タイ・カンボジアで社会と向き合う 聖学院の海外研修

タイ・カンボジアで社会と向き合う 聖学院の海外研修

inter-edu’s eye

グローバル教育に力を入れている聖学院中学校・高等学校(以下、聖学院)は近年、海外大学への進学実績を伸ばしています。その理由として、海外で学ぶ機会が多くあることが挙げられます。今回、インターエデュでは多彩な海外研修の中から、「タイでの社会貢献活動」「カンボジアでの社会課題解決」を目的とした2つを紹介! どちらも生徒の「貢献する心」を育てつつ、国際的な視野を広げています。

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タイ―山岳少数民族と「本当の友達」に

タイへの研修は有志の生徒約30人が毎年12月、タイ最北のチェンライ県に住む山岳少数民族のもとを訪れるというもの。訪問先の方々は国籍が与えられなかったり、貧困状態にあったりと弱い立場に置かれています。
そこで、農業支援や環境保全活動に取り組む施設「暁の家」でコーヒーの収穫を体験する他、親と暮らせない子どもたちが過ごす教育施設でボランティアをしながら共同生活を送ります。

コーヒー収穫実習のようす
コーヒー収穫実習のようす

この教育施設を運営する「メーコック財団」には聖学院の戸邉治朗・前校長も関わっています。これまで30年以上の歴史を誇る研修で多くの卒業生が貴重な出会いを経験してきました。インターエデュは昨年度の参加者に、研修の成果を聞きました。

Mくん
集団で行動する中で、人の意見を受け入れ、お互いによりよい結論を出すことができるようになったと思います。また、親のいない子どもに対する支援について考えるようになりました。社会問題について勉強して、解決することができる大人になりたいです。

Eくん
以前より何事にも積極的に取り組めるようになりました。研修ではコミュニケーションの大切さを実感し、「もっと英語を勉強したい」と強く思っています。これから、もっと言葉に気持ちを込めて会話し、多くの人とつながりたいです。

参加した生徒さんは研修を通して、確かな成長が実感できたようです。教育統括部長・伊藤豊先生は、その理由についてこう話します。
「生徒たちは現地の人と『助ける・助けられる』というだけの関係性をつくるだけではありません。外国で自分自身が受け入れられることを経験し、深い交流が生まれるのです。施設の子どもたちからは聖学院の生徒について『かわいそうな目で自分たちを見ない。本当の友達になれる』という声も上がっています」
貢献することで、自分自身が受容される喜びを知る―この経験は生徒さんの心に強く残るでしょう。研修最終日の作文で、ある生徒さんは自分が奉仕した子どもたちに向けて「ありがとう」と書いていたそうです。

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カンボジア―社会課題をビジネスで解決! 10日間のトライアンドエラー

昨年度からは新たにカンボジアでの研修もスタート。社会問題を解決することを目指すビジネスに生徒が参加し、新商品や広報活動の企画を立て、実現していきます。8月に9泊10日の日程で実施し、30人が参加。事前準備にも2か月かけています。
生徒は2つの事業ごとのグループに分かれて活動します。

カンボジアでの研修に参加する生徒たち

1つ目に紹介する研修先は「ラベンダージープ」という企業。女性を経済的に自立させるため、ジープ型自動車の運転手として雇用しているツアー会社です。ここでは生徒がSNSなどでのPRのほか、女性観光客も安心できる夜間のツアーを企画しました。
参加した水沼昴士(みずぬまたかし)くん(現高3・参加時高2)は「考えていた企画も実践するとうまくいかない部分が出てきます。粘り強くトライアンドエラーを繰り返す中で、予測できないことにどう対処するか学びました」と自身の成長を振り返ります。

企画を発表する生徒たち

2つ目の研修先は雑貨店の「ルッカ」。農村で働く母親たちがつくる雑貨を販売しています。生徒たちは、プロモーション動画やチラシの制作に加え、日本人観光客向けの新商品の開発を手がけました。

参加した鈴木快くん(現高2・参加時高1)からはこんな感想が寄せられました。
「現地の人の収入源になっている事業を自分たちがつぶすかもしれないというプレッシャーがありました。それを乗り越えることで行動力が増したと思います。また、何をするにも『なぜするのか』について理由を持つことが重要だと知りましたし、課題発見を効率化するプロセスなど新しいスキルが身に付きました」
 聖学院にはこのほかにも、英語圏ホームステイプログラムや海外の提携校への長期留学制度など海外で学ぶ機会が豊富にあります。また、普段の英語授業も4技能に加え発信力・表現力を育てることを目指して研究を重ね、「国際社会とつながるツール」としての英語力を育てています。

国際教育部長・児浦先生は聖学院について「グローバル・マインドを育む多彩な教育を展開しています。世界を志す生徒にとって、アドバンテージになる教育を進めていきます」と紹介しています。

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編集者から見たポイント

研修を終えた生徒から「パラスポーツの普及に打ち込んでいる」「普段の授業で意見がもっと言えるようになった」と聞きました。聖学院の海外研修は意識を新たにする体験になるのではないでしょうか。

イベント日程

イベント名 日時
第1回オンライン個別相談会 2020年5月23日(土) 11:00〜
第3回オンライン学校説明会 2020年5月30日(土) 11:00〜
第2回オンライン個別相談会 2020年6月6日(土) 11:00〜
第4回オンライン学校説明会 2020年6月13日(土) 11:00〜

※イベント日程・内容は変更になることがあります。

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