 50.6%
灘高等学校 220名 76名 34.5%
栄光学園中学校・高等学校 178名 47名 26.4%
開成高等学校 398名 104名 26.1%
駒場東邦中学校・高等学校 231名 59名 25.5%
桜蔭中学校・高等学校 230名 55名 23.9%
聖光学院中学校・高等学校 239名 57名 23.8%
麻布中学校・高等学校 295名 50名 16.9%
久留米大学附設高等学校 203名 23名 11.3%
北嶺中・高等学校 115名 12名 10.4%

東大合格者を「数」ではなく「率」で見ることで、ランキングは少し表情を変えます。

「数」で1位の開成は、現役合格者数を卒業生数で割ると26.1%。その順位は4位に下がります。逆に1位に躍り出るのは、「数」で3位の筑波大学附属駒場。卒業生数162名に対し、現役合格者数は82名、50.6%という驚きの現役合格率を誇ります。また、久留米大附設や北嶺など、合格者伸長の幅が大きい学校がこのランキングに入ってきていることも特徴です。

「現役合格率」からは、「入学した生徒を最短で志望校に合格させよう」という先生方の強い気持ちが感じられます。本当の意味での学校の力が見えてくるのは、こういうところなのではないでしょうか。家庭の経済状況などが理由で浪人や私立大学入学が難しい受験生も多い今、中高選びにおいては今後外すことのできない重要ポイントになると言えるでしょう。

■東大理系ランキング(前期のみ)

※学校名をクリックすると詳細をご覧いただけます。

学校名 合格者数
開成高等学校 85名
灘高等学校 81名
筑波大学附属駒場中・高等学校 61名
駒場東邦中学校・高等学校 44名
栄光学園中学校・高等学校 42名
聖光学院中学校・高等学校 39名
麻布中学校・高等学校 38名
桜蔭中学校・高等学校 37名
東京学芸大学附属高等学校 28名
渋谷教育学園幕張中学校・高等学校 27名
浅野中学校・高等学校 22名
海城高等学校 21名
洛南高等学校 20名
ラ・サール高等学校 19名
早稲田中学校・早稲田高等学校 17名
筑波大学附属高等学校 17名
豊島岡女子学園中学校・高等学校 16名
西大和学園中学校・高等学校 15名
巣鴨高等学校 14名
久留米大学附設高等学校 14名

東大合格者数を「理系」と「文系」に分けて見てみると、ある特徴に気がつきます。

「理系」には洛南・西大和など関西勢が上位に食い込みました。灘にいたっては東大合格者の80%が「理系」で、その数はトップの開成と4人しか差がありません。洛南の進路指導担当者は、今年特に東大合格者が増えた理由として「景気回復の影響なのか、本年度は関東方面の大学進学を志望する学生が増えました」と、景気により変わる関西の受験事情を語ります。

「文系」には都立西や都立国立など都立勢が上位に食い込みました。都立からの「理系」合格者も多くいますが、ランキングにすると私立上位校にはまだ及ばない状況です。また、有名私立校の中では麻布が、「理系」より「文系」に強いと言えそうです。

後期入試廃止・推薦入試導入による入れ替え戦は!?

東大は来年から推薦入試を導入し、後期入試を廃止することを発表しました。「東大後期入試」といえば、文系・理系関係なく数学・英語・論述で定員100名にすべりこむという狭き門。この入試に合格し、4月から工学部4年となる女子学生は、「後期入試はメンタル試験。気持ちを強く持たなきゃ受からない」と振り返ります。

その「メンタル試験」の2014年合格者は、10%を開成が占めました。推薦入試に替わることで、入れ替え戦はあるのか…。来年以降の変革が楽しみですね。

関連サイト:東京大学公式サイト