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中学受験が100倍子どものためになる理由とは?:第37回

inter-edu’s eye
親子とも多大なストレスを感じる中学受験。でもそのストレスを上手にコントロールすることができれば、貴重な一生ものの宝物を子どもに授けることができる…そう断言する新刊が発売されました。本番を前に焦りを感じている方、受験すべきか悩んでいる方、この本を読めば解決方法が見えてきますよ。

◆中学受験は一生ものの力を授けてくれる

中学受験は一生ものの力を授けてくれる

「中学受験生のママにおすすめしたい本よ」と先日、友人の主婦ライターから1冊の本を渡されました。それが今回ご紹介する『中学受験は挑戦したほうが100倍子どものためになる理由』です。彼女曰く、「中学受験では、私も娘もすごくまいっちゃってたでしょ。もう6年前のことだけど、あの時この本を読んでたら、もう少し落ち着いて頑張れただろうって思ったの。もやもやした気持ちが少しずつクリアになって、子どもを追いつめないですむようになるの」。彼女は今、その娘さんの大学受験を控え、たまたま手にした本書で冷静になれたと言うのです。

どういう意味だろう?と思って読み始めました。まえがきでは、「中学受験の道のりにはストレスがつきものです。しかし、ストレスを怖がる必要はありません。ストレスをバネに5点でも10点でも高得点をあげればいい」という言葉が心に残りました。

著者の田中純さんはストレスマネジメントの専門家です。中学受験のストレスを軽減する方法を教えてくれるのだろうというぐらいは想像がつきました。しかし主婦ライターが推薦する理由はよくわからないし、ストレスマネジメントの専門家が、中学受験をすすめるのはなぜ?という疑問もありました。

しかし後者の疑問は、第1章「中学受験は親子の冒険物語」を読んでいるうちに吹き飛びました。最初の小見出しが、「若いうちの苦労は買ってでもさせよ、買ってでもせよ」です。著者は中学受験を、“買ってでもさせたい若いうちの苦労”だと言い、児童文学の定番である冒険物語になぞらえて、その必要性を語っているのです

中学受験のプロセスの中で、うまくいかない、思いどおりにならない、自分で自分がコントロールできない、そんな失敗や壁にどうやって立ち向かうかに着目し、瞬間瞬間にそれらを学びに変えていく。それは難しいことかもしれませんが、受験の結果がどうあれ、何にもかえられない貴重な数年間を過ごせるはずです。そして断言いたしますが、それは子どもたちに一生ものの力を授けるのです。(P22)

◆親にできる最善のことは何だろう?

中学受験は、子どもにも親にも多大なストレスを与えます。でもそのストレスを上手にコントロールすることができれば、ストレスゼロの状態(=中学受験をしない)では身につかない貴重な「一生ものの力」がつくというわけです。確かに中学受験をしなかったら、今の小学生にどんな冒険の機会があるでしょう? 安心安全が何より大事で、ちょっとでも危険なことは避けようという時代、そのこと自体は当然であっても、反面、冒険の機会をぐっと減らしているのも事実です。そんな中、中学受験は、親子合意の上でできる数少ない冒険のひとつ、という意見はとても説得力があります。

著者は第2章で、中学受験で得られる「一生ものの宝物」について書いています。それはもちろん「合格」ではありません。もっともっと大事なものです。でも中には、目前に迫る受験本番を前に、“今の状態で「合格」より大事なものなんかないわ!”と思うほど追いつめられているママもいるかもしれませんね。でもできれば、そういう方にこそ、この第2章を読んで、もっともっと大事なものを思い出してほしい。そして続く3章、4章に読み進んでいってもらいたいと思いました。

第3章と第4章は、いずれも「親ができること」と題されたpart1とpart2です。題名のとおり、中学受験に際して親が子にできることについてのお話なのですが、この内容は、どうもうまく要約することができません。というより要約すると、本書のいちばんいいところをお伝えできなくなるような気がします。

本書の読者は、読み進むにつれて、いつのまにか自問自答をはじめると思います。自分のこと、わが子のこと、親子というもの、中学受験について、これまでとは少し違った角度から思いをめぐらせていくでしょう。著者はそんな心の営みをナビゲートして、読者が、自分はどうすればよいかの答えを自分自身で出すように促しているのだと想像しました。そしてその結果が、主婦ライターの言った「もやもやした気持ちが少しずつクリアになって、子どもを追いつめないですむようになるの」ということ。本書を読むこと自体が、ストレスマネジメントになっているのだと思います。

◆私立中学高校で学ぶ意義

本書では、著者自身が中学受験の経験者で開成出身であること、今や開成の校長先生となった当時の大学生から少年時代の著者が教わったことなどのエピソードも含め、私立中学高校で学ぶことの意義もまた、しっかり感じ取ることができます。著者自身、「一生ものの宝物」を得たのです。そしてそのひとつが、著者の座右の銘である「学べ、学べ、学んだすべてのものを、世の人のために尽くしてこそ価値があるのだ」という言葉。著者は、この教えに基づいて本書を執筆したのでしょう。

人生の書とも言いたいほど、心に残る言葉が数多く散りばめられている本書。その中に、他ではあまり聞かない「敬意をはらう」という言葉がありました。人への敬意、自分自身への敬意……そういえば最近、こういう基本的な姿勢が忘れられていると思いませんか?

(前略)「敬意をはらう」という行為は親の言葉やしぐさを含めたあらゆるふるまいに滲み出てきます。親が他者に敬意を払う様子は、子どもたちにとってよいお手本になります。私は、「敬意をはらう」を家訓の筆頭にしてもいいと考えています。居間のよく見えるところに「敬意をはらう」という掛け軸をぶら下げてはいかがでしょうか。
 親ばかりでなく家族や他者に対して、そして自分自身に対して敬意をはらう姿勢はしつけの基本になります。
(後略)(P150)

「敬意をはらう」ことと中学受験とは関係ないと思われますか? いえいえ、この本を読んでいただければ、こうしたことすべてがつながっているのだと実感できます。中学受験という挑戦を通して、親子がより幸せな人生をつかんでいくために、今、どうしたらいいのか、この本できっとあなたご自身の答えが見つかります!

中学受験は挑戦したほうが100倍子どものためになる理由

中学受験は挑戦したほうが100倍子どものためになる理由
田中 純著、みくに出版刊、1100円+税
いま、たくさんの小学生が中学受験を目指して塾に通い勉強を続けています。でも成績が上がらない、志望校に偏差値が届かない、子どもが勉強を投げ出す、親子でけんかばかりしているetc.つらい思いばかりしている家庭も多いようです。これから中学受験をさせたいと思っている親でも、勉強で苦労させたくない、塾通いを続けたら子どもらしい生活ができないのでは、などなど思い悩むことが多いものです。そんな悩みをもつお母さん、お父さんに向けて、「中学受験は親子で挑む冒険物語」で「家族の成長のチャンスなのだ」とストレスマネジメントの専門家・Donさんこと田中純先生がわかりやすくお伝えします。「主役は子ども、親は脇役」「学校や塾は仕掛け」「偏差値で一喜一憂は意味なし」「親ができることは何か」「家で言えると癒える」などなど、読めばその日から子どもへの接し方が変わるでしょう。好評の『ストレスに負けない家族をつくる』に続き、中学受験と子どもの成長に焦点を絞ったDon先生のアドバイスをお読みになれば、中学受験が親子にとっての一生ものの宝になること、間違いなしです。…購入はこちらから

田中純 みくに出版

著者の田中 純(たなか じゅん)さん
1955年東京生まれ。開成中学校・高等学校、国際基督教大学(ICU)教養学部教育学科卒業。神経研究所附属晴和病院、南新宿診療室を経て中学高等学校教諭となる。公文国際学園開校準備に参加し、開校後は学校カウンセラーとして勤務。現在は赤坂溜池クリニックやNISE日能研健康創生研究所等でカウンセリングやコンサルテーションを行っている。 学生・生徒、勤労者などのカウンセリングや心理予防教育、家族や組織へのコンサルティングに加え、がん患者と家族の心理的支援などを専門領域としている。2011年にコミュニティ・カウンセラー・ネットワークを立ち上げ、ストレスマネジメント101(基礎講座)などを通じて、子どもにもできるストレスマネジメントの生活習慣をこれまで1万人以上に伝えてきている。東日本大震災をきっかけに“みんなの身近に心の安全地帯をつくる”ことを目的としてコミュニティ・カウンセラーの養成も始めている。2014年2月より一般社団法人コミュニティ・カウンセラー・ネットワーク代表理事。著書『ストレスに負けない家族をつくる』みくに出版、共著『小児がんピアサポーターガイドブック』創英社/三省堂書店。


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