うちの子、医学部目指せるかしら!? ~後半~:大学リサーチ第3回

うちの子、医学部目指せるかしら!? ~後半~2014年5月12日

inter-edu’s eye

「我が子のチャンスを最大限に広げたい」母親であれば誰もがそう思うでしょう。人気の医学部進学を目指すご家庭では、その狭き門をくぐるため、お子さまが小さいうちから手を尽くしたいとお考えなのではないでしょうか。そんなお母さま方の今やるべきことを知るべく、前半に引き続き、医歯専門予備校メルリックス学院の田尻友久学院長にお話を伺いました。

田尻友久 学院長プロフィール

プロフィール
医歯専門予備校メルリックス学院
田尻友久 学院長
著書:「今年きみが医学部に合格する本」(文英堂)

◆過熱する医学部受験で気をつけるべきこと

田尻友久学院長1

日本私立学校振興共済事業団が発表した調査『平成25年度私立大学・短期大学等入学志願動向』によれば、医学部の志願倍率は、その他多くの学部が1桁に留まる中、20倍を超えます。平成24年度23.90倍、平成25年度26.65倍で前年と比較しても2.75ポイント増加しています。田尻学院長によれば、「この増加傾向は今後も続くでしょう」とのこと。

志願者が増え、倍率が高まるとなると、多くのお母さま方は不安に思われるかもしれません。しかしながら、田尻学院長はこうも続けます。「志願者は増えていますが、医学部の定員も増えています」と。同調査を確認すると、医学部の入学定員は平成24年度3,552人、平成25年度3,660人ということで、108名増えています。また、私立の医学部は学費を下げている傾向にあるとのこと。「医師不足である今、優秀な人材を集めるために学費というハードルを下げる傾向にあるのでしょう」と教えてくださいました。

「情報が多い世の中、危険なのは噂に流されてしまうことです」と話す田尻学院長は、「状況がどうであっても、大切なのは本人の気持ちとがんばり。お母さまが変な噂話をお子さまに話すことで、本人のやる気を奪ってしまわないよう気をつけてください」と忠告されます。

◆ご家庭でお母さまが今からするべきこと

田尻友久学院長2

医学部受験の概況を踏まえ、各ご家庭ではどのような教育を心がけるべきなのでしょうか。田尻学院長に伺うと、「繰り返し言いますが、医学部受験に一番大切なのは本人の『医者になりたい』という強い気持ちです」と前提を掲げ、「まずはお子さまに医療に対しての興味を持たせるきっかけ作りが必要です」と続けます。具体的には、「たとえば医療に関する漫画やテレビ番組でもいいんですよ」と、意外な提案。「医学部のある大学の文化祭に行くのもいいですね。学生の白衣姿を見て憧れるお子さまも少なくないでしょう」と、多くのご家庭で簡単に試せそうな「きっかけ作り」を教えてくださいました。

また、お子さまにどんな力を身につけさせればいいのか伺うと、田尻学院長は「やらなきゃいけないことをしっかりやる力です」と回答。「そのためには小さなころから習慣づけることが必要です。たとえば、夜遅くなってしまっても宿題は終わらせてから寝る! など、一つひとつの積み重ねの教育が重要なのです」と続けます。

また、「今、お子さまを過剰に大事にしすぎてしまうご家庭が多いように思います」と心配する田尻学院長は、「大学受験は、ずっと順調にスイスイ進むわけではありません。それでも嫌なことから逃げず、目的のために勉強を続ける力が必要。それを理解し、お母さま方はお子さまの成長に合わせた教育を心がけるといいでしょう」とアドバイスをくださいました。


前後半にわたり医学部受験についてうかがった田尻学院長のお話、いかがでしたでしょうか。これまでお子さまの医学部受験をなんとなく思い描かれていたお母さま方は、ぜひこの機会に目標を明確に定め、まずはお母さまご自身が「今やるべきこと」を行動に移してみてはいかがでしょうか。