総括 2014東大合格者から見えてくること
◆inter-edu’s eye◆
毎年注目を集めるコンテンツ『東大・京大・難関大学合格者ランキング』。2014年の東大入試結果は、どんな動きを見せたのでしょうか。そして、そこから見えてくる未来とは…? インターエデュ独自の視点で総括を、前後半でお届けします。(後半はこちら»)
東大合格者傾向により中高はどう変わる?
■2014東大合格者ランキング(前後期分含む)
※学校名をクリックすると詳細が表示されます。
学校名 | 合格者数 |
---|---|
開成高等学校 | 158名 |
筑波大学附属駒場中・高等学校 | 104名 |
灘高等学校 | 103名 |
麻布中学校・高等学校 | 81名 |
駒場東邦中学校・高等学校 | 75名 |
聖光学院中学校・高等学校 | 71名 |
桜蔭中学校・高等学校 | 68名 |
栄光学園中学校・高等学校 | 67名 |
東京学芸大学附属高等学校 | 56名 |
渋谷教育学園幕張中学校・高等学校 | 48名 |
◆私大医学部志向による影響が見られる
2014年度の東大合格者ランキング1位は開成。インターエデュで調査を始めた2003年から変わらず首位を守り続けています。しかしながら経年の合格者数を追うと、2012年202名⇒2013年170名⇒2014年158名と減少傾向が見られます。
ここから予想できることの1つとして、合格者数ではなく、受験者数自体が減少したことがあげられます。難関上位校の私大医学部志向がささやかれる今、それを裏付けるような傾向が2014年度入試に見られたということは、注目すべき点です。また、この動きを教育業界がどのように取り上げていくかによって、今後中学・高校の教育カリキュラムも変わりゆく可能性があることも忘れてはならないでしょう。
※3月28日午前10:00まで上記文章中に開成高等学校の合格者数推移が現役のみであるというような誤解を招く表現がありました。上記合格者数推移は現役・既卒を含んだものでございます。訂正し、深くお詫び申し上げます。
◆合格者数伸長校には理由がある
一方で、前年度から東大合格者数を大きく伸ばした学校も多く見られました。ランキングでも5位の駒場東邦は、2013年59名⇒2014年75名と前年比127%の合格者を輩出。進路指導の先生は「第一志望への気持ちを切らさない指導」で合格者数伸長につなげたとその要因をおしえてくれました。2013年62名⇒2014年70名で6位の聖光学院は、「従来から実施している夏休みの講習や放課後の補習等をさらに手厚く指導することでテコ入れを行いました」と、生徒のモチベーションを継続させ地力を高める指導が共通しています。
また、ランキング外ではあるものの、地方の高校の合格者数伸長も目立ちました。2013年6名⇒2014年17名、前年比300%の北嶺の進路指導の先生は「昨年度から特別HRクラスを編成。切磋琢磨できる環境を作ることができた」と成功を語ります。 合格者数伸長校には、それぞれ思いのつまった取り組みがあり、功を成したと言えるでしょう。この結果を見て、次に動き出すのはどこなのか。すばやく新しい取り組みを始められる学校に注目が集まりそうです。
◆都立中高一貫校は再来年が楽しみ
今年は、都立中高一貫校の結果にも注目。中高一貫としてはじめての卒業生を出した都立武蔵・都立立川国際は、それぞれ2名の東大合格者を送り出しました。既に卒業生を出している都立白鴎は現役5名、都立小石川は現役5名・既卒1名の合格者を出すなど、安定した実績を保ちます。
これらの結果がどう中学受験志願者に影響するのでしょうか。再来年度は都立富士、都立大泉、都立南多摩、都立三鷹が中高一貫第1期生を送り出します。そこで都立中高一貫校の実績がはじめて勢ぞろいするため、都立中高一貫校人気がどこまで続くのかは、そのあたりに明らかになるでしょう。
関連サイト:東京大学公式サイト
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