inter-edu’s eye
2017年3月に神田外語大学と締結した高大連携の一貫として進められてきた、自立学習支援施設『K-SALC』が9月1日に完成し、前回の記事では概要をご紹介しました。
今回は、オープン直後の『K-SALC』にて、ネイティブ教員と生徒に、これからの目標や展望について詳しくお聞きしました。
ネイティブ教員インタビュー
語学習得のキーは「モチベーション」
自立学習を実践する場としての『K-SALC』。その利用価値はどこにあるのか、ネイティブ教員のジェレムス先生とアサミ先生にお聞きしました。
ジェレムス先生:今までは、プレゼンの練習や英検対策に集中できる施設がなく、十分な準備ができなかったり、分からないところが解決できずに悩んでいる生徒も多くいました。ところが、『K-SALC』ができたことで、そういった学習に集中して取り組めるようになり、その場でうまくいかないところを、ネイティブ教員にすぐ相談できるようになりました。
このように、対策をネイティブ教員と一緒に考え、努力して「できた!」という成功体験を『K-SALC』でたくさん積むことが、英語学習へのモチベーションに繋がります。
アサミ先生:日本の大学生に聞くと、英語への苦手意識を持ち始めるのが、単語や文法の学習が本格的となる、特に中学2年生からのようです。ですから『K-SALC』では、英語でカラオケをしたり、映画を見たり、ハロウィンやクリスマスなど季節ごとのイベントを行い、「英語を楽しく使える場」として、苦手の芽を摘んでいきたいです。
また、このようなラーニングセンターは海外の学校では多くありますが、日本の中学校・高等学校では初めてです。ネイティブ教員と1対1の学習の機会を持てるのは、大きなアドバンテージですし、モチベーションが上がります。
ラーニングアドバイザーとは?
高大連携がもたらす、新たな取り組み
『K-SALC』の利用価値がさらに高まる取り組みがあります。それは、神田外語大学の先生が週1回3時間、『K-SALC』を訪れ、生徒たちの語学学習へのアドバイスを行うことです。詳しい内容を、メイナールド先生にお聞きしました。
メイナールド先生:高校2年生、3年生になると、英語の勉強が、試験や将来の仕事のためという「外発的動機」になり、勉強が楽しくなくなる時期です。ところが、研究結果から、外国語の習得に影響を与えるのは、「内発的動機」であると証明されています。
そこで、重要になってくるのが、生徒の内面から出てくる望みや目標といった「内発的動機」をどのように引き出し、性格も鑑みながら、どういう風に学習を進めたらよいかをアドバイスするのが、『ラーニングアドバイザー』の存在です。
『K-SALC』には、プロの『ラーニングアドバイザー』である神田外語大学の先生が来て、生徒にヒアリングし、どうやったら楽しく、効率よく勉強ができるかを一緒に考え、生徒が自ら答えを出せるように導いていきます。この自立学習の体得により、大学進学後は、先生に頼らず、自分にあった勉強の仕方を考え、自ら目標を設定し、どのように達成できるか、計画を立てられるようになります。
また高大連携の一環で、ネイティブ教員も『ラーニングアドバイザー』から指導を受け、同じアドバイスができるので、生徒にとって大変心強いと思います。
生徒インタビュー
『K-SALC』はこう使いたい!
『K-SALC』は、おしゃれなオフィスのようで、インテリアにも女性らしさが感じられ、リラックスしながらも、やりたいことに集中できそうな雰囲気です。生徒たちはどのように感じたのでしょうか。
インターエデュ(以下、エデュ):『K-SALC』の第一印象について教えてください。
中学生 M.Kさん:植物があったり、壁がレンガだったり、色合いも豊かで、おしゃれです。以前は真っ白な机が並んでいるだけのラウンジでしたが、このように変わって、とても嬉しいです。
中学生 T.Iさん:勉強が苦手な人でも、ここに来るのが楽しくなって、今よりもたくさん勉強ができそうだなと思いました。
エデュ:お気に入りになりそうな場所はありますか?
中学生 K.Aさん:3人席は、大テーブルの場所との仕切りがあるので、周りを気にせず、落ち着いて勉強できそうです。
高校生 K.Mさん:ソファ席は家にいるようにくつろいで勉強ができることが魅力です。
高校生 T.Iさん:丸テーブル席は、大人数で話すとき、両隣の人の顔が見えて、相手の表情を見ながら活発にディスカッションできそうです。
エデュ:英語4技能の中で何が苦手ですか?また苦手を『K-SALC』でどのように克服していきたいですか?
中学生 M.Kさん:【苦手はReading】いろんな種類・テーマの本があり、知らない単語を学べるので利用していきたいです。
中学生 T.Iさん:【苦手はWriting】基礎ができていないので、先生に相談して一からやり直したいです。
高校生 K.Mさん:【苦手はSpeaking】普段、恥ずかしくて先生と目を合わして会話ができないですが、ここではみんな英語なので、克服できそうです。
編集者から見たポイント
生徒会長である高校生T.Iさんの話では、学校に対する要望を、先生方が生徒の自主性を育てるために受け入れてくださり「生徒主体のいい学校になってきている」とのこと。自分たちから変わっていかなくては、世の中のグローバル化に追いつけないという考え方だからです。施設というハード面だけではなく、人材育成のソフト面にも、新しい風が吹く神田女学園。大いに期待が持てそうですね。
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