生徒の夢を実現する「オーダーメイド教育」
inter-edu’s eye
2019年度から日本大学準付属校となり、人気が高まっている目黒日本大学中学校・高等学校(以下、目黒日大)。今回は昨年9月から校長に就任した南尊雄先生にインタビューを行い、教育内容や目黒日大ならではの魅力、今後の展望について、じっくりお話をうかがいました。
生徒一人ひとりに寄り添い、自己肯定感を高める
インターエデュ(以下、エデュ):南先生が歴任してきた学校での指導や、カウンセラーとしての活動から得た教育への知見についてお聞かせください。
南先生:生徒と接するうえで、カウンセラーに必要な基本姿勢である「受容」「共感」「自己一致」の3つが非常に大切だということです。生徒に歩み寄って話を聞き、考えや気持ちを理解して共感することで、生徒に自己肯定感が生まれ、さらに、「先生ならわかってくれる」と心を開いてくれるようになります。授業でも生徒の自己肯定感を高めることは大切で、これを実現するのが本校の「オーダーメイド教育」だと考えています。
エデュ:オーダーメイド教育とは、どのような内容なのでしょうか?
南先生:生徒一人ひとりとしっかり向き合い、丁寧に支援する教育です。クラス全員に向かって一斉に「授業を教える」のではなく、生徒同士の学び合いや教員と生徒のコミュニケーションを取り入れた「授業で教える」指導により、生徒の個性を伸ばしていきます。たとえば、授業中に当てられて答えられない生徒がいたら、叱るのではなく、どうして答えが出ないのか聞いて、正解に至るまでの考え方を手助けします。こうすることで生徒の自己肯定感を高め、「自分はやればできる」という自己効力感につながるよう、導いていきたいと考えています。
エデュ:生徒一人ひとりに寄り添うことに重きを置いているのですね。
南先生:「玉磨かざれば光なし」という言葉がありますが、宝石の原石が磨かれなければ美しい光を放たないのと同じように、人間も優れた才能や素晴らしい素質を持っていても、磨かなければ立派な人物になることはできません。生徒一人ひとりと向き合って才能や素質を磨き上げることが、私たち教員の使命だと思っています。
エデュ:ほかに心がけていることはありますか。
南先生:今はコロナウイルスの影響で難しいですが、「挨拶と思いやりの心は人間関係の潤滑油」だと考え、毎朝校門に立って生徒を迎えることを長年続けてきました。私は教員にはホテルのフロントマンのようなホスピタリティが必要だと考えています。生徒たちは毎朝さまざまな思いを抱えて登校してくるので、気持ちよく声をかけることで、生徒の1日がよいものになるようにしたいのです。
日大と連携し、生徒の力を伸ばす
エデュ:日大準付属校となり期待が高まった保護者に感じてほしい“目黒日大ならではの魅力”を教えてください。
南先生:子どもを安心して預けられる学校だということです。生徒が自宅で今日の出来事を両親に話したくなるような学校を目指し、中学3年間は精神的にも肉体的にも成長できるように支え、高校3年間では自分探しと夢の実現をサポートしたいと考えています。そして、社会人になったときに「目黒日大に入学したから今の自分がある」と思ってもらえるように努めたいです。
本校は保護者の方々の大きな期待に応えられるよう尽力しますが、中高生の成長には保護者のサポートも必要不可欠です。生徒がトロッコだとすると、学校と保護者の2本のレールがあってこそ、生徒は高校卒業までしっかり走り切ることができます。反抗期などもあると思いますが、本校の指導方針をご理解いただきながら、お子さんをサポートしてもらえたらと思います。
エデュ:新たに実施する指導や今後の展望を教えてください。
南先生:これまでの長所は大切にしつつ、日大と連携した学びを実践したいと思っています。進学コースの生徒たちは、高校生から日大の自分の目指す学科の授業を受講できるようにしたいです。スポーツ・芸能コースの生徒も、スポーツクラスは大学教授からスポーツをすることの意味や目的、栄養学などを教えてもらったり、芸能クラスは芸能活動によって生じる影響や効果などを学んだりできればと思っています。
また、中学から入学する生徒に関しては、大学合格実績を伸ばし、東京大学への合格者も輩出したいと考えています。
エデュ:南先生が普段から生徒にかけている言葉はありますか。
南先生:日大の付属校なので生徒全員が日大に進学する権利を持っていますが、ほかに行きたい大学があればぜひチャレンジしてほしいと伝えています。受験勉強はモチベーションが大切で、これまでも志望校への熱い想いによって偏差値がグッと伸びた生徒をたくさん見てきたので、本当に行きたい大学が見つかるよう手助けをしたいと思っています。そして、憧れの大学に合格するのはもちろん素晴らしいことですが、それはゴールではなく、自分の描く夢まで辿り着けるように、大学に入っても努力を続けることが大切だとも伝えています。
また、人工知能などのテクノロジーが急速に進化している今、次世代を生き抜くためにはICTを使いこなす力が不可欠です。そのために、物事に対して自分から「なぜなんだろう」と疑問を持ち、考える意識を持つよう、促しています。
エデュ:最後に、受験生にメッセージをお願いします。
南先生:フランスで活躍した哲学者・ジャン・ジャック・ルソーの言葉に「人は二度生まれる」というものがあります。一度目は母から生まれた人類の一員としての誕生、二度目は高校や大学を卒業した社会の一員としての誕生で、学校は二度目の誕生のお手伝いをする場だと考えています。本校に入学した際は親御さんと一緒に成長をサポートするので、学校生活の中で自分自身のモチベーションを高めて、夢を見つけてほしいと願っています。
編集者から見たポイント
学校カウンセラーの資格を持つ南先生の言葉はとても温かく、生徒の成長を優しく見守りながらよりよい学習環境を作るために尽力する姿が印象的でした。挨拶を大切にする南先生の気持ちが生徒に伝わっているのか、目黒日大を訪問するといつもすれ違う生徒たちがさわやかに挨拶をしてくれます。そんな明るく活気ある学校のようすを、ぜひイベントなどに足を運んで体感していただきたいです。
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