自己肯定感の高いママを増やしたい!子育ての幸せや成功とは?

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第31回では、大手幼児教室を退職後、「頭と心を育てる幼児教育」と「育児が断然ラクになる子育て専門家」として活躍しているセラヴィ・オーラ株式会社代表取締役の朝見真妃さんにインタビュー。独自の教育を行う、母親スクール・幼児教室「マミーズガーデン®」の特徴や、子育てにおける幸せや成功についてうかがってきました。

自己肯定感の低い自分に起こった転機

何かあった時はすべて自分のせい

朝見さん1
セラヴィ・オーラ株式会社代表取締役 朝見真妃さん

エデュ:まずは朝見さんがなぜ起業しようと思ったのかを教えてください。

朝見さん:5年前に妊娠を機に今の会社を起業しました。それまでは医療従事者として薬剤師を10年ほど、大手幼児教室で3年ほど幼児教育講師をしていました。

私の両親は、自営業を営んでおりました。バブルという背景もあり仕事が非常に楽しかったようで、私が生後1か月で母は仕事に復帰。日中はお手伝いさんが世話をしてくれていました。お手伝いさんは甘やかしてはならないと抱っこを禁止、赤ちゃんの私は泣いて、その涙で枕が固まっていたそうです…。

父は勉学で完璧主義を求めていたので、小学生であっても98点を取って帰れば、2点のために夜中3時まで勉強。意見や考え方は父と同じでなければならず、同じ意見になるまで何時間も正座をさせられていました。このような状況で、私はありのままの自分を良しとする自己肯定感が育つはずもなく、自分の意見や考えを見失った、自己肯定感の低い大人になり、非常に苦労しました。

エデュ:どのような苦労をされたのでしょうか?

朝見さん:私の場合は、何かあった時にすべて自分の責任だと感じていました。例えば職場で名前を呼ばれた時に、「はい」ではなく、「すみません」と返事をしたり、仕事を任されても、「どうせ失敗するんじゃないか」、「もっとうまくやれる人がいるんじゃないか」と思ってしまい、私はいつもやりきれない気持ちでした。

このような日々の中、ある人との出逢いが大きな転機となりました。その人は自分のマイナス面や、失敗もさらけ出し、その上、色々なものに挑戦する人で、とても自己肯定感の高い人でした。私は最初それは生まれつきの性格なのだと思いました。しかし、もしかしたら幼少時の環境に秘密があるのではないかしらと思い、その人に聞いてみたのです。すると、その人のご両親は「お前の存在が素晴らしい」、「いるだけで素晴らしい」と存在そのものを認めてくれる方々だったのです。私は衝撃を受け、もっともっと深く知りたくなり、脳科学・心理学・神経言語プログラミング(しんけいげんごプログラミング Neuro-Linguistic Programming: NLP)・コーチング・自己啓発などを学んでいきました。

そこで分かったことは、自己肯定感の高い人と低い人の違いはその人の乳幼児期の育てられ方にあったのです。子育ては、主な保育者となるお母さまが要です。お母さまの価値観が子どもにそのまま継承されます。ですので、「頭も心も育てる幼児教育」であれば、子どもだけを対象とするのではなく、お母さま、そしてお父さまにも学んでいただく必要があるのです。「マミーズガーデン®」はこのようなコンセプトから生まれました。

自己肯定感が育つ「マミーズガーデン®」の4つの特徴

エデュ:「マミーズガーデン®」ではどのような活動をされているのでしょうか?

朝見さん:大きく分けて4つあります。

1つ目は、「頭と心を育てる幼児教育」です。
幼児教育といっても、詰め込み式の早期教育を行うのではありません。お母さまと一緒に遊びながら身体を動かしたり、手指の巧緻性を高めたり、手遊び歌を歌ったり、語りかけなど様々なカリキュラムを楽しみます。その際に、愛着形成も行っていきます。そして、2歳半くらいからは、具体物を使った知育や制作、プリント学習、非認知能力を高める行動観察なども行います。大人数でレッスンを行う幼児教室が多い中、マミーズガーデン®では、個々のレベルに合わせた個別対応のレッスンを行っております。その結果、当教室の生徒さまの知能指数(IQ)は大変優秀で、80%はIQ160を超えています。IQは100を平均値として、70%に近い人がIQ85~115の間に位置しますので、優秀さがお分かりになると思います。

2つ目は、母親への子育て教育です。
育児相談はもちろんですが、マミーズガーデン®では、ご両親に対して、子育ての目的や、幸せとはどんな状態か、「30年後お子さまがどうなっていてほしいか?」というのをご両親それぞれに書き出してもらっています。表面的な回答ではなく、本質的な回答になるまで掘り下げ、さらに、抽象的な回答については、私が質問しながら具体的にしていただくことで、夫婦間の違いを見つけたり、家族のゴール、子育ての軸を見出すことができます。また、自己肯定感の低いお母さまに対しては個別相談を設けて、コーチングを行い、パラダイムシフトを行っていただくことで、自己肯定感を高めるプログラムを行っています。

3つ目は、教育ラボ主宰「認定Mama Café(ママカフェ)」並びに「認定Pre Mama Café(プレママカフェ)」の開催です。
東京大学大学院博士の石田勝紀さん主宰のMama Caféは、子どもをよりよく育てたいと願う前向きなお母さまたちのためのお茶会です。こちらの認定ファシリテーターとして、認定Mama Caféと認定Pre Mama Caféを毎月開催し、生徒さんではないお母さまたちとも子どもとの関わり方や子育てについて語り合い、育児相談もしています。毎回、高い満足度をいただいており、リピーター参加の多いMama Caféです。ぜひ遊びにいらしてください!

4つ目は、講演活動です。
昨年は世田谷区の「心に響く、親子で楽しむ演奏会」という子育てイベントに呼んでいただき、「しあわせな子育て」について講演しました。一人で苦しむ育児から、楽しい育児へ変わるための、ちょっとしたコツをお伝えしました。

体験レポート
見学レポート
今回の取材では、朝見さんがファシリテーターを務める勉強会「Mama Café」にも参加させてもらいました。勉強会といってもセミナーや講演会のような堅いものではなく、気軽で話しやすく、まさに「カフェ」でママたちが集まって話すような柔らかい雰囲気でした。経歴も環境もまったく異なる4人のママが、それぞれの育児の悩みを打ち明け、それに対し朝見さんとほかのママたちがアドバイスをする形でした。和やかな雰囲気ながらしっかりした回答を得られるので、終わった後には皆さますっきりして帰ることができる。そんな印象を受けました。

なぜ日本人は子育てにストレスを感じるのか

原因は3つの要因の変化

朝見さん2

エデュ:近年子育てにストレスを感じる人が非常に増えていると聞きますが、その要因は何でしょうか?

朝見さん:社会的な要因、身体的な要因、教育的要因の3つがあると考えています。
まず、社会的要因ですが、人類は毎年妊娠できるよう進化をする代わりに、共同保育という仕組みで子どもを集団で育ててきました。それが、ついこの数十年の間に孤立しています。核家族率8割の現代日本において、唯一の子育て仲間であるお父さまの育児参加は1日約1時間と、欧米とは比べものにならないほど少ないのが現実です。このように、人類学的に見ても、お母さまが一人で子育てを抱えるのには無理があります。これが孤立した子育てがもたらすストレス発生要因です。

次に、社会的な要因ですが、社会に出て活躍されている女性が母親になるケースも多くなってきました。それがストレスにつながっていると考えています。働いていたころは職場でベテランだった方が、子育てになるとまったくの素人となるので、できない自分に向き合うことが多くなります。日々イレギュラーの連続である子育てはストレスが溜まりやすいのです。また、仕事と違って、子育ては途中でやめることができませんので、疲弊感も合わさってきます。さらに、評価されることが当たり前だったのが、自分の子育てをまったく評価されなくなる。そのことも、お母さまたちが孤独と不安感を抱えていく要因です。

身体的な要因としては、妊娠中大量に分泌していた卵胞ホルモンであるエストロゲン(女性ホルモン)が、出産とともに分泌がほとんどなくなります。その急激な減少が、不安感や孤独感をかき立てていると考えられています。また、授乳時や我が子と触れあっている時に分泌されるオキシトシン(情緒を安定させる、幸せ・愛情ホルモン)ですが、こちらが、我が子以外に対しての攻撃性を増してしまう習性があります。そのため、育児に不慣れなお父さまに対してイライラが募り、さらなる育児ストレスを抱えてしまうのです。

最後に、教育的要因ですが、社会的な要因のことも、身体的な要因のことも何も教わらずに子育てに突入する現代日本の子育て事情があります。子どもの夜泣きや癇癪、不可解な行動、夫に対するイライラ、自分を責めてしまう思考パターン、その原因や目的が明確であったとしたら、もっと育児はラクになると考えます。そのため、私は育児に突入してしまう前のプレママさんたちに対して、Pre Mama Café(プレママカフェ)を開催し、子育てのこと身体のこと、夫とのコミュニケーション、自分とのコミュニケーションなどをお伝えしています。

学力が高いのに自己肯定感が低い理由

エデュ:実際に子育て中のママにお会いして感じることは何でしょうか?

朝見さん:やはり自己肯定感が低く、自分に自信がないママが多いと感じています。昔は家におじいちゃん、おばあちゃんが一緒に住んでいたので、良くも悪くもそこから習って子育てをしていたのですが、最近はそれが少なくなっています。さらにインターネットの発達で情報があふれ、取捨選択をしていかなければいけないのですが、ついつい目移りしてしまう…。

エデュ:確かにその通りですね。目移りしてしまう時はどうすればいいのでしょうか?

朝見さん:自分はここを大事にしたいという「軸を立てること」です。それをお母さまだけでなく、家族で決めておくことが重要です。例えば子どもが、スマートフォンで動画を見始めますと、最初は電車の中だけと言っていたのに、いつしかなぁなぁになり、見せ続けてしまうことってありますよね。あまり動画を見せたくないならば、家族でルールを明確に決め、スマホの良さも悪さもお子さまに説明して、「なぜ?」に答える必要があります。単純に、動画を長時間見せるのは良くないとどこどこに書いてあったから、では子育ての軸がぶれてしまう原因になってしまいます。

エデュ:なるほど。日本は諸外国に比べ学力が高いにも関わらず、自己肯定感が低いと聞いたことがありますが、ここを上げるためにはどうすればいいでしょうか?

朝見さん:まずはお母さまの自己肯定感を高めることが必須条件です。そのうえで、お子さまへの声かけや関わり方が重要となります。それはお子さまの存在承認をしていくことです。妊娠した時からこれは始まり、「おなかに宿ってくれて、ありがとう」、「お母さんとお父さんはあなたに会えることがとても楽しみよ」と。生まれてからは「生まれてきてくれてありがとう」、「○○ちゃんがいてくれて、お母さんもお父さんも幸せよ」。
子育ての軸は、「良いことをしたから大好き!」ではなく、「悪いことをしたからもう知らない!」でもありません。良いことをしたら、「○〇してくれたの? お母さんとっても嬉しい!」。そして、こう続けます。「でも良いことをしてもしていなくても、あなたがいることそれだけで幸せよ」。このように、その子の存在をしっかり認めて愛していけば、必ず自己肯定感は高められます。

こういった関わり方をされたお子さまは、将来失敗しようと成功しようと自分はありのままで良いと思えるので、失敗を恐れません。目の前の困難に自ら立ち向かい、かつ自信にあふれていますから、他の人へ何かをしてあげたくなります。こうしたお子さまは人生を生きていくうえで迫りくる困難に果敢に立ち向かい、周りに愛を提供できる人となります。そんな人が近くにいたら、応援したくなりますよね! 知識や能力が多少足りなくても、周りの人が助けてくれる幸せな人生を送るようになるのです。

子育てにおける理想的な父親像

幸せや成功はお母さまだけでは無理

朝見さん3

エデュ:家庭において理想的な父親像とは何でしょうか?

朝見さん:奥さまへ感謝と関心をもって共感し、認めることができる人が理想的な父親像だと思います。ほとんどの奥さまは、何がほしいとか、何をしてほしいとかではなく、共感され認めてもらうことを求めています。コミュニケーションを上手に取ることで、夫婦間の対立はほとんどが解消されます。

また、父親としての役割を果たしていただくことも重要です。母親は子どもに安心と安全を与える場となるのですが、父親は集団生活を送るうえで、長としての役割があります。子どもは幼稚園年中くらいから、それまでは母親の意見に従属していたのが、自分の意見や考えを主張するようになります。そのくらいから、父親は、この家族という集団生活において必要な働きをすることの重要性、つまりは集団生活を営むうえでの自分の役割を子どもに教育していくことが重要です。

エデュ:朝見さんの考える「子育てにおける幸せや成功」とは何でしょうか?

朝見さん:大人になって、自己肯定感、自尊心をもち、他者を信頼し、感謝の心で生きていくことができること。また、やりがいをもって他者や社会のために働き、安心・安全な場や人間関係を築いていけることだと思います。
6歳における幸せや成功は、以下の項目を掲げています。

〇子どもが自分自身の良いところも悪いところも好き
〇自分の身の回りのことや挨拶ができ、相手の目を見て話を聴くことができる
〇好奇心をもち、前向きに勇気の心をもって、行動したり、他の人を受け入れられる
〇先を考えて行動できる

我が家では大切なことを継承したくて「朝見家 格言」を作り、寝室に飾っています。夜寝る前に子どもと一緒に言っていましたら、3歳で覚えてしまい、今では自分から言うようになっています。まだ意味までは分かっていませんが、将来この意味に自ら気づくことを楽しみにしています。

【朝見家 格言】
壱.総てに感謝し、常に喜び、大切に生きる
壱.素直で、真面目で、勉強熱心
壱.与えるものは与えられる
壱.しあわせはいつも自分の心が決める
壱.目の前に起こりしことは総てみな、御親の愛の仕込みなりけり
壱.感じたことを信じ、信じたことを行動せよ

エデュ:最後に今後の目標とやってみたいことを教えてください。

朝見さん:最終目標としては、現在、産院や市区町村で実施されている母親学級に「子育て学 ペアレンティング」を組み込み、子育ての様々な予備知識とご主人や自分とのコミュニケーション方法を学び、修学した状態で子育てに突入していける社会にしていくことです。そのために、お母さまのための子育て講座を全国に発信し、全国を講演して回りたいと思っています。

また、文京区ワーキングマザーの会、専業・兼業、プレママ、ベビ待ちママをサポートできる、ママネットワークを拡大していきたいと考えています。

編集者から見たポイント

子育てにおける幸せや成功には、お母さまの自己肯定感を育てることが必須だと分かりました。お子さまのすることを即否定するのではなく、まずは共感しながら「肯定する」子育てに変えてみてはいかがでしょうか?
「朝見さんに会えるママカフェhttp://www.ishida.online/mamacafe.html」はこちらです。