inter-edu’s eye

面倒見のよさに定評のある神田女学園中学校高等学校。今年度、新たな副校長が赴任し、「より進化させ、実績をつくる」という決意のもと、イノベーションを起こそうとしています。これから、同校に何が起こるのでしょうか。副校長の前田朝輝先生にお話をうかがいました。

副校長が考える「教育の在るべき姿」とは?

教育の在り方について考える

副校長 前田朝輝先生

副校長 前田朝輝先生

私は、これまで私立中高一貫の共学校3校を経験するなかで、ずっと教育の在り方について考えてきました。日本でいう「教育」を意味する“education”は、ラテン語で「外へ」を意味する“e”と、「引き出す」を意味する“ducere”が語源となっています。つまり、生徒が外へ向かって出ていくのをサポートする、ということを表しているのです。鳥の卵がふ化するとき、親鳥が外から割るのではなく、ひな鳥が中から割って出てきますよね。これから必要となる「面倒見のよさ」とは、こういうものなのではないでしょうか。

生徒を見れば、学校がよく分かる

今年4月に本校へ赴任し、素直で落ち着いた生徒たちの姿を見て、「きっと先生方の面倒見がいいんだろう」と思いました。「生徒は教員の鏡」といわれており、生徒を見れば、その学校がどんなところかよく分かるのです。ただ、その「面倒見のよさ」は、先ほど私が定義したものに、まだなっていないように感じました。そこで、いまある本校のよさを活かしながら、より生徒を自律させるためのツールを提案したのです。それが、「DEタイム」「KANDAラーニング」「PDCAサイクル」です。

人生をかけて使命を果たす

私に与えられた使命は、本校をより進化させ、実績をつくることです。ここから先の人生を賭けて取り組みたいと思っています。まずは、これまでの経験を踏まえ、教育環境をリニューアルしていきます。時代の変化に合わせて、よりよい教育を追求しつづけるのです。新たなスタートラインに立ち、「GMARCH」を本気で狙っていきます。

神田女学園が仕掛ける新たな取り組み

前田副校長の決意に触れたインターエデュは、具体的な取り組みについてインタビューし、これからの神田女学園をさらに深掘りしました。

インターエデュ(以下、エデュ):貴校がこれから手がける具体的な取り組みについて教えてください。

DEタイム

DEタイムは時間割の一部として導入。

前田副校長(以下、先生):まずは、「DEタイム」の導入です。
「DE」とは、“Developmental Education”の略で、「開発教育」を意味します。これは、大学における「リメディアル教育」がもとになっており、「コンプレックスが自信に変わる」といった実績のある取り組みです。実際、私が過去に在籍していた学習塾業界でも成功例をみてきました。生徒の弱点克服、つまり「人生のやり直し」を早期にさせてあげる機会。これを、25分間の自己学習時間として、毎日の時間割に組み込むことで、確かな学力を身につけさせます。生徒はこの時間に、それぞれに必要な課題に取り組みます。これにより、弱点のない生徒を先に進ませることができるようになります。「できた生徒を待たせない、遅れた生徒を急かさない」をモットーに、個人対応をしていきます。

※リメディアル教育…大学教育を受ける前提となる基礎的な知識等についての教育(文科省用語解説より)


エデュ:この先の長い人生を見据えたご指導ですね。目の前の目標である大学受験に向けては、どのようにアプローチしていくのでしょうか?

先生:授業に「KANDAラーニング」を取り入れていきたいと考えています。
これは、教員の説明が9割を占めていた従来の授業スタイルに疑問を感じた本校が、その学び方を再定義したもの。時間配分を逆転し、生徒が個々に問題を解き、必要に応じて教員が対応する、という学習法です。授業の始めに前の授業の「復習演習」を、終わりには、現在習っている内容の「課題演習」を行うことで、「分かる」を「できる」に変えていきます。

エデュ:3つのツールの最後の1つ「PDCAサイクル」は、これまでも生活記録ノートなどを使って実践されていましたが、どのように違うのでしょうか?

生徒を自律させるためのツール

3つの歯車により、生徒の自律を促し、より高みへと向かっていきます。

先生:「PDCAサイクル」はその言葉通りですと、計画(P=Plan)がまず最初に来ますが、そうではなく、「実行」(D=Do)が最初にある、という考え方です。まず実行をして、振り返る(C=Check)。そして、課題設定(A=Action)をして、次の計画(P=Plan)を立てる。現在進行形のものから始めるわけです。中でも特に、「振り返り」が最も重要と考えています。「できたかどうか」ではなく、「“どう”できたか?」をしっかりと振り返ること。そうすることで、このサイクルを独力で回せるようになっていきます。そしてその力は、生徒たちの「自律」につながっていくと信じています。

編集者が見たポイント

最初は、先生のお話を「理想的な教育」と感じると同時に、果たしてその通りに進むのかどうか、と失礼ながら懐疑的になる部分もありました。しかし、先生が目にしてきた多くの成功例や、一貫した教育哲学が、確固たる根拠としてあることがわかり、疑問は大きな期待へと変わりました。今回ご紹介したお話は、実は先生のお考えのほんの一部です。今後、学校説明会でも先生のお話を聞くことができるかもしれませんので、是非足を運んでみてください。

イベント日程

内容 日程 時間
オープンスクール(授業・クラブ)
※要予約
7月10日(日) 9:00~12:00
グローバルクラス トライアルレッスン
※要予約
9月3日(土) 14:00~16:00
学校説明会 9月24日(土) 10:00~11:00