生徒の笑顔弾ける芝の校外学習
inter-edu’s eye
10月末、芝中学校・芝高等学校(以下、芝)で中1の多摩動物公園校外学習が実施されました。本来ならば6月に真鶴で磯の生物観察をし、夏休みに臨海学校へ行きますが、今年度は新型コロナウイルスの影響で中止に。中1生は入学して初めての校外学習をどう楽しんだのでしょうか。生徒と先生の声をご紹介します。
※写真撮影のときだけマスクを外しています。
先生インタビュー
多摩動物公園での校外学習は、生物の授業の一環として行われています。生徒は哺乳類を観察しながら、先生が作成した課題に取り組みます。生物ご担当の小木守先生と、中1担任の磯貝健先生にお話をうかがいます。
生徒の笑顔に校外学習の必要性を実感
インターエデュ(以下、エデュ):今年度は内容に変化はありましたか。
小木先生:これまで校内で作っていた課題プリントを業者に依頼して製本しました。芝の理科は実物を見たり触れたりすることを重視しているため、これまで以上に校外学習に重きを置こうという生物科の意向が反映されています。課題は既存のものをベースに、3人の教員で相談しながら新しい問題を作成しました。
エデュ:生徒のようすはいかがでしたか。
磯貝先生:当日はもちろん、事前の下準備のときから普段とは目の輝きが違いました。初めての校外学習で天候にも恵まれたので、日常とは違う開放感があり、生徒はとても楽しそうでしたよ。彼らの笑顔を見て、改めて校外学習の必要性を感じました。
先生が知恵を絞る個性的な内容
エデュ:芝の校外学習の特徴を教えてください。
磯貝先生:校外学習には多摩動物公園のように歴史あるものと、学年の教員が都度企画するものがあります。後者は、生徒の後の人生に有意義な体験になるようにと、教員が頭をひねって必死に考えるので、個性的で中身の濃い内容になりますね。その分、芝でなければ経験できない楽しさや充実感を味わうことができます。
小木先生:中3と高2の修学旅行は行先や内容がほぼ決まっていますが、校外学習は学年オリジナルの企画として、教員が生徒に合った内容を考えます。学年の教員が意見交換や下見をしながら交流を深め、結束を固めていくので、生徒はもちろん教員にも影響の大きい行事だと感じています。
生徒の感想
磯貝先生のクラスを代表して、池田陽くんと木元優弥くんが感想を語ってくれました。
エデュ:現地での発見を教えてください。
池田くん:これまで意識して見ることのなかったマレーバクの指が、前足は4本、後ろ足が3本だと分かり、指の本数が違う動物がいることを知りました。また、実際に見ることで動物の顎が動く仕組みを理解しました。
木元くん:これまでは動物の説明文を読まずに園内を回っていましたが、今回はじっくり見ることで知らないことが意外と多かったことに驚きました。
エデュ:今後、楽しみにしている校外学習はありますか。
木元くん:ベトナム研修です。
池田くん:中止になった真鶴の校外学習の代わりを先生方が考えてくださっていると聞いたので、それが楽しみです。
エデュ:通ってみて分かった学校の魅力を聞かせてください。
池田くん:先生や友達が自分の個性を認めてくれるところと、高学年の先輩が優しく接してくれるところです。
木元くん:授業がとても面白いです! また、友達が作りやすいところです。
編集者から見たポイント
先生の想いがたっぷり詰まった芝の校外学習。連載では、これまで多種多様な校外学習を取材してきました。ベトナム研修や臨海学校、化石採集、荒川ウォークと真鶴での生物観察など、たくさんの画像とともにご紹介しているので、併せてぜひご覧ください。
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