教育熱心なママは知っている? そろばん塾が人気の理由

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第24回では、近年じわじわと注目を集めているそろばん塾を運営する、株式会社イシド 石戸珠算学園の沼田紀代美代表取締役社長にインタビュー。独自に編み出したそろばん教育メソッド「いしど式」の特徴、そして今なぜ、そろばんが注目を集めているのかなどをうかがってきました。

そろばんは単なる計算するための道具ではない

「いしど式」の特徴6つ

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株式会社イシド 石戸珠算学園 代表取締役社長 沼田紀代美さん

エデュ:まずは株式会社イシド 石戸珠算学園の設立背景を教えてください。

沼田社長:1973年に現会長の石戸謙一氏が創業しました。当時はそろばんブームではありましたが、電卓が一般化し、唯一の計算道具ではなくなると同時にブームはやや下降気味…。実際にそろばん塾が廃業していく中で、石戸会長は「そろばんは計算道具ではなく、能力開発の教具である」という思いでずっとそろばん塾を続けてきました。

2000年前後に、昔から指先を動かすことは脳に良いと言われてきたのが、脳開発の研究で明らかになってきたことと、その後にゆとり教育の影響で、読み・書き・そろばんが必要だという風潮が強まり、教育の価値が高まり、再注目を浴びるようになってきました。

エデュ:貴社独自のそろばん教育メソッド「いしど式」の特徴について教えてください。

沼田社長:6つあります。
1つ目は、ひとりの人間として子どもと向き合う「個別対応教育」。2つ目は、小さな成功体験が、大きな成長の糧になる「スモールステップ方式」。3つ目は、前向きなほめ言葉で、自己肯定の心を養う「イメージコントロール法」。4つ目は、厳しくしてでも、教えるべきことがある「しつけ・教育」。5つ目は、本番で試される厳しさが、子どもをたくましくする「競技・検定」。 そして最後が、限りない向上心こそ、教師の資質だと考える「珠算教師資格・研修制度」です。

計算が早くなるだけでなく、能力開発の位置づけで記憶力・集中力を高めるためのカリキュラムを組んでいること。人格的な成長というところにスポットを当てています。

エデュ:個別対応教育とスモールステップ方式という点が気になりますが。

沼田社長:「個別対応教育」は、「いしど式」の特徴として3歳から学ぶことができるのですが、低年齢層の頃は月齢によって、発達の差が大きくあります。昔ながらの一斉教育ですと、周りはできるのに自分はできないという劣等感を持ってしまいます。ですので、「いしど式」では個別対応教育にこだわっています。「スモールステップ教育」は、低年齢層に限らず、人が何か楽しいと感じるためには、やっぱりやってできることだと考えています。そのためにいきなり大きな目標を設定するのではなく、小さなステップ=階段を登っていくことが重要だと思っています。

教育熱心なお母さまがそろばんに通わせるワケ

そろばんの魅力は人間の成長意欲にもつながる?

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エデュ:そろばんが習い事として再注目を浴びていますが、その魅力を教えてください。

沼田社長:「成果が目に見えて分かること」です。「いしど式」は子どもたちのもっている能力を限界まで引き出すことに価値を置いています。3歳から始めたとして、半年ぐらいで掛け算の九九を覚え、一桁の掛け算ができるようになる。そして1年後には、小学校3年生で勉強する、答えが2桁になる割り算の練習を始め、レジでパッと計算できる姿を見ると驚くと思います。

エデュ:確かに4歳でパッと計算ができると「おお!」となりますね。

沼田社長:そうですね。英語などの他の習い事に比べて、成果が分かりやすいですよね。幼稚園児でもかけ算を覚えたとか、半年で割り算ができるようになったとか。あとはそろばん全体にいえることですが、人間の持つ成長本能に即している点も魅力だと思っています。例えば1歳ぐらいになると、親が歩きなさいと言わなくても自然と歩きはじめますよね? あれは人間には自分の身体器官を使って能力を高めていこうとする本能=成長意欲を持っているからです。

エデュ:興味と発達の段階がぴったりはまり、子どもが夢中になるということですね。実際に入塾されるご家庭はどのような方が多いのでしょうか?

沼田社長:紹介や口コミが多いですね。お母さまご自身はそろばん経験がないけれど、小学校の同級生がそろばん教室に通っていて、計算力が高かったり、頭の回転が早かったというのを覚えていて習わせる方もいます。あとは1割ですが、教育熱心なご家庭で色々な情報を集めたうえで、そろばんが良い!というのを知っていて通わせるご家庭もあります。

そろばんは先ほど申し上げた通り、単に計算が早くなるだけでなく、能力開発になりますので脳自体の容量を上げることができます。容量を上げるということは、様々な知識を詰め込むことができるようになるということです。ここを知っているお母さまは、小学校3年生・4年生までそろばん塾。そして土台を作ってから、中学受験専門の塾に通わせるというご家庭もあります。実際に通っていた生徒にも面白いエピソードがありましたよ。

エデュ:どんなエピソードでしょうか?

沼田社長:幼稚園から小学校6年生までそろばんをやり、ある日自分から中学受験をしたい!と言い始めた子がいました。そこで小学校6年生の春から塾に通わせることにしたのですが、何と目指す学校は千葉で最難関と言われる中学校。塾の先生からも「周りは小学校4年生から努力してるのに、今からだと受かるのは厳しいと思いますよ」と言われたそうです。

でも始めてみると、夏には周りに追いつき、このまま行けば合格間違いなし!というところまで来たのです。これには塾の先生、お母さまも驚いて…。お母さまが子どもに聞いてみたら、「僕は普通にやっているだけだよ。周りが遅いんだよ。そろばんて3分とか10分とか決められた中でどれだけ早く正確に解くのが当たり前。そろばん塾ではそうやるでしょ」と言ったそうです。

エデュ:能力はもちろんですが、全力で集中する「習慣」が身についていたということですね。

日本の一斉授業についていけない子への環境を提供

「夢を育てる」ことが企業理念でもあり教育理念

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エデュ:今の教育業界を見ていて感じることはありますか?

沼田社長:私はこの仕事に就く前に、幼稚園で働いてきた経験があるのですが、幼稚園や小学校の一斉教育には正直懐疑的でした。なぜなら人は得意・不得意も違うし、理解力も違うからです。一斉に何かをさせ、そこからはみ出してしまう子が駄目な子という風潮には疑問があります。ただ、なかなか変えていくのは難しいのも分かっています。そこで、公教育以外の場=習い事という、一つひとつのコンテンツの中で、「一斉にできなくてもいいから、自分の力を少しづつ高めていくことは素晴らしいことだよというのを知ってもらう環境を作ること」が私たちにできることだと思っています。

エデュ:最後にそろばん学習を通し、育てたい子どもたちの理想像を教えてください。

沼田社長:私たちの会社の企業理念も教育理念も「夢を育てる」です。この夢を持てる子どもになるには、「やればできるという成功体験」を重ねてあげることが大切です。あとちょっと努力すればできる、もうちょっとでできるから次も頑張ろうという気持ちを持てます。「いしど式」を通し、夢を持てる子どもたちを育てることが理想でもあり、目標です。

編集者から見たポイント

今回の取材を通し、ここまでメリットがあるのかと正直驚きました。中学受験に限定しなくても、脳自体の容量を上げておけば、大人になっても役立ちます。近い将来だけでなく、将来まで見据えた時、そろばん塾という選択肢もいいのではないでしょうか?
「いしど式そろばん」についてもっと知りたいという方は、
「いしど式そろばんhttp://www.ishido-soroban.com/」のサイトをご覧ください。