これからを生きる子どもたちに必要な自己効力感とは?

inter-edu’s eye
第34回では、小学校受験に特化した教育を行っている「学びの道教育研究所」代表取締役の池田哲哉さんにインタビュー。これからの時代を生きる子どもたちに必要な能力、そして必要とされる人物像などをうかがってきました。

自己効力感が身につく幼児教室

短い時間で繰り返す成功体験

池田さん1
学びの道教育研究所 代表取締役池田哲哉さん

エデュ:まずは貴研究所の設立背景を教えてください。

池田さん:元々私は、幼児教育の教室事業を行っていたのでですが、小学校受験はどうしても子どもに無理をさせてしまうので、ひずみが生まれる現実を目の当たりにしてしまって…。男の子は「もうやりたくない!」などのネガティブな反応。女の子は一生懸命ついてこようとするけれど、期待に応えらえず暗い顔をしている。これは自分事ではなく、やらされている感があるのが原因なのですが、ちょっと違うなと感じて…。こちらから一方的に勉強を教えるのではなくて、子どものやる気パワーを引き出し、本当の学びの楽しさを知ってもらうことで、子どもは自立できる。そうなってほしくて、「学びの道教育研究所」を設立しました。

エデュ:プログラム内容の特徴は何でしょうか?

池田さん:グループ単位で課題を与え、問題解決を通し「自己効力感」が自然と身についていくのが特徴です。自己効力感とは一言で言うと、「自分は物事を解決する能力があるんだ」という確信ですが、これは成功体験や乗り越え体験を繰り返すことで高まっていきます。例えば30分の体験会では4~5回。年長の90分授業、年中の70分授業で細かいのも入れると約10回体験することができます。

簡単なところだと「言葉かけ」があります。例えばテーマが自立であれば、自立していないのは依存している状態なので、「本当にみんなそれできるの?」、「お母さんに頼ればいいじゃない」とわざと私が悪役になって煽ります。そうすると子どもたちは「絶対できる!やる!」と声を張り上げます。これも立派な乗り越え体験になります。こういった経験を繰り返すことで、自己効力感が高まり、何か壁にぶつかったときも「自分はできる!」とチャレンジ精神が生まれます。

教育改革に敏感な親御さんに大人気

小学校受験は入社試験と似ている

池田さん2

エデュ:貴研究所に実際に来られるご家庭はどのようなご家庭が多いのでしょうか?

池田さん:自己効力感や問題解決能力に共感されて来られるご家庭が多いですね。今は2020年大学入試改革、学習指導要領の改訂で教育の空気感が変わってきています。小学校受験はもちろん視野に入れていますが、入学後のもっと長い人生の中で、自己効力感や問題解決能力があれば自立して人生を切り拓いていける。そういう考えを持った親御さんが多いですし、最近増えていると感じています。

エデュ:小学校受験をするご家庭を数多くご覧になってみて、失敗してしまうご家庭の特徴などありますか?

池田さん:あくまで私の考えですが、「周りを押しのけて勝ち抜こうとしているご家庭」です。中高大の受験でいうと、教科科目で点数を競っていた時代は周りより点数が高ければ、合格。でも小学校受験はそうではなく、入社試験に近いところがあります。入社試験は「私が入社することで、あなたの会社はこれだけ良くなります」と説得できれば採用に近づけるわけです。

これを小学校受験に置き換えると「私たちが学校に入ることで、あなたの学校コミュニティはこれだけ良くなります」と説得できれば合格に近づくことができます。一昔前はペーパーテストの点数で受かる確率が高かったですが、近年は合否との連動性は薄くなりつつあります。

これからの子どもたちに必要な能力は?

この人となら困難を乗り越えられる

池田さん3

エデュ:私立中高の教育では「リーダーシップ」という言葉を良く聞きますが、池田さんの考える「リーダーシップ」とは何でしょうか?

池田さん:一昔前だと周りを引っ張っていくのがリーダーシップと言われていましたが、私が考えているのはコラボレイティブなリーダーシップ。例えばチームで何か目標を達成するときに、人によって、当然得意・不得意があり、成果の出し方が全然違うわけです。そこをしっかり見抜き、お互いに信頼し合い協力し目標を達成できる。これがリーダーシップであると思います。

エデュ:これからの時代を生きる子どもたちに必要な能力は何でしょうか?

池田さん:人間として良い存在であり、個性を持ち、人とコラボレーションできる能力です。何か困難が起こったときに、特別な能力を持っているのももちろ大事ですが、この人となら困難を乗り越えられる、この人とならできそうな気がする、そういう存在がチームの一員になれると思っています。一番大事なのは問題を解決する瞬間であり、大変な時期を乗り切れるかどうか、そういうときに多くの人が力を貸してくれるかどうかです。

エデュ:最後にこれからの目標を教えてください。

池田さん:良い存在が出逢い、お互いの価値を出し合って何かを創り上げる、「サード・プレイス」を作りたいです。サード・プレイスとは家や学校、職場とは別の心地の良い第3の居場所を指します。なぜこのような場を作りたいかというと、学校は多様な人間はいますが、根幹には良い子でいなさいというメッセージがあると思っています。こういったカテゴリーでは力を発揮できない子が力を発揮できて、それを迎え入れてくれる場所がある。そこで学年・性別、大人、子ども関係なく一つのプロジェクトをチーム単位で、困難を乗り越えながら創り上げる。これが未来の教育の形だと私は思っています。

編集者から見たポイント

今回の取材を通し、先行き不透明な時代だからこそ、「自己効力感」、「問題解決能力」の重要性を感じました。授業の様子をぜひ見てみたいという方は体験会に参加してみてはいかがでしょうか?
「学びの道研究所http://manabinomichi.com/」はこちらです。