自分の思いを表現する 中村中高の英語教育

inter-edu’s eye
100年もの長きにわたり、深川・清澄白河の地で女子教育を行ってきた中村中学校・高等学校(以下、中村中高)。高校進学時に普通科と国際科に分かれる中村中高では、中学時代から英語に触れ親しむ機会がふんだんに用意されています。そこで連載第1回は、学校の英語教育を徹底紹介。国際教育センターの岡崎葵先生が、学校独自のプログラムや、英語4技能への取り組みについて語ってくださいました。
中村中学校・高等学校の英語教育について ≫テーマを決めて取り組むSummer School
中2全員参加の「国内Summer School」
深川は、松尾芭蕉が居住し、江戸三大祭で知られる富岡八幡宮があることなどから、江戸文化を色濃く残す街として知られています。
生徒は中学1年次に深川巡りをし、このときの知識をベースに2年次では英語で海外の方に深川を紹介します。
まず生徒4・5人がグループになり、深川に関するテーマを決め、まとめたものを英語に訳します。そして、3日間のプログラム「国内Summer School」で、グループに1人ずつ加わるネイティブの方に英語で街を案内します。

2年次国内Summer Schoolの様子
3日目にはこれまで調べた内容と、ネイティブの方とのフィールドワークの内容を盛り込んで、各グループが英語でプレゼンをします。そして、内容が優れていたグループは、英語でプレゼンする行事「NAKAMURA English Day」に出場します。
この行事で、生徒は英会話の楽しさを知り、英語学習へのモチベーションを上げていますね。
希望制の「海外SUMMER SCHOOL」
中学2・3年次には、希望者がアメリカまたはオーストラリアに11日間滞在する「海外SUMMER SCHOOL」が行われます。国内のときはグループでしたが、海外では生徒が1人でテーマを決めてフィールドワークを行います。

海外SUMMER SCHOOLの様子
以前、英語が不得手だった生徒が参加して、日本と滞在先のアメリカで“よく使われる食材”について調べ、帰国後にまとめました。内容が素晴らしく、最終的に彼女は、NAKAMURA English Dayの代表者に選ばれ、自信をつけたんです。彼女の予想外の成長を見て、英語のテストや授業には苦手意識がある子でも、プログラムを通して英語で表現する楽しさを知ってもらえるんだと実感しました。
海外SUMMER SCHOOLについてさらに詳しく ≫英語に慣れ親しむ環境
バランスよく4技能を底上げ
英語4技能については、授業で不足しがちな部分を意識して補い、バランスよく学べるようにしています。
<スピーキング・リスニング>
みんなの前で自己紹介や、プレゼンテーションをするなど、積極的にスピーキングの機会を設けています。また、ネイティブの教師が担当する英会話の授業では、習熟度でクラスを2つに分け、きめ細やかな指導を行います。
<リーディング>
本校には毎朝、読書の時間があり、週に1度は洋書を読みます。生徒が手に取りやすい、かわいらしい表紙の本を用意しており、たくさん読んだ生徒は“Reading Queen”として表彰されます。

最上階にある図書室「コリドール」にはズラリと洋書が並ぶ
<イマージョン教育>
中学1年の体育にはネイティブの講師が参加し、生徒は英語に触れながら体を動かします。
TOEFL Primary®
中学1年からの3年間、TOEFL Primary®の受験を必須とし、生徒の理解力を測ります。各自徐々にレベルを上げていき、国際科の全生徒はTOEFL iBT®を受験します。
中村中学校・高等学校国際科のTOEFL対策 ≫多彩な留学プログラム
多くの生徒に留学のチャンスを
高校進学時、生徒は普通科と、1年の留学を必須とする国際科に分かれます。中学時代のSummer Schoolは、生徒がコース選択を考えるきっかけになっていますね。ちなみに、国際科は2018年度から外部入学も可能になりました。
普通科の生徒には、夏休みにオーストラリアへ留学するチャンスがあります。2か月半滞在する「海外短期研修」と、18日間滞在する「語学研修」があり、生徒は自由にテーマを決めて現地でフィールドワークを行い、帰国後は必ずNAKAMURA English Dayでプレゼンします。
国際科の生徒の成長
国際科は、全生徒が1年、違う学校へ留学します。国際科の生徒は、各自のテーマに“ジェンダー”を絡め、滞在先でフィールドワークを行います。
帰国したサッカー部の生徒は、最初はイエスやノーしか言えなくて辛かったけれど、自らのテーマでもあったスポーツを通して壁を乗り越えられたと話してくれました。また、メールやLINEで各地にいるクラスメイトも同じ思いをしていたことを知り、困難に立ち向かう力が湧いたそうです。
国際科の生徒には、長く家を離れることから親のありがたみを痛感し、周囲の人に感謝するようになるといった成長が多く見られますね。

とある国際科の生徒の様子
受験生と保護者へのメッセージ
深川という地が関係しているのかもしれませんが、本校には人を大切にする人情味あふれた温かさがあります。かつて、高校3年生が6年間を振り返り、学校を“家”“愛”“十人十色”などと表現しました。ですから中村中高は、いろんな個性の生徒が居心地よく過ごし、愛着を持ち、家のように感じてもらえる学校ではないかと思います。

中村中高の温かみのある雰囲気について話す岡崎先生
編集者から見たポイント
岡崎先生は、「英語を学ぶだけでは上っ面の表現しかできません。生徒の知識や体験が、表現に深みをつけていくんです」と語ります。行事や授業に英語を組み込むだけでなく、生徒がテーマを決め、フィールドワークを行う問題解決学習も伴う中村中高の英語教育は、学校が目指す “自らの思いを英語で表現する力”の習得に向け、着実に生徒を導いていると感じました。
次回は行事にスポットを当て、新たな角度から学校の魅力に迫ります。お楽しみに!
イベント日程
イベント名 | 日時 | 概要 |
---|---|---|
生徒に会える学校説明会 | 5月12日(土) 14:00 | 生徒が学校生活を紹介します。 |
保護者に会える学校説明会 | 5月19日(土) 10:00 | 保護者との懇談の場を設けています。 |
体育祭 | 5月29日(火) | 東京体育館 |
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