弁護士を目指すなら! 強い大学はどこ?:大学リサーチ第5回

弁護士を目指すなら! 強い大学はどこ?2014年6月9日

inter-edu’s eye

『第69回エデュママアンケート調査』で、「将来、わが子に行ってほしい学部」として医学部、理工学部に次いで3番めに人気だった法学部。理由の一つとして挙げられたのは「弁護士を目指しているから」というものでした。弁護士を目指すなら、司法試験に受からなくてはなりません。司法試験の「今」を知り、高校卒業後どのような進路を考えればいいのか、考えてみましょう。

■法科大学院に行かなくていいの?

法科大学院に行かなくていいの?

最近、インターエデュの掲示板で法科大学院が話題に挙がっています。法科大学院とは、法曹に必要な学識および能力を培うことを目的とし、2004年に創設された専門職大学院です。2006年に始まった新司法試験(現:司法試験)では、その受験資格として、法科大学院の修了が課されました。お母さま方の多くは、この情報のイメージが強く、「法科大学院に行かないと司法試験は受けられない」と思われているのではないでしょうか。

ところが、2011年から司法試験予備試験の実施が始まり、こちらに合格すれば、法科大学院に行かなくても司法試験受験資格が得られるようになりました。この試験は学歴や年齢などの制限がなく、受験料を払えば誰もが受けられるため、現役の大学生でも勉強をすれば、チャレンジできるのです。

■最新! 大学別の予備試験合格率

では、チャレンジした大学生のうち、どの程度の割合で合格しているのでしょうか。法務省が発表した「平成25年司法試験予備試験」によれば、大学生が受験者2476名、合格者107名、合格率4.32%。法科大学院生の受験者1497名、合格者164名、合格率10.96%と比較すると大きく劣るものの、現役大学生と現役法科大学院生ということで考えれば、まずまずの結果なのではないでしょうか。

大学別(合格者数3名以上)に見てみると、合格率上位5大学は以下となります。これらの大学は、他大学と比べ抜きんでて「強い大学」と言えるでしょう。

・東京大学 11.69%(受験者351名、合格者41名)
・一橋大学 9.10%(受験者66名、合格者6名)
・京都大学 5.88%(受験者85名、合格者5名)
・慶応義塾大学 5.83%(受験者309名、合格者18名)
・中央大学 5.21%(受験者364名、合格者19名)

また、早慶上・GMARCHで上記以外の受験・合格状況を見ると、下記のとおりです。かなりの難関であると言えるでしょう。

・早稲田大学 受験者228名、合格者4名
・上智大学 受験者30名、合格者0名
・学習院大学 受験者26名、合格者0名
・明治大学 受験者106名、合格者2名
・青山学院大学 受験者25名、合格者0名
・立教大学 受験者33名、合格者0名

なお、予備試験を経て司法試験に挑んだ受験者の合格率は71.86%(受験者167名、合格者120名)。全体の合格率が26.77%(受験者7,653名、合格者2049名)なので、予備試験合格者の実力はかなり上位なのだと分かります。

■弁護士の現状と傾向

弁護士の現状と傾向

険しい道を経て得られる司法試験合格の切符も、その後の仕事につながらなければ意味がありません。法務省が発表した「法律事務所の弁護士求人アンケート 2011」によれば、弁護士志望者数に対する求人数の割合が大幅に減少傾向であること、また新卒弁護士の給与も年々減少傾向であることが明らかにされています。

以上のことから、弁護士を目指している方にとってはとても厳しい状況であることは否定できません。とはいえ、人権を守り、正義を実現する、多くの人のあこがれの職業であるのもまた事実。「ぜったい弁護士になる!」というお子さまの強い意志があるのであれば、お母さま方は、「強い大学」をしっかりチェックするなど、導いてあげる心構えでいられるといいでしょう。