新校長に聞く「海外大学進学」好調の背景

新校長に聞く「海外大学進学」好調の背景

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2022年度の海外大学進学実績が国内トップクラスの結果を出している茗溪学園中学校高等学校(以下、茗溪学園)では、海外からの留学生受け入れをはじめとした真の国際教育が始動しています。未来の世代が迎える時代の変化や、今後の学内体制などについて、宮﨑淳先生からご紹介いただきます。

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これからの子どもたちが目指すべき未来とは

2021年度より校長に就任された宮﨑淳先生から、従来の教育制度に見られる問題点や予想される未来の社会についてうかがいました。

茗溪学園校長の宮﨑淳先生
茗溪学園校長の宮﨑淳先生

先生がお考えになる従来の教育観について教えてください。

宮﨑先生今、社会は現在進行形で大きく変わり、過去とは異なる次世代の価値観が生まれようとしています。かつて、日本の教育は、「集団の中での個人」の育成を重視してきました。個人の役割や協調性などが集団内でどうあるべきか、私たちがどう振る舞うべきかを求められてきたのです。しかしながら、この先の時代の社会では、「独立した個人」としての姿勢も求められていきます。「集団の中の個人」という考え方から、自己実現のために好きなことを自分で考えて、手段も自分で決めるというような生き方が批判されにくい時代にもなっていくでしょう。
私たちの親の世代は、「受験偏差値」を軸とした大学進学を経験してきました。就職や昇進、そして収入が、幸せに対する主な価値として定義された時代を過ごしてきたのです。その考え方は現在の日本社会においても、一般的な価値観として受け止められています。主に「受験偏差値」を基軸とした学力観、進学や就職の「椅子取りゲーム」とでも言うべき競争によって、幸せの価値を決めてきた場面が主流だったと思います。

異なる文化背景を持つ生徒が集まった帰国生クラスの授業風景
異なる文化背景を持つ生徒が集まった帰国生クラスの授業風景

子どもたちを待ち受ける未来の社会について、どのようにお考えでしょうか。

宮﨑先生本来の幸せには、物質的な面もさることながら、自らが望んだ進路に進み、精神的な満足を得ながら生活をするという意味合いが含まれています。ですから、ポジションやステイタス、収入などといった従来の既成観念に偏ることなく、自分自身の「興味関心」を軸とした職業に就くということや、個人の希望に沿った生活を目指すということが認められる時代になっていくと考えています。
日本の社会では未だ、中学や高校の段階において興味関心を広げて具体的な将来観を持つことよりも、「目先の受験勉強」が重視されており、将来を決めるのは大学入試の段階だったり、就職活動の段階であるというような考え方が根強く残っています。しかし現在の大学では、学業とともにインターンシップやボランティア活動、海外留学など、大学1年生の時点からそれぞれがキャリアを積んで社会に出ていく準備をするように変わってきており、ゆっくりと自分探しをしている状況ではなくなっています。
また、私たち親世代のように、同じ会社や団体・組織で定年退職まで一生懸命に働くというような働き方は少なくなっています。自らチャンスを求めて、1つの会社・場所・シチュエーションにこだわらない働き方や生き方になっていくと思います。未来を生きる世代のお子さんは、さまざまな場面で「過去の経験」が当てはまらない時代を過ごしていくことになるのです。

高校女子による体育授業でのダンス発表会
高校女子による体育授業でのダンス発表会
桐創祭(文化祭)でのダンス部パフォーマンス
桐創祭(文化祭)でのダンス部パフォーマンス
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これからの時代を生き抜くためにはどのような考え方が必要なのでしょうか。

宮﨑先生私たちが生きてきた過去よりも、次元の異なる夢やステージがあり、かつ困難な環境が待っている可能性もあると考えているため、本校の生徒には早い時期に目標・目的意識を持たせ、実現に近づくための学習や諸活動を行い、学習と並行して「自分探し」を推奨しています。生徒自身が自分なりの生き方を決めるということですね。
茗溪学園での3年間、6年間という期間では、基礎学力や受験学力の獲得と並行しながら、興味関心を軸とした「自分だけの人生の椅子探し」をやってもらいます。それが意味するのは、人生の椅子取りゲームではなく、自らの理想の生き方を見出し、そこに至るまでの道のりを歩み始めるというものです。

自分探しの集大成となる高校での個人課題研究発表
自分探しの集大成となる高校での個人課題研究発表
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留学生と相互に成長する在校生たち

早い段階から校内のグローバル化や大学との連携を取り入れてきた茗溪学園の今後についても、詳しくお話しいただきました。

海外からの留学生を多数受け入れてきた国際教育の展望を教えてください。

宮﨑先生1979年の創立時より「帰国子女受入れ校」として世界各地から多くの帰国生たちを受け入れ、国際理解教育に重きをおいて交換留学や海外現地校との交流・派遣などを積極的に行ってきました。また、2011年から文部科学省スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校となり、SSH事業と連携した国際化を推進しながら、これまでに台湾・台中女子高級中学、タイ・チュラロンコン王立大学付属中高、ベトナム国家大学ハノイ外国語大学付属高校、インドネシア・プラディータ・ディルガンタラ高校など、ASEAN各国を代表する名門トップ校との提携をしています。
さらに茗溪学園は、筑波大学との連携協定の中で「Global化推進」を掲げ、2025年には高校生の5%(約40名)、2030年には高校生の10%(約80名)を海外からの長期留学生とすることを目的としています。ここで言う長期留学生とは、茗溪学園で2年間、もしくは3年間を学び、本校の卒業資格を得てから世界中の大学に進学をしていく生徒のことです。今の中1生(47回生)が高校に進学をする頃には、高校全体で50名を超える長期留学生が校内で学んでいると思います。最終的には100名近い長期留学生が在籍することにより、校内のグローバル化を図り、在校生と長期留学生がともに学び、協働することによる「相互の成長」を目指しています。2022年には合計25名を超える長期の海外留学生たちが在籍する予定となっていますよ。

SSH指定校のノウハウを存分に活かした中学化学授業
SSH指定校のノウハウを存分に活かした中学化学授業
座学では得られない発見の喜びを体験できる授業形式
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SSH指定校としての取り組み ≫

2021年度は海外大学の合格者数が圧倒的でしたね。

宮﨑先生茗溪学園は国際バカロレア認定校ですが、2022年3月に卒業した3期生16名全員が「IBディプロマ」を取得し、そのうち9名が「バイリンガル・ディプロマ」(2か国語を自由に操れることの証明)も取得できました。また、2021年度の海外大学合格実績については、インペリアルカレッジ・ロンドン、ユニバーシティーカレッジ・ロンドン(UK)、トロント大学(カナダ)、メルボルン大学(オーストラリア)など、世界ランキングトップの大学を含めた海外大学に延べ100名超の合格者がありました。さらに、多数の大学奨学金給付資格も得ることができました。
2022年度もこれまでの教育活動に加え、留学生受け入れの活発化をはじめとする校内グローバル化推進、国内外の大学との連携強化、新たな教育価値創造に向けた環境整備など、さらなる教育内容を充実させるための学校づくりに努めてまいります。

帰国生とともに国際理解を深めていく茗溪学園独自の学び
帰国生とともに国際理解を深めていく茗溪学園独自の学び
国内外の大学合格実績 ≫

編集後記

東京大学をはじめとした国内難関大学に多数の合格者を出している茗溪学園ですが、実は海外大学への進学実績が国内トップクラスである点にも注目すべきでしょう。宮﨑先生のコメントにあったように、今後の留学生受け入れによって、さらにその特色に磨きがかかることが予想されます。真の国際教育に力を注いできた茗溪学園の教育現場から目を離せません。

イベント日程

イベント名 日時
第2回「学園説明会」 2022年9月24日(土) ※小学生・中学生(海外生・帰国生も)対象
中学高校「入試説明会」 2022年10月22日(土) ※小学生・中学生(海外生・帰国生も)対象
説明会・入試に関するお知らせ ≫

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